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計量計測データバンク ニュースの窓-438-
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├計量計測データバンク ニュースの窓-438-お金とは何か つまり貨幣とは何か、貨幣と連動する通貨が発生し流通する状態の本質あるいは起源を確かめる
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米国株(S&P500)の長期的な成長イメージ。過去約30年間の大まかな推移を可視化したグラフ(2000年時点を100とした場合の指数推移ベース)。
日経平均株価の長期推移(1989年〜2026年現在) 。以下は、バブル絶頂期から「失われた30年」の低迷、そしてアベノミクス以降から現在(2026年)にかけての爆発的な上昇局面までの値動きを表した概念グラフ。
お金とは何か。つまり貨幣とは何か、そして貨幣と連動する通貨が発生し流通する状態の本質あるいは起源を確かめる。
紀元前4000年頃の古代メソポタミア、現在のイラク周辺のウルクなどの遺跡から、形や大きさがほぼ同じ大量の粗製土器が発掘された。この器は、当時の主食である麦の容量を量るためのものであった。容器によって定量を量り取った麦は、物と物を交換するための通貨の役割を果たしていた。
肉と木の実の交換、魚と麦の交換という物々交換は、実際に行われようとすると偶然性が大きいことから、交換比率の変動が大きかった。そこで、器によって定量を量り取られた麦が貨幣の役割を果たすようになった。定量の麦と肉、あるいは木の実、そして魚の交換が安定的に実施されることによって、その麦は貨幣であると同時に通貨でもあるという地位を得た。主食であり、腐敗しにくく、分割性にも富んでいたことが、麦が貨幣としての役割を担った要因であった。
貨幣であった麦に代わり、その後、持ち運びに都合がよく、品質のばらつきが少ないなどの要素を備えた銀や金が貨幣としての地位を獲得していった。
ローマ帝国の3世紀の危機の時代には、貨幣としての銀貨の銀含有量が次のように推移した。
| 皇帝・時代 | 銀含有率 | 歴史的背景と結果 |
|---|---|---|
| 初代皇帝アウグストゥス | 95% | 帝国の最盛期であり、貨幣への信頼は絶大であった。 |
| ネロ皇帝(1世紀) | 90% | 財政再建のため、初めて意図的に銀の含有量を削減する改鋳を行った。 |
| マルクス・アウレリウス(2世紀) | 75% | 戦争や疫病による財政圧迫があった。 |
| カラカラ皇帝(3世紀) | 50% | 軍隊への給与増額のため、さらに銀含有率を落とした新貨幣を発行した。 |
| 3世紀後半(ガリエヌス帝らの時代) | 5%未満(ほぼ銅) | 銅の表面を銀メッキしただけの貨幣となった。 |
以上のように、ローマ貨幣である銀貨の銀含有率が低下するほど、貨幣の名目価値に対する実質的な購買力(諸商品との交換比率)は低下していった。それでもなお、銀メッキ銅貨が貨幣としての地位を保っていたことは、多くを物語っている。
実質的な金や銀の質量による裏付けから離れ、日本銀行券などの紙幣が貨幣に代わって流通し、機能する状態が出現している。これが今日の通貨であり、発行者である国家の強制力や信用によって成り立つ、現代の法定通貨・管理通貨制度の下で機能している。
日銀券の発行量、米国におけるドル紙幣の発行量、さらに信用創造の仕組みなどを読み解くうえで、以上に示した事柄は原理的な意味を持っている。
日本の銀行預金は、次のように運用される。
1. 企業・個人への貸出(貸出金)
最も大きな使途である。全国銀行(都市銀行・地方銀行など106行)の預金残高は2026年3月末で約971兆円にのぼる一方、貸出金残高は約496兆円にとどまっており、預金の多くが貸出以外の形でも運用されている。企業の設備投資や運転資金、個人の住宅ローンなどに充てられる貸出金は、預金全体の半分程度の規模である。
2. 有価証券への投資(国債・社債・株式など)
貸出だけでは預金全額を運用しきれないため、余った資金は国債などの有価証券に投資される。ただし近年は状況が変化しており、長期金利の上昇が続くなかで、銀行の国債保有残高は2026年3月末時点で異次元緩和(量的緩和)前のピーク時の4割にとどまっている。2025年12月末時点の国債等保有者別内訳では、日本銀行が43.1%を保有する一方、銀行等の保有割合は16.3%となっており、以前より銀行の国債保有比率は低下している。
3. 日銀当座預金への預け入れ
貸出にも証券投資にも回らない余剰資金は、日本銀行に開設した当座預金に預けられる。マイナス金利政策が終了し、金利のある世界に戻った後は、この日銀預け金に付く金利も銀行収益に影響する要素となっている。
4. インターバンク市場での短期運用
銀行同士の短期資金貸借(コール市場など)でも、一部の資金が運用される。
以上を総括すると、次のような全体像が見えてくる。
預金は「①企業・個人への貸出」「②国債などの有価証券投資」「③日銀への預け入れ」の3本柱で運用されており、集めたお金をそのまま金庫に置いているわけではなく、経済全体に資金を循環させる役割を果たしている。近年は金利上昇局面に入ったことで、銀行が国債投資と貸出のバランスをどう取るかが大きなテーマとなっている。
