日本の計量法における計量証明制度
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日本の計量法における計量証明制度
ここで紹介している計量法の説明資料は2021年3月14日時点のものです。変更があることをご考慮下さい。資料は産業技術環境局 計量行政室を元にしております。正確を期す場合には計量法本法と関連規則を照合して下さい。(計量計測データバンク編集部)
計量証明
計量証明について
計量証明は、何か(あるものの物象の状態の量)を計った結果に関して、公に又は業務上他人にそれが真実である旨を数値を伴って表明することを言います。
例えば、貨物の長さや質量などの計量証明(いわゆる一般計量証明)や、大気などの中の物質の濃度や騒音などの計量証明(いわゆる環境計量証明)があります。
計量証明事業について
計量証明を反復、継続して行うことを計量証明事業といいます。
計量証明事業には、次の2事業があり、環境計量証明事業のうち、特にダイオキシン類に関するものは特定計量証明事業とされています。
一般計量証明事業
運送・寄託・売買の目的となる貨物の積卸し・入出庫の際に行うその貨物の長さ、質量、面積、体積、熱量の計量証明を行う事業。
環境計量証明事業
水・大気・土壌中の物質の濃度、音圧レベル、振動加速度レベルの計量証明を行う事業。
特定計量証明事業
濃度の環境計量証明のうち、ダイオキシン類に関しては、特に「特定濃度」と呼ばれ、その事業は特定計量証明事業と言います。この事業を行うには、計量法で経済産業大臣から委任を受けた認定機関等の認定を受けたうえで都道府県に登録する必要があります。
この特定計量証明事業者認定制度はMLAP(エムラップ)とも呼ばれ、計量証明書に所定のマークを附すことができます。
計量証明事業の登録
計量証明事業を行う際には、計量法に基づく登録を行う必要があります。登録は計量証明の事業を行う事業所の所在地を管轄する都道府県(計量検定所等)で行っています。
また、特定計量証明事業に関しては、登録に先立ち、認定を受ける必要があります。現在、認定を行っているのは独立行政法人製品評価技術基盤機構のみです。登録を受けた事業者は、計量証明書に計量法で定められたマークを附すことができます。
なお、登録が必要な範囲の計量証明であっても、国、地方公共団体、政令で定められた独立行政法人((国研)産業技術総合研究所など)は登録の必要はありません。また、政令で定める法律の規定に基づいてその業務を行うことについて登録、指定を受けた者が当該業務として当該計量証明事業を行う場合も登録は必要ありません。
計量証明事業の登録等について
計量証明事業の登録等について(PDF形式:49KB)PDFファイル
お問合せ先
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産業技術環境局 計量行政室
電話:03-3501-1688(直通) FAX:03-3501-7851
受付時間:9時30分~12時00分 13時00分~17時00分(平日のみ)
計量業務のハンドブックとしての「計量制度の概要」の利便
計量とは計ることですが計ることは社会行為を含みます。計量を世の中の仕組みとして統括しているのが規制法としての計量法です。質量の単位表記はkgとすることが決まっております。キログラムをKGやKgと表記するのは誤りです。ことに取引や証明にかかる分野ではkgと表記することが義務づけられております。キログラムをKGと表記した取引でこのKGはキログラムの意味ではないとして相手を騙そうとする手口に使われることがありますから質量の表記にはkgを用いることを知ってこの表記を習慣つけるように訓練することが大事です。ここで記載している「計量制度の概要」とその内容は計量業務に従事する人にとって何時でも取り出せる手引き書であります。技術としての計量や計測の理解とあわせて利用されることが期待されます。(計量計測データバンク編集部)
2021-03-14-3-measurement-certification-system-under-the-japanese-measurement-law-
日本の計量法を知る(目次)
計量法における単位規制の概要
計量法における計量器の規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要
日本の計量法が定める特殊容器制度
日本の計量法における計量証明制度
日本の計量法と計量標準制度
日本の法定計量における国際整合化の推進
日本の計量の普及啓発(計量記念日)
日本の計量法を知る(目次)
計量法における単位規制の概要
計量法における計量器の規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要
日本の計量法が定める特殊容器制度
日本の計量法における計量証明制度
日本の計量法と計量標準制度
日本の法定計量における国際整合化の推進
