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計量計測データバンク ニュースの窓-358-
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計量計測データバンク ニュースの窓-358-
水力発電の現状と水利確保と社会インフラ整備の将来構想



計量計測データバンク ニュースの窓 目次

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計量計測データバンク ニュースの窓-358-水力発電の現状と水利確保と社会インフラ整備の将来構想


計量計測データバンク ニュースの窓 目次

水力発電の現状と水利確保と社会インフラ整備の将来構想

水力発電の現状と水利確保と社会インフラ整備の将来構想

社会インフラ整備の拡充と社会と産業の発展の相関関係


社会インフラ整備の拡充と社会と産業の発展の相関関係

社会インフラ(道路、鉄道、港湾、電力、水道、通信など)の整備・拡充と、社会・産業の発展は、正の相関関係(相互に影響し合い、両方が高まる関係)にあります。
インフラは産業の「血管」や「神経」であり、これらが整備されることで経済活動が効率化し、社会が豊かになることで、さらに質の高いインフラが求められるという循環構造を持っています。
以下に、その具体的な相関関係を要素別に整理しました。
1. 産業の発展(生産・物流の効率化)
社会インフラの拡充は、企業の生産コストを引き下げ、産業を活性化させます。
物流コストの低減・高速化:道路や港湾の整備は、原材料の調達や製品の配送にかかる時間と費用を減らし、サプライチェーンを強化します。
工場の立地誘致・生産性向上:電力・水道・通信インフラが安定している地域には工場やデータセンターが誘致され、産業の集積(産業クラスター)を生み出します。
産業のデジタル化(DX):安定した高速通信・情報インフラは、製造業のIoT化やサービス業のオンライン化を支える必須の基盤です。
2. 社会の発展(生活の質の向上・持続可能性)
インフラは生活の基盤であり、社会の安全性と利便性を高めます。
生活利便性の向上:鉄道や道路網の整備は、人々の移動を円滑にし、就業機会の拡大や経済活動のエリアを広げます。
安全・防災機能の強化:防災・減災インフラ(堤防、耐震化など)は、自然災害による社会的な損失を最小限に抑え、事業継続性(BCP)を確保します。
公共サービスの質の向上:水道、下水道、電気、情報網の安定供給は、健康で豊かな生活環境を支え、医療・教育・行政サービスの質を向上させます。
3. 社会インフラ整備の「ストック効果」
インフラ整備の経済的な意味は、単に工事期間中の投資効果(フロー効果)だけではありません。完成したインフラが「ストック(資産)」として長期間にわたり効果を発揮するストック効果が重要です。
定住人口・交流人口の増加:交通アクセスが良くなることで、過疎地の活性化や観光産業の発展に繋がります。
新規事業の創出:新しいインフラが、新たなビジネスの芽(例:配送ドローン網、スマートシティ)を生み出します。
4. 両者の相互相関構造
インフラ拡充
物流効率化・コスト減・投資誘致

産業の発展・経済成長

税収増・高次インフラ要求

インフラのさらなる高度化・再整備
このサイクルが正常に機能している国家・地域では、産業の高度化とともに社会生活も安定・発展します。
現在のトレンド:持続可能なインフラへの転換
近年では、単に規模を拡大するだけでなく、質的な拡充が重視されています。
DX・グリーンインフラ:老朽化インフラのデジタル・メンテナンス(スマートインフラ)や、環境負荷の低い(グリーン)インフラへの投資。
維持管理・更新:整備されたインフラのメンテナンスが産業の新しいサービス(インフラテック)となっている点。
まとめ
社会インフラ整備の拡充は、産業発展の基盤(直接的効果)となり、生活の利便・安全確保(間接的効果)をもたらすことで、経済と社会の「持続可能な発展」を実現する最も強力なエンジンの一つです。
逆に、インフラの老朽化や不足は、物流の滞りや災害時の甚大な被害を引き起こし、産業の国際競争力や社会の安定を低下させる要因となります。