日本と米国の家計金融資産に占める株式等の割合(出典:日米の家計金融資産と所得構造に関する各種統計)は、次のとおりである。
家計金融資産に占める株式等の割合
| 国・地域 | 金融資産に占める株式等の割合 | 特徴 |
|---|---|---|
| 米国 | 約48.2% | 金融資産の半分近くを株式が占める。投資信託や401(k)(確定拠出年金)経由での間接保有も多い。 |
| 日本 | 約16.7% | 「現金・預金」が約47.2%と大半を占め、株式への配分は依然として低い。 |
| ユーロ圏 | 約25.5% | 保険・年金、現金預金、株式が比較的バランスよく分散されている。 |
また、不動産などを含めた「総資産(純資産)」ベースで見ても、アメリカ人の全資産の約33%(3分の1)が株式市場に連動していると試算されている。
家計「収入(所得)」における株式(財産所得)の割合
収入面から見ると、米国は日本に比べて「財産所得(株の配当や売却益、利子など)」が家計収入に占める割合が大きいのが特徴である。
米国の家計所得における「勤労所得(給与など)」と「財産所得」の比率は、おおむね3対1である。これに対し日本は8対1程度であり、米国の家計は労働収入だけでなく、株式などの資産運用から生まれる収入にも強く支えられていることがわかる。
米国株価の2026年の推移からは、次のことが見えてくる。
2026年の米国株式市場は、年初から幾度かの調整局面を挟みながらも、総じて底堅い上昇基調を保ってきた。特に4〜6月期のS&P500種株価指数は前期比14.9%の上昇を記録し、これは2020年4〜6月期以来の高い伸び率であった。この間、相場を牽引したのは主にAI関連の半導体株であり、その後は金融やエネルギーなど他セクターへも物色の裾野が広がっていった。
上昇を支えた主な要因は次のとおりである。
節目となった出来事は次のとおりである。
直近の状況(2026年9月時点)
9月11日時点のS&P500は7656.98で取引を終え、前日比0.86%の上昇となった。過去1年間のレンジは6316.91〜7816.70と、年間を通じて大きく水準を切り上げてきたことがわかる。もっとも、8000ポイントという大台への到達は容易ではなく、過去の1000ポイント到達に要した期間の中央値(約578営業日)を踏まえると、市場では実現がやや先になるとの見方も出ている。
今後の見通しは次のとおりである。
主要証券各社が示す2026年末のS&P500予想は、6社前後の平均で7,200〜7,450ポイント程度とされ、年間ベースで9%前後の上昇が見込まれている。過去3年続いた2桁の大幅上昇に比べると伸び率は鈍化する見込みだが、過去30年平均並みの上昇は期待できるとの見方が多い。一方で、以下のような点が今後の相場を左右するとみられている。
まとめ
2026年の米国株式市場は、AI関連投資や堅調な企業業績を背景に大きく水準を切り上げてきた一方、地政学リスクや金利動向に応じて上下に振れる場面も目立った。年後半にかけては、インフレ動向とFRBの政策姿勢、そしてAI投資の収益化がどの程度進むかが、次の上昇局面への鍵を握るとみられる。
(出典:フランクリン・テンプルトン、SBI証券、野村證券、三井住友DSアセットマネジメント、IG証券、外為どっとコム、Bloomberg、日本経済新聞、投資情報各社公表データ(2026年9月時点))
結び
本文章の初めでは、計量によって取り引きされた麦が貨幣として機能し、その後に銀が貨幣としての地位を占めるようになったこと、そして銀貨が銅の表面に銀メッキを施したものへと変わっていく過程を示すことで、通貨が生まれた経緯を述べた。通貨は信用を基盤としており、その発行量は国家や権力者の裁量によって決められる。本稿では、現代の信用創造に基づく通貨発行と、そこから生み出された信用や通貨がどのような振る舞いをするのかを解き明かすための手がかりを示そうと試みた。それは、信用貨幣の発行量と株価変動、そして一定周期で発生する経済恐慌への不安に根差すものである。
[資料]
計量計測データバンク ニュースの窓-422-通貨の発生を物語るローマ帝国時代の銀含有量の極限までの低下(貨幣である金と銀が示す通貨発生の原理)
計量計測データバンク ニュースの窓-425-現代の資本主義を分析するマルクス主義経済学視点と近代経済学視点の比較(経済を解かろうとする取り組み)
計量計測データバンク ニュースの窓-430-米国の家計資産に占める株式の割合と米国の富裕層と中間層による株式保有率の違い、日本の銀行の預金の運用方法
計量計測データバンク ニュースの窓-427-米国、日本の株価上昇の推移と今後の見通しとリスク
計量計測データバンク ニュースの窓-422-通貨の発生を物語るローマ帝国時代の銀含有量の極限までの低下(貨幣である金と銀が示す通貨発生の原理)
計量計測データバンク ニュースの窓-425-現代の資本主義を分析するマルクス主義経済学視点と近代経済学視点の比較(経済を解かろうとする取り組み)
計量計測データバンク ニュースの窓-404-米国の資本主義の構造的危機-その1-
計量計測データバンク ニュースの窓-405-米国の資本主義の構造的危機-その2-
信用貨幣の発行量と株価変動と経済恐慌への不安
イノベーションと経済発展と景気循環
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