日本の計量の普及啓発(計量記念日)
日本の計量法を知る(目次)
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計量法における単位規制の概要
計量法における計量器の規制の概要
計量士(国家試験・資格認定・登録)
適正計量管理事業所制度
計量法における商品量目制度の概要
日本の計量法が定める特殊容器制度
日本の計量法における計量証明制度
日本の計量法と計量標準制度
日本の法定計量における国際整合化の推進
日本の計量の普及啓発(計量記念日)
【計量制度に関連する資料】
SIの定義
国際単位系の定義は以下である。
国際単位系(SI)は
基底状態にある摂動を受けないセシウム133原子の超微細遷移の振動数 ΔνCsが 9192631770 Hz
真空における光速度 c が 299792458 m/s
プランク定数 h が 6.62607015×10−34 J s
電気素量 e が 1.602176634×10−19 C
ボルツマン定数 k が 1.380649×10−23 J/K
アボガドロ定数 NA が 6.02214076×1023 mol−1
周波数 540×1012 Hz の単色光の発光効率 Kcd が 683 lm/W
である単位系である。
ここで、ヘルツ(記号: Hz)、ジュール(記号: J)、クーロン(記号: C)、ルーメン(記号: lm)、ワット(記号: W)は、それぞれ秒(記号: s)、メートル(記号: m)、キログラム(記号: kg)、アンペア(記号: A)、ケルビン(記号: K)、モル(記号: mol)、カンデラ(記号: cd)と、 Hz = s−1、J = kg m2 s−2、C = A s、lm = cd m2 m−2 = cd sr、W = kg m2 s−3 で関係付けられている。 7つの定義定数の数値には不確かさはない。この定義ではそれぞれの定数の値を対応するSI単位で表現したときの厳密な数値を定めている。 定数の値は数値と単位の積であるため、厳密な数値を固定することによって単位を定めることができる。 7つの定数はすべてのSI単位がこれらの積と比によって表すことができるように選ばれている。
この定義ではそれぞれの定数の値を対応するSI単位で表現したときの厳密な数値を定めている。 定数の値は数値と単位の積であるため、厳密な数値を固定することによって単位を定めることができる。7つの定数はすべてのSI単位がこれらの積と比によって表すことができるように選ばれている。
SIの七つの定義定数とそれらによって定義される七つの単位
定義定数 | 記号 | 数値 | 単位 |
セシウムの超微細遷移周波数 | ΔνCs | 9192631770 | Hz |
真空中の光の速さ | c | 299792458 | m s−1 |
プランク定数 | h | 6.62607015×10−34 | J s |
電気素量 | e | 1.602176634×10−19 | C |
ボルツマン定数 | k | 1.380649×10−23 | J K−1 |
アボガドロ定数 | NA | 6.02214076×1023 | mol−1 |
視感効果度 | Kcd | 683 | lm W−1 |
SI単位
現行のSIでは、7つの定義定数の数値を固定することでSIを定義しており、すべてのSI単位が定義定数から直接に構成されるため、基本単位と組立単位の区別の必要性がない。しかし基本単位と組立単位の考え方は便利であり、定着しているため現行のSIでも維持されている。
SI 基本単位
詳細は「SI基本単位の再定義 (2019年)」を参照。7つの定義定数の数値の固定によるSIの定義では、SI基本単位の定義は定義定数を用いて導き出される。SI基本単位は秒
s、メートル m、キログラム kg、アンペア A、ケルビン K、モル mol、カンデラ cd であり[注 1]、対応する基本量はそれぞれ時間、長さ、質量、電流、熱力学温度、物質量、光度である。この7つの基本単位のうち、キログラム
kg、アンペア A、ケルビン K、モル mol の4つについては2018年11月16日の国際度量衡総会(CGPM)においてその定義が根本的に改定された。残りの秒
s、メートル m、カンデラ cd については定義は本質的にはこれまでと同じであるが、表現が改められた[6]。基本単位の新しい定義は、2019年5月20日に発効された。
SI基本単位の量、名称、記号とその定義
量 | 基本単位 | 定義 | |
---|---|---|---|
名称 | 記号 | ||
時間 | 秒(second) | s | 秒(記号は s)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数ΔνCs、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位 Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を9192631770 と定めることによって定義される。 |