社会インフラ整備の拡充と社会・産業の発展には、「生産性の向上」「投資の誘引」「生活の質の改善」という3つの側面で強い正の相関関係が認められます。
インフラ整備が経済や社会に与える影響は、建設時の一時的な需要創出(フロー効果)にとどまらず、完成後に長期間にわたって経済活動を支える「ストック効果」として発揮されます。
1. 産業発展との相関(経済インフラ)
鉄道、道路、港湾、エネルギー網などの拡充は、産業構造を高度化させ、経済成長を直接的に下支えします。
物流コストの低減と効率化:交通網の整備は移動時間や物流コストを削減し、企業の生産性を向上させます。これにより、工場の新増設や雇用の創出といった民間投資が誘発されます。
産業構造の変化:経済発展に伴い、産業の比重が第一次産業から製造業(第二次)、さらにサービス業(第三次)へと移行する「ペティの法則」を支える基盤となります。
デジタル・技術革新: ICTインフラ(5Gや光ファイバー)の普及は、デジタル経済の発展や研究開発の効率化に不可欠な要素です。
2. 社会の発展との相関(社会インフラ)
学校、病院、上下水道などの整備は、人的資本の質を高め、社会の持続可能性を向上させます。
人間開発の促進:教育や医療インフラの充実は、労働者の健康状態や技能レベル(人的資本)を向上させ、長期的な労働生産性の向上に寄与します。
生活の質と安全:上下水道や防災インフラ(堤防など)は、地域住民の安全を確保し、災害リスクによる経済損失を抑制します。
格差の是正:インフラ未整備の地域(取り残された地域)への投資は、雇用機会の創出や所得水準の向上を通じて地域格差を縮小させる効果があります。
インフラ整備と経済成長の国際比較
先進諸国を対象とした実証分析では、道路や鉄道などの交通インフラ整備水準が高い国ほど、中長期的な経済成長率も高い傾向にあることが示されています。総務省のICTインフラ国際比較レポートによれば、日本はインフラ整備水準で世界トップクラスに位置しており、これが過去の高度経済成長や現在の産業基盤を支える要因となっています。
インフラの機能別分類
経済インフラ:鉄道、空港、エネルギー、通信など(主に生産活動を支援)。
社会インフラ:学校、病院、警察、公園など(主に生活の質や人的資本を支援)。

ダムの10m嵩上げ 上流取水 水力発電の推進

ダムの10m嵩上げ 上流取水 水力発電の推進

ダムの10m嵩上げ、上流取水、水力発電の推進は、既存のインフラを再開発(ダム再開発)して、治水能力とエネルギー自給率を同時に高める持続可能な手法として注目されています。具体的には、桂沢ダム(北海道・約12m)や江川ダム(福岡県・約10m)などで実施されています。
このアプローチの主なポイントは以下の通りです。
1. ダムの10m嵩上げ
目的: 洪水調節容量の増大(治水)、新規利水(水道・工業用水)、および水力発電の強化。
手法: 既存のダム堤体(コンクリート重力式ダムなど)の下流面に新しいコンクリートを打ち増して補強・嵩上げする技術が多く用いられる。
メリット:新規にダムを建設するよりも環境負荷や用地取得の手間が少なく、短期間で貯水容量を増やせる。
課題:工事期間中も貯水したまま作業を行うなど、難易度の高い施工が必要となる場合がある。
2. 上流取水(高所取水)
目的:ダムの貯水位を高める(嵩上げする)ことで、より高い位置から効率的に水を取水する。
メリット:貯水池内の取水位置が上がることで、有効落差が最大化され、発電効率が飛躍的に向上する。
効果:桂沢ダムの事例では、未利用だった位置エネルギーを有効活用し、マイクロ水力発電を開始している。
3. 水力発電の推進
ハイブリッドダム:国土交通省は、治水(洪水防止)と発電を両立させる「ハイブリッドダム」を推進している。洪水期でも予測に基づき安全な範囲で水位を上げ、発電量を増大させる取り組みが行われている。
官民連携:民間の資金や技術力(マイクロ水力など)を積極的に導入し、既設ダムの未利用落差を有効活用する事例が増えている(例:野村ダム、湯西川ダム)。
効果: カーボンニュートラル(2050年)に向けた再生可能エネルギーの創出、地域振興。
具体的な実施例・成果
桂沢ダム(北海道):2024年に約11.9m嵩上げされ、未利用エネルギーを活用した小水力発電を開始。
下の原ダム(長崎県):5.9mの嵩上げと取水口の移設で落差を増大させ、発電効率を向上。
湯西川ダム(栃木県):新たな水力発電所の設置・運営に民間の活力を導入する試みが進行中。
この再開発手法は、単に貯水量を増やすだけでなく、既存ストックの有効活用(利水・発電)という観点から、今後のダム管理における主要な手法と位置づけられています。

