規則に照らせば不正でも総合性能としては問題ない事柄
写真は本文とは連動しない挿絵です。
67,000㎞走行の1,500cc乗用車。性能に満足している。
(タイトル)
規則に照らせば不正でも総合性能としては問題ない事柄
(本文)
自動車の車輪が段差を乞えるときに乗り上げて落ち込んで、その間に踏ん張って上下動を程よく収束させる。このことが上手くできている車に乗ると気持ち良い。走りつかれて踏ん張り、そして抑制をかけるためのバネと油圧性能が劣化した車は段差を乗り越えた後にいつまでも上下に車体が揺れている。
ブレーキフッドを踏んだからといって車に制動がかかるとは限らない。ブレーキパッドが減りデスクが摩耗していれば車は止まらない。タイヤの摩耗と氷結路面などの要素が加わると車はブレーキフッドを踏んでも止まらないと思っていたほうがよい。
ステアリング機構が壊れるとハンドルは切れないから車は曲がらない。オートバイに至ってはバナナの皮やビニールを踏むとコーナーで転倒する。ハンドル操作の失敗、ブレーキとアクセルの踏み間違い、わき見運転、酔っ払い運転といった幾つもの要素を加味すれば車は安全な乗り物ではない。
それなのに人は車は規定どおりにつくれば安全だと思っている。スバルの検査不正が発覚してリコールとなった。ブレーキ検査にデータ改ざんがあった。このために要する費用は膨大である。不正そのものを憎まないではないが、これによって発生する費用とは実質は社会が被る費用であると思われてならない。同じことをもう一度する程度なら良いとしても、回収して検査をもう一度するのだから費用は何倍にもなる。
ブレーキ性能はブレーキパッドとブレーキデスクの摩耗によって低下する。水や油が付けば、制動距離は大きく伸びる。タイヤの摩耗、凍結路面、ブレーキの踏み方と幾つもの要素が加わる。ブレーキ検査の不正は憎むとしても想定される範囲のデータ改ざんがブレーキ性能に及ぼす影響は如何ほどであるか。だれか計算し欲しい。
旧カヤバ工業は自動車のショックアブソーバーのメーカーとして知られる。スバルはプレミアムカーを製造するメーカーである。この二つの企業がデータ偽装をしたためにこの取り繕いにとんでもない費用を持ち出すことになった。
この問題を素直に問うと不正そのものが真に不正であるのかどうかという大局に立った評価が要るのではないか。この不正の補正のために費やすお金は社会損失であるように思われる。意味に疑念のある計測精度とか計測環境を求めることが多いようだ。規則に照らせば不正であるのだけれども総合性能の観点からは何ら問題ないことが多くあるはずだ。
2018-11-10-kisoku-fusei-sougouarticle-editorial-
(不適切な表現などについてはご容赦ください)
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