長さ | メートル(metre) | m | メートル(記号は m)は長さの SI 単位であり、真空中の光の速さ c を単位 m s−1 で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。ここで、秒はセシウム周波数 ΔνCs によって定義される。 |
質量 | キログラム(kilogram) | kg | キログラム(記号は kg)は質量の SI 単位であり、プランク定数 h を単位 J s (kg m2 s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 6.62607015×10−34と定めることによって定義される。ここで、メートルおよび秒は c およびΔνCs に関連して定義される。 |
電流 | アンペア(ampere) | A | アンペア(記号はA)は電流の SI 単位であり、電気素量 eを単位 C (A s に等しい)で表したときに、その数値を1.602176634×10−19と定めることによって定義される。ここで、秒は ΔνCs によって定義される。 |
熱力学温度 | ケルビン(kelvin) | K | ケルビン(記号は K)は、熱力学温度の SI 単位であり、ボルツマン定数 k を単位 J K−1(kg m2 s−2 K−1 に等しい)で表したときに、その数値を1.380649×10−23と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は h、c および ΔνCs に関連して定義される。 |
物質量 | モル(mole) | mol | モル(記号は mol)は、物質量のSI単位であり、1モルには、厳密に6.02214076×1023 の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NA を単位 mol−1で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。 系の物質量(記号は n)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合体のいずれであってもよい。 |
光度 | カンデラ(Candela) | cd | カンデラ(記号は cd)は、所定の方向における光度の SI 単位であり、周波数 540×1012 Hz の単色放射の視感効果度 Kcd を単位 lm W−1(cd sr W−1 あるいは cd sr kg−1 m−2 s3 に等しい)で表したときに、その数値を 683 と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は h、c およびΔνCs に関連して定義される。 |
量 基本単位 名称 記号 定義
時間 秒(second) s
秒(記号は s)は、時間のSI単位であり、セシウム周波数ΔνCs、すなわち、セシウム133原子の摂動を受けない基底状態の超微細構造遷移周波数を単位
Hz(s−1 に等しい)で表したときに、その数値を9192631770 と定めることによって定義される。
長さ メートル(metre) m
メートル(記号は m)は長さの SI 単位であり、真空中の光の速さ c を単位 m s−1 で表したときに、その数値を 299792458 と定めることによって定義される。ここで、秒はセシウム周波数 ΔνCs によって定義される。
質量 キログラム(kilogram) kg
キログラム(記号は kg)は質量の SI 単位であり、プランク定数 h を単位 J s (kg m2 s−1 に等しい)で表したときに、その数値を 6.62607015×10−34と定めることによって定義される。ここで、メートルおよび秒は c およびΔνCs に関連して定義される。
電流 アンペア(ampere) A
アンペア(記号はA)は電流の SI 単位であり、電気素量 eを単位 C (A s に等しい)で表したときに、その数値を1.602176634×10−19と定めることによって定義される。ここで、秒は ΔνCs によって定義される。
力学温度 ケルビン(kelvin) K
ケルビン(記号は K)は、熱力学温度の SI 単位であり、ボルツマン定数 k を単位 J K−1(kg m2 s−2 K−1 に等しい)で表したときに、その数値を1.380649×10−23と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は h、c および ΔνCs に関連して定義される。
物質量 モル(mole) mol