既存ダムの10m嵩上げは、貯水容量を劇的に増加させ、水力発電の出力を大幅に強化する極めて有効な「ダム再生(再開発)」手法です。特に、上流での取水体制と組み合わせることで、未利用のエネルギーを最大限に活用する取り組みが推進されています。
1. ダム嵩上げ(10m級)の効果
既存の堤体を約10m高くすることで、貯水池の上部という最も面積が広い部分の容量が増えるため、わずかな嵩上げでも貯水容量は飛躍的に向上します。
貯水容量の増大:堤体を約2割高くするだけで、総貯水容量が約6割増加する事例もあります。
事例:北海道の桂沢ダムでは、2024年に11.9mの嵩上げが完了し、増加した位置エネルギーを利用した発電事業が行われています。
2. 上流取水と水力発電の推進
「ハイブリッドダム」構想の一環として、治水機能と発電機能の両立が図られています。
位置エネルギーの活用:上流での取水ポイントを最適化し、嵩上げによって高まった水位(落差)を利用することで、発電効率(約80%)を活かした増電が可能です。
高度な運用:気象予測に基づき、洪水に支障のない範囲で上流からの流入水を貯留し、無効放流を減らして発電に回す「水位運用高度化」が国土交通省直轄ダムなどで進められています。
3. メリットと主な課題
項目 内容
メリット 新規ダム建設に比べ、コスト抑制・工期短縮が可能。環境負荷も相対的に小さい。
技術的課題 既存堤体の切削・補強工事が必要。運用しながらの施工には高度な技術が求められる。
調整事項 上流の水没地拡大に伴う用地買収や、既存の水利権(農業用水等)との調整が必要になる場合がある。
現在、栃木県の湯西川ダムなどで、全国初の民間事業者による新水力発電所設置・運営事業が公募されるなど、既存資産の有効活用が加速しています。

日本の水力発電の現状と将来計画

日本の水力発電の現状と将来計画

日本の水力発電は、全電力の約7〜8%(2022-2025年時点)を担う主要なベースロード・再生可能エネルギーであり、2,000カ所以上の既設所が存在する。将来は2030年に電源比率11%程度を目指し、特に未開発の小水力や老朽化施設の更新、AIを活用したダム運用の高効率化に注力する。
1. 水力発電の現状
現状のシェア:2022年度の発電電力量に占める割合は約7.6%。再生可能エネルギーの総発電量の約35%を水力が占めている。
設備容量:約2,200万kW(2023年度)。
特徴:安定した電力供給が可能な「ベースロード電源」であり、CO2を排出しない。
形態:大規模なダム式だけでなく、河川の流れを利用する水路式や、2つの池で電力を蓄える揚水式が存在する。
課題:開発の適地が減少し、建設の遅れやコスト高が課題となっている。
2. 将来計画と目標
2030年目標:第6次エネルギー基本計画に基づき、全電源比率を11%程度に引き上げる計画。
注力分野:
中小水力発電:3万kW未満の中小規模な水力開発を推進(2019年度末の980万kWから2030年度に1,040万kWへ)。
既存施設のリプレース:老朽化した発電機を高効率なものへ更新し、出力を増強する。
ダムの高度化:最新の気象予測と連携したAI運用により、防災(洪水調節)と発電能力の最大化を両立する。
新制度: 2024年1月より「長期脱炭素電源オークション」が導入され、大規模な水力や揚水発電所の新設・更新が支援される。
3. 今後の方向性
水力発電は再エネの主力として期待され、地域の未利用エネルギー(農業用水や下水道)の活用も進む。今後は環境への影響を最小限に抑えつつ、社会的受容性を高める開発が求められている。

