コロナ災害で求人悪化 新卒は就職氷河期世代に
2021年1月、減便期間中のJAL旅客機（羽田空港）
（タイトル）
コロナ災害で求人悪化 新卒は第三次就職氷河期世代になりそう(計量計測データバンク 編集部)
（本文）
コロナ災害は求人を停（と）めている。2021年新卒は第三次就職氷河期世代に組み込まれかねない。新型コロナウイルスの影響で雇用情勢が悪化している。売り手市場として推移してきた新卒の求人が急激に減っている。航空旅客業は人気職種であった。JAL、ANAでの仕事に憧れて準備してきた人は多い。JAL、ANAとも2022年4月入社の新卒を採用しない。客室乗務員になるために英会話能力を磨いてきた人々がいたのだ。ＪＴＢも新規採用をしない。人気企業に職を求めようとすると険（けわ）しい。
旅館・ホテル業、飲食業から放り出された人々の雇用が社会の大きな問題になる。これらの業種は大手ホテルなどを除くと求人は少ない。東京オリンピックは海外からの観戦者を受け入れることはできなそうだからホテル不況は深刻になる。
多くの業種で非正規雇用が広がる。派遣社員の比率が高まっている。非正規雇用と派遣社員の賃金は低い。先々への不安から年齢が高じるほどに安定した雇用と賃金の増大を求めて正規雇用を強く希望する。33歳から50歳の年齢層は就職氷河期世代だ。やむなく非正規雇用の状態に甘んじてきた人々は多い。就職氷河期世代への正規雇用の需要は極度に収縮している。身分と収入の安定への望みの前に大きな壁がある。GDPが拡大しているときには同じ世代における賃金格差や世代間の賃金格差は目立たなかった。格差は見過ごすことができない社会問題になる。GDPが増えない日本経済のもとで好ましい分配のあり方が模索される。売り手市場とされてきた労働市場の実態はどうであったのか。職に就いていても望んでいなかった働き方に不満を持つ。描いていた労働とかけ離れていることに鬱々とする。失業率の数値に現れない潜在失業がある。雇用不満が日本の人々に蔓延している。
地方公共団体や国の行政機関が非正規雇用と派遣社員労働に依拠するようになった。行政が直接にしていた業務を同じ窓口で非正規雇用と派遣社員の労働に移している。何割かの経費削減がこれによってもたらされる。この背後で生じているのは正規雇用の行政職員と非正規雇用職員と派遣社員との間の賃金に二倍の開きである。行政の機能を外に出して委託するという指定方式の組織では従事する人の賃金は前述の事例に似る。役所の業務の外部委託が広まっている。同じ職場で同じように働いていて賃金に倍の開きがでる状態は公平ではない。役所の窓口で働く人の次のような事例がある。確定申告の時期に税務署で働き、ほかの時期は厚生省労働局の雇用保険の窓口業務に従事する。この人の望みは正規雇用になって年収300万円を得ることだ。この人は正規雇用の国家公務員や地方公務員が恨めしい。
（文章は計量計測データバンク 編集部）
2021-03-15-1-jobs-worsen-due-to-people-and-jobs-corona-disaster-new-graduates-are-likely-to-become-the-third- employment-ice-age-generation-
2021年1月、減便期間中のJAL旅客機（羽田空港）
（タイトル）
コロナ災害で求人悪化 新卒は第三次就職氷河期世代になりそう(計量計測データバンク 編集部)
（本文）
コロナ災害は求人を停（と）めている。2021年新卒は第三次就職氷河期世代に組み込まれかねない。新型コロナウイルスの影響で雇用情勢が悪化している。売り手市場として推移してきた新卒の求人が急激に減っている。航空旅客業は人気職種であった。JAL、ANAでの仕事に憧れて準備してきた人は多い。JAL、ANAとも2022年4月入社の新卒を採用しない。客室乗務員になるために英会話能力を磨いてきた人々がいたのだ。ＪＴＢも新規採用をしない。人気企業に職を求めようとすると険（けわ）しい。
旅館・ホテル業、飲食業から放り出された人々の雇用が社会の大きな問題になる。これらの業種は大手ホテルなどを除くと求人は少ない。東京オリンピックは海外からの観戦者を受け入れることはできなそうだからホテル不況は深刻になる。
多くの業種で非正規雇用が広がる。派遣社員の比率が高まっている。非正規雇用と派遣社員の賃金は低い。先々への不安から年齢が高じるほどに安定した雇用と賃金の増大を求めて正規雇用を強く希望する。33歳から50歳の年齢層は就職氷河期世代だ。やむなく非正規雇用の状態に甘んじてきた人々は多い。就職氷河期世代への正規雇用の需要は極度に収縮している。身分と収入の安定への望みの前に大きな壁がある。GDPが拡大しているときには同じ世代における賃金格差や世代間の賃金格差は目立たなかった。格差は見過ごすことができない社会問題になる。GDPが増えない日本経済のもとで好ましい分配のあり方が模索される。売り手市場とされてきた労働市場の実態はどうであったのか。職に就いていても望んでいなかった働き方に不満を持つ。描いていた労働とかけ離れていることに鬱々とする。失業率の数値に現れない潜在失業がある。雇用不満が日本の人々に蔓延している。
地方公共団体や国の行政機関が非正規雇用と派遣社員労働に依拠するようになった。行政が直接にしていた業務を同じ窓口で非正規雇用と派遣社員の労働に移している。何割かの経費削減がこれによってもたらされる。この背後で生じているのは正規雇用の行政職員と非正規雇用職員と派遣社員との間の賃金に二倍の開きである。行政の機能を外に出して委託するという指定方式の組織では従事する人の賃金は前述の事例に似る。役所の業務の外部委託が広まっている。同じ職場で同じように働いていて賃金に倍の開きがでる状態は公平ではない。役所の窓口で働く人の次のような事例がある。確定申告の時期に税務署で働き、ほかの時期は厚生省労働局の雇用保険の窓口業務に従事する。この人の望みは正規雇用になって年収300万円を得ることだ。この人は正規雇用の国家公務員や地方公務員が恨めしい。
（文章は計量計測データバンク 編集部）
2021-03-15-1-jobs-worsen-due-to-people-and-jobs-corona-disaster-new-graduates-are-likely-to-become-the-third- employment-ice-age-generation-