モル(記号は mol)は、物質量のSI単位であり、1モルには、厳密に6.02214076×1023 の要素粒子が含まれる。この数は、アボガドロ定数 NA を単位 mol−1で表したときの数値であり、アボガドロ数と呼ばれる。系の物質量(記号は n)は、特定された要素粒子の数の尺度である。要素粒子は、原子、分子、イオン、電子、その他の粒子、あるいは、粒子の集合体のいずれであってもよい。
光度 カンデラ(Candela) cd
カンデラ(記号は cd)は、所定の方向における光度の SI 単位であり、周波数 540×1012 Hz の単色放射の視感効果度 Kcd を単位 lm W−1(cd sr W−1 あるいは cd sr kg−1 m−2 s3 に等しい)で表したときに、その数値を 683 と定めることによって定義される。ここで、キログラム、メートルおよび秒は h、c およびΔνCs に関連して定義される。
上の表の中には、単位の定義の中に別の単位を用いているものがある。例えば、メートルの定義には秒の定義が前提とされている。単位の定義に求められるのは何より実用性、すなわち現在の社会生活に必要かつ十分な精度を持ち、定義値が容易に実現できることである。このため、定義の独立性は意味を持たない。なお、基本量の次元の記号には、サンセリフ立体を用いる。
次元と記号
次元 長さ 質量 時間 温度 物質量 電流 光度
記号 L M T Θ N I J
SI 組立単位
詳細は「SI組立単位」を参照。組立単位は基本単位の冪の積で定義される。このうち特に比例係数が1である組立単位を一貫性のある組立単位と言う。SIにおいて、一貫性のある組立単位の一部には、固有の名称とその記号が与えられている。
SI 接頭辞
詳細は「SI接頭辞」を参照。SI接頭辞は、SI単位の10進の倍量単位・分量単位を作るための接頭辞である。
SI接頭辞
接頭辞 | 記号 | 1000m | 10n | 十進数表記 | 漢数字表記 | short scale | 制定年 |
ヨタ (yotta) | Y | 10008 | 1024 | 1 000 000 000 000 000 000 000 000 | 一𥝱 | septillion | 1991年 |
ゼタ (zetta) | Z | 10007 | 1021 | 1 000 000 000 000 000 000 000 | 十垓 | sextillion | 1991年 |
エクサ (exa) | E | 10006 | 1018 | 1 000 000 000 000 000 000 | 百京 | quintillion | 1975年 |
ペタ (peta) | P | 10005 | 1015 | 1 000 000 000 000 000 | 千兆 | quadrillion | 1975年 |
テラ (tera) | T | 10004 | 1012 | 1 000 000 000 000 | 一兆 | trillion | 1960年 |
ギガ (giga) | G | 10003 | 109 | 1 000 000 000 | 十億 | billion | 1960年 |
メガ (mega) | M | 10002 | 106 | 1 000 000 | 百万 | million | 1960年 |
キロ (kilo) | k | 10001 | 103 | 1 000 | 千 | thousand | 1960年 |
ヘクト (hecto) | h | 102 | 100 | 百 | hundred | 1960年 | |
デカ (deca) | da | 101 | 10 | 十 | ten | 1960年 | |
10000 | 100 | 1 | 一 | one | |||
デシ (deci) | d | 10−1 | 0.1 | 一分 | tenth | 1960年 | |
センチ (centi) | c | 10−2 | 0.01 | 一厘 | hundredth | 1960年 | |
ミリ (milli) | m | 1000−1 | 10−3 | 0.001 | 一毛 | thousandth | 1960年 |
マイクロ (micro) | µ | 1000−2 | 10−6 | 0.000 001 | 一微 | millionth | 1960年 |
ナノ (nano) | n | 1000−3 | 10−9 | 0.000 000 001 | 一塵 | billionth | 1960年 |
ピコ (pico) | p | 1000−4 | 10−12 | 0.000 000 000 001 | 一漠 | trillionth | 1960年 |
フェムト (femto) | f | 1000−5 | 10−15 | 0.000 000 000 000 001 | 一須臾 | quadrillionth | 1964年 |