日本の水力発電は、再生可能エネルギーの中でも古くから基幹電源として利用されており、現在は全発電電力量の約8〜10%を占めています。大規模なダム建設が可能な適地は減少していますが、2030年度の目標達成に向けて、既存設備の更新や中小水力発電の導入が進められています。
現状
導入状況:2025年時点の導入容量は約50.5GW(ギガワット)に達すると予測されており、導入量では世界第6位の水準です。
発電構成比:直近の統計(2025年10月分)では、揚水式を含む水力発電が全体の約8.1〜9.5%を占めています。
近年の取り組み:国土交通省などが進める「ハイブリッドダム」の取り組みでは、既存の多目的ダムにおいて気象予測を活用し、洪水調節に支障のない範囲で貯水・放流を行うことで、発電量を増やす試行が行われています。
将来計画
政府の「第7次エネルギー基本計画」では、再生可能エネルギーを最大の電源と位置づけており、水力発電の役割も強化されています。
2030年度目標:電源構成における水力の比率を8.8〜10%程度に引き上げる方針です。
中小水力の拡大:大規模ダムの適地不足から、小規模な河川や農業用水路を活用した中小水力発電が注目されています。FIT(固定価格買取制度)などの支援により、2034年までに市場規模がさらに拡大すると予測されています。
揚水発電の重要性:太陽光や風力など出力が不安定な再エネの導入拡大に伴い、電力を蓄える「蓄電池」のような役割を果たす揚水発電の価値が再評価されています。
課題
開発コストと適地:建設費が高く、また経済的に見合う適地が少なくなっていることが普及の障壁となっています。
規制と環境保護:自然公園内での開発制限や河川法などの手続きが、新規開発の長期化やコスト増の要因となっています。

水力発電を基礎電力とした流域社会の建設構想

水力発電を基礎電力とした流域社会の建設構想

水力発電を基幹電力(ベースロード電源)と位置づけ、河川の上流から下流までの「流域」を一つの有機的なシステムとして捉える社会建設構想は、持続可能な地域循環共生圏(ローカルSDGs)の形成において非常に有力なアプローチです。
以下に、その具体的な建設構想案をまとめます。
1. 構想の全体像:水力エネルギー流域循環圏
コンセプト:「森・川・里・海」のつながりを守りながら、水力資源を余すことなく使い、地産地消のエネルギーで地域経済と防災を支える。
特徴:太陽光や風力のような間欠性(不安定さ)が少なく、安定した発電が可能。山間部から平野部まで連鎖的な発電を構築。
2. 流域各ポイントの具体的な展開
【上流部:治水・保全とマイクロ水力】
既存堰堤の有効利用: 砂防堰堤や治水ダム、農業用水路の未利用落差に「マイクロ水力発電(100kW以下)」を設置。環境負荷を最小限に抑える。
治水と連携:ダム運用において、洪水調節(水位低下)と発電用の貯留をハイブリッド化(ハイブリッドダム化)し、防災とエネルギー供給を両立。
【中流部:農業・水利用のスマート化】
農業用水路の小水力: 農業用ダムや用水路の小水力発電を組み合わせ、農業機械の電化や、温室の温度・水分管理用のエネルギーにする。
グリーン・インフラ:発電所周辺の森林・水辺を環境保全地区とし、地域循環型の保全活動を行う。
【下流部・都市部:産業・生活への還元】
地域マイクログリッド:流域全体で発電した電力を、既存の送電網に加え、特定の地域内(自治体、産業団地、住宅地)で自立的に融通するマイクログリッドを構築。
産業の地産地消:安定的な電力を活用し、データセンターの誘致や、地域資源(森林資源、農産物)を活用した高付加価値製品の製造産業を育成。
3. 社会的・経済的メリット
エネルギー自給率向上:外部(大手電力会社)に依存せず、地域のエネルギー需要の大部分を賄う。
災害時のレジリエンス(強靭性):災害で送電網が分断されても、自立運転可能な水力発電所が地域を支える(「ブラックスタート」能力)。
経済循環の創出:売電収益を河川・森林保全や地域福祉に再投資し、持続可能な地域運営を行う(ローカルエネルギー会社)。
4. 建設・推進のロードマップ
流域資源調査(マッピング):全流域の落差・流量、既設ダム・堰堤の情報をデジタル化(DX)。
地域循環型ガバナンスの設立: 自治体、森林組合、農業、企業、住民が連携する協議会(官民連携PPP)の創設。
モデル地域での導入(パイロットプロジェクト): 最も効率の高い堰堤にて小水力開発を実施。
流域全体への展開(横展開):小水力、既存中小水力の増電、マイクログリッド網の拡大。
5. 課題と解決策
環境影響:取水による河川環境への影響。→解決策:環境配慮型技術の採用、河川環境を維持する流量(維持流量)の徹底。
建設費・管理費:小規模分散型は初期投資が大きい。→解決策:国土交通省の「ハイブリッドダム」等の補助金活用、地域金融機関の投資、省力化・遠隔監視技術(DX)の導入。
この構想は、水力という「地域資源」を再評価し、流域の未来を守るための「インフラ」として再構築する活動と言えます。

水力発電を基礎電力(ベースロード電源)とした流域社会の建設構想は、地域の地形や水循環をエネルギー源として捉え直し、脱炭素と地域経済の自立を両立させる持続可能な社会モデルです。
1. 構想の核心:水力によるエネルギー自給
水力発電は太陽光や風力と異なり、季節や天候に左右されにくい「安定した出力」が最大の特徴です。これを流域単位で活用することで、地域の基盤となる電力を自給します。
ハイブリッドダムの活用:既存の治水ダムに発電機能を付加・強化し、放流水を活用して増電を図る「ハイブリッドダム」構想が国によって推進されています。
分散型小水力発電:農業用水路、上下水道、砂防ダムなどの落差を利用した小水力発電を網の目のように配置し、地域マイクログリッドを構築します。
2. 流域社会の構造(エネルギー×資源の循環)
流域を一つの経済圏・生活圏として捉え、水とエネルギーを軸に資源を循環させます。
水・エネルギー循環型ライフライン:下水処理場での小水力発電や下水熱利用を組み合わせ、エネルギー自立型まちづくりを進める構想があります。
地域経済の活性化:発電による売電収益を地域のインフラ維持や福祉に充てることで、エネルギー代金の域外流出を防ぎ、地域内での資金循環を創出します。
3. 社会実装に向けた主な課題
水利権と法規制:河川法に基づく水利権の取得手続きや、農地転用などの規制緩和が不可欠です。
既存設備の老朽化:国内の水力発電所は老朽化による出力低下が課題となっており、リニューアル工事やメンテナンス体制の構築が必要です。
環境とコミュニティの共生:景観保全や生態系への配慮に加え、地域住民の主体的な参画が事業継続の鍵となります。
4. 先進的な事例
静岡県富士宮市:富士山の豊富な湧水を活用し、「日本一の小水力発電のまち」として多数の発電所を運用しています。
北海道赤井川村:「ゼロカーボンビレッジ」を掲げ、小水力や地熱を活用したエネルギー自給率の向上に取り組んでいます。
この構想は、単なる発電所の建設にとどまらず、水という共有財産を基盤とした「流域マネジメント」による新しい自治の形を目指すものです。