アト (atto) | a | 1000−6 | 10−18 | 0.000 000 000 000 000 001 | 一刹那 | quintillionth | 1964年 |
ゼプト (zepto) | z | 1000−7 | 10−21 | 0.000 000 000 000 000 000 001 | 一清浄 | sextillionth | 1991年 |
ヨクト (yocto) | y | 1000−8 | 10−24 | 0.000 000 000 000 000 000 000 001 | 一涅槃寂静 | septillionth | 1991年 |
SI 単位と併用される非 SI 単位
詳細は「SI併用単位」を参照。日々の生活で広く SI とともに用いられているため、CIPM により国際単位系と併用することが認められている非 SI 単位である。これらの使用は今後ずっと続くものと考えられ、SI 単位によって正確な定義が与えられている。以下に、SI国際文書SI第9版(2019年)第4章「SIとの併用が認められる非SI単位(Non-SI units that are accepted for use with the SI )」の表8[9]で挙げられている非SI単位の全てを列挙する。この表中の単位は、SI単位との併用が認められる。なお計量法では分、時、日、度、分、 秒 の各単位は、SI接頭辞とは併用されない(1 kh などとはしない)(SI接頭辞#計量法による使用制限)。また日は計量法上は計量単位ではなく、暦の単位とされている。
量 | 単位の名称 | 単位の記号 | SI単位による値 |
---|---|---|---|
時間 | 分 | min | 1 min = 60 s |
時 | h | 1 h = 60 min = 3600 s | |
日 | d | 1 d = 24 h = 86 400 s | |
長さ | 天文単位(a) | au | 1 au = 149 597 870 700 m |
平面角 | 度 | ° | 1° = (π/180) rad |
分 | ′ | 1′ = (1/60)° = (π/10 800) rad | |
秒(b) | ″ | 1″ = (1/60)′ = (π/648 000) rad | |
面積 | ヘクタール(c) | ha | 1 ha = 1 hm2 = 104 m2 |
体積 | リットル(d) | L, l | 1 L = 1 l = 1 dm3 = 103 cm3 = 10−3 m3 |
質量 | トン(e) | t | 1 t = 103 kg |
ダルトン(f) | Da | 1 Da = 1.660 539 066 60(50)× 10-27 kg[注 2][11] | |
エネルギー | 電子ボルト(g) | eV | 1 eV = 1.602 176 634 × 10-19 J |
比の対数 | ネーパ(h) | Np | |
ベル(h) | B | ||
デシベル(h) | dB |
(欄外注)ガル(記号Gal)は、加速度の非SI単位である。重力加速度を表す単位として測地学と地球物理学で用いられる。1 Gal = 1 cm s-2 = 10-2 m s-2
(a)~(h)の注については、SI併用単位を参照のこと。
その他の非SI単位の削除
2019年に改訂された国際単位系(SI)(第9版)では、前項の「SI 単位と併用される非 SI 単位」以外の「非SI単位」の列挙は全て削除された。SI国際文書第8版(2006年)(廃版)の第4章には、SI併用単位とは別に表7、表8、表9に次の単位が掲げられていた。
表7 SI単位で表される数値が実験的に求められる非SI単位
SIとの併用が認められている単位 4単位:電子ボルト、ダルトン、統一原子質量単位、天文単位(ただし天文単位は2014年の補遺によって、SI併用単位に格上げされていた。)
自然単位系 4単位:速さの自然単位(真空中の光の速さ)、作用の自然単位(換算プランク定数)、質量の自然単位(電子質量)、時間の自然単位
原子単位系 6単位:電荷の原子単位(電気素量)、質量の原子単位(電子質量)、作用の原子単位(換算プランク定数)、長さの原子単位・ボーア(ボーア半径)、エネルギーの原子単位・ハートリー(ハートリーエネルギー)、時間の原子単位
表8 その他の非SI単位[14] 9単位: バール、水銀柱ミリメートル、オングストローム、海里、バーン、ノット、ネーパ、ベル、デシベル
表9 CGS単位系およびCGSガウス単位系に属する非SI単位 10単位:エルグ、ダイン、ポアズ、ストークス、スチルブ、フォト、ガル、マクスウェル、ガウス、エルステッド 10単位
(注)このうちガル(Gal)については第9版表8の欄外注に掲げられており、やや特別な扱いになっている。
以上の表7、表8、表9の単位のうち、天文単位(ただし2014年の補遺によって既にSI併用単位となっていた。)、ダルトン、電子ボルト、ネーパ、ベル、デシベルの6単位(およびガル)は、第9版の「SI併用単位」に格上げされ、残りの単位は全て第9版からは削除された。