脱ダム宣言は何だったのか

脱ダム宣言は何だったのか

「脱ダム宣言」は、2001年2月に当時の長野県知事・田中康夫氏が、環境負荷と巨額の建設費、ゼネコン癒着などを理由に、県が計画していたダム建設(下諏訪ダム等)を中止し、代替案(河川改修や治水・利水の見直し)を追求した公共事業見直しの政策です。全国に波紋を呼び、ダム行政への疑問や治水・利水に関する論議を巻き起こす大きな契機となりました。
「脱ダム宣言」の主な内容と背景
主体・時期:2001年2月、田中康夫長野県知事(当時)が表明。
理由:コンクリートダム建設による環境負荷、莫大な維持費、100年・200年先の子孫に残す資産としての河川の価値重視。
方針: 計画中の県営9ダムの見直しを行い、最終的に7ダムが中止された。
対案:「長野モデル」として、ダム以外の堤防強化や川底の浚渫(しゅんせつ)による治水を目指した。
その後の展開と評価
浅川ダムの運命:中止対象の中で工事が進んでいた「浅川ダム」は激しい対立の末、後任知事が計画を復活させたが、環境負荷が少ない「穴あきダム(流水型ダム)」として2017年に運用を開始した。
事実上の撤回:2006年の知事選で田中氏が敗北し、村井仁知事が「国の補助金活用」を掲げたことで、脱ダム方針は事実上撤回された。
影響:賛否両論ある中で、日本各地のダム事業の見直しや、治水・利水のあり方を問い直す大きな契機となった。
脱ダム宣言は、ダム建設の「是非」を地元住民や全国に直接的に問いかけた、歴史的な公共事業政策の転換点であったといえます。

「脱ダム宣言」は、2001年に当時の田中康夫長野県知事が提唱した、「コンクリートのダムに頼らない治水・利水」を目指す政策方針のことです。
従来の公共事業のあり方を根本から見直し、環境保護やコスト削減、住民参加型の治水を重視した画期的な取り組みとして注目されましたが、同時に大きな議論も巻き起こしました。
1. 宣言の主な内容と目的
ダム建設の中止:原則として新規のダム建設を行わず、既存のダムの有効活用や堤防強化、遊水地の確保などで治水を行う。
環境とコストの重視:ダムによる生態系破壊を防ぎ、巨額の建設・維持管理費を削減する。
情報公開と住民参加:密室での意思決定を避け、流域住民とともに河川整備を考える仕組みを作る。
2. その後の経緯と結果
事業の中止と継続:下諏訪ダムや駒沢ダムなど多くの事業が中止されましたが、浅川ダムなどは最終的に「穴あきダム(流水型ダム)」として建設・運用されるなど、すべてが中止されたわけではありません。
政治的混乱:県議会や地元住民の反発を招き、知事の不信任決議や再選をめぐる混乱の要因にもなりました。
現在の評価:令和元年の台風19号による千曲川氾濫 などを受け、ダムの有効性を再評価する声がある一方で、環境に配慮した「多目的化」や「砂防堰堤の利活用」など、宣言の精神を汲んだ新たな取り組みも進んでいます。
この宣言は、単なる建設中止にとどまらず、「公共事業はどうあるべきか」を日本社会に問い直す象徴的な出来事だったと言えます。

「コンクリートのダムに頼らない治水・利水」

「コンクリートのダムに頼らない治水・利水」

「コンクリートのダムに頼らない治水・利水」とは、大規模なダム建設(コンクリート構造物)に依存せず、河川流域全体の自然の力や多様なインフラを活用して洪水対策と水資源確保を行う手法です。「脱ダム」や「流域治水」の考え方に基づいて推進されています。
このアプローチは、環境負荷の軽減、建設・維持管理費の削減、および地域の生態系や生活の保全を目的としています。
主な治水対策(ダムに頼らない)
ダムで水を貯めて下流の流量を減らすのではなく、「降った雨を速やかに流す」「一時的に貯める」「氾濫を想定する」というアプローチが取られます。
河道掘削(かどうくっさく)と浚渫(しゅんせつ):川底を掘り下げ、流下能力を上げる。
堤防の強化と引堤(ひきてい):堤防を頑丈にする、または堤防を広げて川の幅を広げる。
遊水地(ゆうすいち)の整備:洪水時に水を一時的に貯める池や場所を確保する。
田んぼダム:水田の排水口に堰板を設置し、雨水を一時的に貯めることで下流への流出を遅らせる。
霞堤(かすみてい)の活用:昔ながらの霞堤の機能を再評価・維持し、氾濫を限定的な範囲にとどめる。
森林の保全(緑のダム):山林の保水力を高め、雨水が一気に川に流れ込むのを防ぐ。
内水(ないすい)対策:市街地の雨水を下水道や貯留施設に一時的に貯める。
主な利水対策(ダムに頼らない)
ダムへの貯水に頼らず、水資源を確保・節約する手法です。
水田の貯留機能活用:農業用水を確保しつつ、田んぼダム等で水を貯め、地下水への浸透を促進する。
雨水利用・浸透:家庭や公共施設で雨水貯留タンクを活用する。
渇水対策のソフト強化:節水の推進や、水資源の広域的な融通体制の整備。
メリットと課題
メリット:環境・生態系への影響が少ない、建設コストを抑制できる、地域住民の生活圏を守れる。
課題:広大な土地の確保が必要な場合がある、複数の施策を組み合わせる必要がある、関係者との合意形成に時間がかかる。
この手法は「流域全体で水害を防ぐ」という観点から、国や自治体(長野県や熊本県など)で具体化されています。

「コンクリートのダムに頼らない治水・利水」は、従来の巨大なダム建設を中心とした河川整備から脱却し、自然の機能や流域全体の保全能力を活用して水害を防ぎ、水を利用しようとする考え方です。
これは2001年に当時の長野県知事・田中康夫氏が提唱した「脱ダム宣言」が象徴的ですが、現在は国レベルでも「流域治水」という方針のもと、ハード・ソフト両面で具体化が進んでいます。
主な代替手法と具体策
ダムに頼らず、流域全体で「貯める・浸透させる・逃がす」機能を高める取り組みが中心となります。
田んぼダム:水田の排水口に調整板(堰板)を設置し、大雨時に雨水を一時的に貯留して河川への流出を遅らせる仕組みです。
グリーンインフラの活用:森林の保水力(水源涵養機能)を高める整備や、湿原の復元、遊水地の確保など、自然環境が持つ防災機能を利用します。
雨水貯留・浸透施設:都市部において、校庭や公園の地下、個人宅の雨水タンクなどに水を貯めたり、地面に染み込ませたりして下水道や河川への負荷を軽減します。
河道改修と霞堤(かすみてい):川幅を広げる(引堤)だけでなく、伝統的な「霞堤」のように堤防に意図的な切れ目を作り、増水時にあえて特定の遊水地へ水を逃がすことで、下流の壊滅的な氾濫を防ぎます。
利水の代替案:ダムに貯める代わりに、地下水のかん養や節水の徹底、既存施設の有効活用(ダム再開発や運用の効率化)により必要な水資源を確保します。
メリットと課題
ダム建設に伴う環境負荷や莫大な維持管理コストを抑えられる一方、効果が分散するため、流域住民や企業、自治体などあらゆる関係者の協働が不可欠となります。また、ダムのような大規模な貯留能力を単一の施設で代替することは難しく、複数の対策を多層的に組み合わせることが求められます。







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