単位と数値の記法
国際単位系(SI)は、数値と単位を記述するときの記法について詳細な規定を定めている。
量記号と単位記号
量(物理量)の記号は斜体(イタリック体)で表記し、通常は、ラテン語またはギリシャ語のアルファベット1文字である。大文字と小文字のいずれも使ってよい。量に関する追加情報は、下付き文字で、または、括弧の中に入れて、加えることができる。
例: g = 9.80665 m/s2 : gは斜体であり、重力加速度を表す量記号である。
単位記号は、その前後の文章で使われている書体にかかわらず、立体(ローマン体)で表記する。
例:m = 239.6 g : g は立体であり、グラム(質量の単位)を表す単位記号である。
量の性質についての付随情報は量記号に与えるものとし,単位記号に与えてはならない。
例:最大電位差の表現 Umax = 1000 V とする。 U = 1000 Vmax は不可。
量の値の書式
数値と単位を分割するために空白(space)を用いる。量の値は数字と単位の積として表され,空白は乗算記号 を表す(二つの単位の間に挿入される空白がそれらの積を表すのと同じである)。この原則は,セルシウス度(degree Celsius)についても適用され,セルシウス温度 t の値を表現するときには,その単位記号である°C の前に空白を挿入する。
例: 123.4 kg 30.2 ℃ 不適例:30.2℃ 不適例:30.2 °C
この原則における唯一の例外は,平面角を表す単位である角度(degree),分(minute),及び秒(second)であり,それぞれの単位記号である°,′,及び″に対しては,数値と単位記号との間に空白を挿入しない(度 (角度)#記法)。
例: 30゚28'8"
数字の書式及び小数点
小数点(decimal marker)は、「.」(ピリオド)でも「,」(コンマ)でもよい。どちらを選ぶかは関連する文章やその言語の習慣によるものとする(小数点#二つの方式)。現在の日本では、「.」(ピリオド)を用いることがほとんどである。
数字の値が+1 と–1 との間にある場合、小数点の前には常に 0(ゼロ)を置くものとする。
例: 0.234、-0.879 .234、-.879 とはしない。
桁の多い数を表す場合には、読みやすくするために,空白(space)を用いて3桁毎のグループに分けてもよい。ただし、グループの間に点「.」やカンマ「,」を挿入してはならない。(以下は小数点として「.」を用いる場合の例)
例:43 279.2 0.168 29 不適例:43,279.2 0.168,29
小数点の前後にある4桁の数字を表す場合には,1桁だけ分けるための空白を挿入しないのが普通である。
例:3279.3 0.1683 又は 3 279.3 0.168 3
このようなかたちで桁数をグループ分けするか否かは、それぞれの選択に委ねられる。設計図、財務諸表、コンピュータが読み取るスクリプト(scripts)などの特定の専門的分野では、このやりかたは必ずしも使われていない[19]。 表中の数字の場合、同じ欄の中で使用する形式は統一する。
各国における国際単位系
「メートル法化」も参照.現在では、世界のほとんどの国で合法的に使用でき、多くの国で使用することが義務づけられている。しかしアメリカなど一部の国では、それまで使用していた単位系の単位を使用することも認められている。
アメリカ合衆国
「アメリカ合衆国のメートル法化」を参照
イギリス
「 イギリスのメートル法化(英語版) 」を参照
カナダ
「 カナダのメートル法化(英語版) 」を参照
日本
「日本のメートル法化」も参照. 日本は、1885年(明治18年)にメートル条約に加入、1891年(明治24年)施行の度量衡法で尺貫法と併用することになり、1951年(昭和26年)施行の計量法で一部の例外を除きメートル法の使用が義務付けられた。1974年には国際単位系が導入され[20]、1991年(平成3年)にはJIS規格が完全に国際単位系準拠となり、JIS
Z 8203「国際単位系 (SI) 及びその使い方」が規定された[注 3]。この国際単位系への移行に伴い、1992年に気象庁が気圧の単位をミリバールからヘクトパスカルに変更するなど、いくつかの単位が変更された。
参考文献
(準拠すべき基本文献)国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版 産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年4月.パンフレット 国際単位系(SI)は世界共通のルールです
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 計量標準普及センター 計量標準調査室、2020年4月.産業技術総合研究所 計量標準総合センター『国際文書
国際単位系 (SI)』、2006年、第 8 版日本語版。 (旧版であり、廃止されている。)
国際単位系(SI)解説資料集(計量計測データバンク 編集部)
SI文書第9版(2019)日本語版及び関連資料(計量標準総合センター)
2019年5月20日、国際単位系(SI)にかかる大きな改定が実施されました。 SIの基盤である七つの基本単位(秒(時間)、メートル(長さ)、キログラム(質量)、アンペア(電流)、ケルビン(熱力学温度)、モル(物質量)、カンデラ(光度))のうち、キログラム、アンペア、ケルビン、モルの定義が改定されたのです。 特に、キログラムに関しては、130 年ぶりの改定でした。この改定によって、SI の基本単位は全てキログラム原器のような人工物から解放され、普遍的な定数にもとづき定義されることになりました。計量標準総合センターでは、この定義改定にかかる情報を広く発信するために、冊子「国際単位系(SI)基本単位の定義改定と計量標準」を刊行しました。 本冊子には、定義の改定された四つの単位だけでなく、七つの基本単位のそれぞれについての解説記事を収録しています。 各記事では、「定義定数」にもとづく各単位の定義が導かれた経緯などが解説されています。 さらに、国際度量衡局(BIPM)が2019年に刊行した「The International System of Units, 9th edition」の日本語版「SI文書第9版(2019)日本語版」も収録しています。 本冊子が、定義改定にかかる情報を収集する際の包括的なリファレンスとなれば幸いです。以下からダウンロードいただけます。
国際単位系(SI)基本単位の定義改定と計量標準(一括ダウンロード:16MB)
目次
表紙・目次・編者のまえがきPDFダウンロード(435KB)
国際単位系(SI)基本単位の定義改定と計量標準(総論)臼田 孝PDFダウンロード(690KB)
国際単位系における長さの単位「メートル」の定義と実現 稲場 肇、平井 亜紀子 阿部 誠PDFダウンロード(2.4MB)
プランク定数にもとづくキログラムの新しい定義とその実現方法 藤井 賢一PDFダウンロード(2.7MB)
時間の単位「秒」についての基礎解説と最新動向 洪 鋒雷、安田 正美PDFダウンロード(1.2MB)
改定国際単位系における電気標準 金子 晋久PDFダウンロード(2.9MB)
熱力学温度の単位「ケルビン」の定義改定 山田 善郎、中野 亨PDFダウンロード(2.1MB)
物質量の単位「モル」の基礎解説とアボガドロ定数にもとづく新たな定義を導いた計測技術 倉本 直樹PDFダウンロード(4.5MB)
光度の単位「カンデラ」および測光・放射標準 蔀 洋司PDFダウンロード(3.9MB)
国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版PDFダウンロード(2.2MB)
国際単位系(SI)第9版(2019)要約 日本語版PDFダウンロード(1.1MB)
SI単位って(日立ハイテク)©KASAKURA PUBLISHING Co.ltd 2015
質量の単位であるキログラム(kg)の定義改定がなされる以前の文章であるために、キログラム(kg)の新定義が反映されていないことを考慮してください。(計量計測データバンク 編集部)
単位の世界にも「国際標準」があります。それが「SI単位」。SIとは「国際単位系」を意味するフランス語「Le Système International d'Unités」の頭文字をとったものです。18世紀末、国を超えて誰もが同じ単位を使えるようにしようという機運が高まり、まず、1875年に「メートル条約」が採択されました。それでもまだ、分野によって統一が図れなかったところで、1960年、パリで開かれた第11回国際度量衡総会でSI単位が単一の実用的な単位として採用されたのです。
SI単位系では、まず、以下の7つの「SI基本単位」が定められています。
SI基本単位
メートル(長さ)
キログラム(質量)
秒(時間)
アンペア(電流)
ケルビン(熱力学温度)
モル(物質量)
カンデラ(光度)
そして、これらを組み合わせたものとして、平方メートル(面積)、立方メートル(体積)、メートル毎秒(速さ)、ラジアン(平面角)などの「組立単位」があります。
また、倍量・分量を表す記号として「SI接頭語」があります。「センチ」「ミリ」「メガ」「ギガ」などのことと言えばピンと来るでしょう。10倍、100倍、1000倍…、または1/10、1/100、1/1000…などを表す語を単位につけて、大きな数字・小さな数字を表せるようにしているのです。
その他、リットル、トン、ヘクタール、分・時・日などSI単位に属さないけれどSI単位との併用が認められているものもあります。
SI単位系
国際単位系。メートル法の後継として国際的に定められ、世界中で広く使用されている単位系です。
SI基本単位
SI組立単位
SI併用単位
邦訳 第8版SI文書
国際単位系(SI)に関する基本文書である「国際文書SI第七版」の日本語版(計量計測データバンクに掲載)
国際単位系(SI)に関する基本文書である「国際文書SI第七版」の日本語版が完成した。「国際文書SI第七版」の原書は一九九八年、国際度量衡局(BIPM)から出版された。本文書は、SIに関して国際度量衡総会(CGPM)や同委員会(CIPM)での決議、勧告、声明などを中心に、SIを理解し利用するために必要な情報を集めた基礎資料としての国際文書であり「国際単位系(SI)を紹介する最も権威のある文書」(テリー・J・クインBIPM局長)である。本稿執筆者の櫻井慧雄計量研究所計測システム部長は、日本語版の作成に当たった計量研究所「国際単位系(SI)日本語版」刊行委員会委員長である。(2000年1月1日現在 計量計測データバンク編集部)
国際単位系(SI)ウッキペディア
ウッキペディアの文章は投稿者によって書き改められます。既出の資料を下敷きにして、これの引用をもって公正であるとされますが、投稿者の考えや傾向が色濃く反映されます。本データを利用するにあたって注意を要する事項です。(計量計測データバンク
編集部)
国際単位系(こくさいたんいけい、仏: Système International d'unités、英: International System of Units、略称:SI)は、メートル法の後継として国際的に定められ、世界中で広く使用されている単位系である。
国際単位系 (SI) は、メートル条約に基づきメートル法のなかで広く使用されていたMKS単位系(長さの単位にメートル m、質量の単位にキログラム
kg、時間の単位に秒 s を用い、この 3 つの単位の組み合わせでいろいろな量の単位を表現していたもの)を拡張したもので、1960年の第11回国際度量衡総会
(CGPM) で採択された。なお、国際単位系 (SI) はメートル法が発展したものであるが、メートル法系の単位系の亜流として「工学単位系(重力単位系)」「CGS単位系」などがあり、これらを区別する必要がある。
国際単位系(SI)の定義改定について(産業技術総合研究所工学計測標準研究部門首席研究員 藤井賢一)
メートル条約にもとづいて 2018 年 11 月に開催された総会において,国際単位系(英語:InternationalSystem of Units,仏語:Système internationald'unités,略して SI)の定義を大幅に改定することが採択された。これは,SI の根幹をなす 7 つの SI基本単位のうち,キログラム,アンペア,ケルビン,モルの定義を基礎物理定数に基づく新しい定義へと
移行させるというものである 1), 2)。特に,キログラムについては国際キログラム原器(InternationalPrototype of the Kilogram:IPK)による定義が廃止され,130 年ぶりにその定義が改定されることになった。新しい定義は 2019 年 5 月 20 日の世界計量記念日から施行される。本稿では特に物理学や化学などと関係の深いキログラムとモルを中心に新しい定義の概要について紹介する。
法定計量単位(経済産業省)
計量法で定める72の物象の状態の量に対応する計量単位を法定計量単位として規定しているが、この法定計量単位は次の4つに分類される。
SI単位に係る計量単位(表1)(PDF形式:12KB)PDFファイル
SI単位のない量の非SI単位(表2)(PDF形式:7KB)PDFファイル
SI単位のある量の非SI単位(表3)(PDF形式:7KB)PDFファイル
用途を限定する非SI単位(表4)(PDF形式:7KB)PDFファイル
接頭語の使い方(表5)(PDF形式:7KB)
これらのうち、a~cについては、10の整数乗を表す接頭語(表5)と組合せて使用することができる。
基礎物理定数
基礎物理定数(以下、基礎定数)は、自然現象を記述するための基本的な方程式に、不可欠な定数として入ってくるものである。 具体的には、電気素量e 、プランク定数h 、微細構造定数 α 、リュードベリ定数R∞ 、万有引力定数G などである。また、ある基礎定数は、他の基礎定数の組み合わせで表される場合がある。基礎定数に関する情報は、いろいろな実験から得られる。ある時点で、これら様々な実験(場合によっては理論)から求められた 結果を整理し、比較・検討し、お互いにつじつまが合っているかを確かめる作業(すなわち基礎定数の調整作業)は、我々が自然理解の手段として頼りにしているモデルの妥当性を確かめることに他ならず、基礎物理学の基盤のチェックとして極めて重要な意味がある。このような調整を経て決められた基礎定数の推奨値のセットは、人間が作ったSI単位と自然のものさしとの換算係数ともいえる。
(計量計測データバンク 編集部)
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