質量の振る舞いを読み解く技術
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質量の振る舞いを読み解く技術
目に見えない世界のことを物語として仕上げる。お伽噺がそうであり、神話や宗教世界とくにキリスト教の世界はこれに類する。宇宙のこと、小さな世界の素粒子がらみになると普通の人にはお伽噺と同じになる。モノに質量がやどることと関わるヒッグス機構とヒッグス粒子もお伽噺の世界となる。
宇宙の誕生そして地球の誕生。地球での生物の誕生と進化。気候変動と重なり合う生物の変化が繰り返されてホモサピエンスである私たちはさまざまにモノを考える。類人猿にはテレビがなぜ映り自動車が走るのか仕組みを理解することはできない。ネアンデルタール人やクロマニオン人にホモサピエンスの思考ができたかどうか。宇宙の真理を深く解き明かすことができるのは私たち現代人であるホモサピエンスではなくその後に登場するかもしれない新しい知的生命体であるかも知れない。
地球の気象変動は氷河期時代、気温が60℃にも達する暑い時代があった。このときに生物は環境に対応して変化した。人の人生は短い。歴史時代をまたぐことはできない。氷河期時代の到来とその間の間氷期に人類は生き残れるのか。全ては地球の環境に支配されている。(計量計測データバンク編集部)
ヒックス場と素粒子との相互作用が質量を生み出す(全ての力を説き明かす鍵)(計量計測データバンク編集部)
ヒッグス博士(右)とアングレール博士 ©CERN
(タイトル)
質量の振る舞いを読み解く技術
(本文)
素粒子の動きにくさは重力発生の原因となり、それはまた質量を生み出す元となっていることが解かってきている。ヒッグス粒子が素粒子に質量を与える。ヒッグス機構は素粒子に質量を与える役割を果たす。電子やクォークといった基本的な粒子はヒッグス場との相互作用によって質量を獲得する。話は素粒子と宇宙との関係に飛躍する。ヒッグス粒子がなければこれらの素粒子は質量がゼロとなり現在の宇宙は全く異なる姿となった。二つの関係を解くのが大統一理論であり、その構築が模索されている。
私たちの身の回りでは質量を測ることで利便を実現する。質量と様々で複雑な比例関係にあることや、別の幾つかの計測対象との組合せの相関関係などが利用される。比例を応用するのにコンピュータの演算能力が大きな支援となるインターネット技術が重ね合されるとその可能性は拡大する。ラーメン・スープの糖度計による管理、蕎麦つゆの比重計による管理などは簡単な原理的の応用である。
現実の計測はある目的をもって行われる。それはあることを知ることであり、知ったことに対応する行動が制御であり、これを自動的に行う仕組みが自動制御であり広く実施されている。計測目的によっては精密さだけを追い求めないことがある。大まかなことを確かめることもある。ある場合には超高精密さ求められる。目的に応じた精密さの度合いの設定を考慮することが賢いことであり、このための呪文が「ほどほどの精密さの実現」である。
計則の目的がある結果を導くことであった事例がある。毒物の亜ヒ酸の産出場所を特定するために亜ヒ酸Aに亜ヒ酸Bを似せる謀(はかりごと)として亜ヒ酸Bの値を対数処理して図形を似せるということが行われた。別のものを同じに見せるために大きなものを小さくする技法として対数が用いられ、これを図形で表示して同じもののように見せかけた。法定で同一性が争われた裁判において裁判官はこのはかりごと、すなわちトリック(trick)を見抜けなかった。被告側の弁護士もまた同様であった。
これがトリックであることを証明したのが京都大学の分析化学の教授であり日本化学会の機関誌と講演で発表され、異論は出されていない。ただし警察権力、国家権力への恐れから学会などではこの問題を表立って取り上げられることがない。その京都大学教授は国際的にも認められた分析化学者である。トリックを演出したのは東京理科大学の教授で警察に犯罪実証のための分析を組織的に依頼されていた立場にあった。
トリックによる犯罪実証としてマスコミに取り上げられ「世界一受けたい授業」という番組に取り上げられてもいた。トリックであることが暴かれたあとは東京理科大学の教授はマスコミ等からの取材を拒み続けている。
物質が「何でできているか(定性分析)」、「どれだけ含まれているか(定量分析)」、「どのような状態か(状態分析)」を、分離や計測などの実験法によって明らかにする化学の分野が分析化学。何がわかるか、ということで試料中にどのような元素や化合物が含まれているかを特定するのが定性分析。どれだけあるか、試料中に含まれる特定の成分の量や比率を決定するのが定量分析。どのようにあるか、物質がどのような状態で存在しているか、その化学的性質や分子の動態などを解明のが状態分析。分析手法には、クロマトグラフィーや電気泳動などを用いて複数の成分を分離する分離分析、UVやIR(赤外線)やNMRなどの分光器を用いて物質のスペクトルを測定し成分を特定・定量する分光分析、ボルタンメトリー(電圧をかけて電流を測定する分析法)などの電気化学的な原理を利用する電気分析、物質に含まれる元素の同定(種類を特定)と元素の含有量(定量分析)を調べる蛍光X線分析(XRF)などがある。
東京理科大学教授はヒ素鑑定に大仰(おうぎょう)にもSPring-8を使うことを自ら提案し実行した。不正を覆い隠すための仕掛けであったとも受け止められる。
京大教授が指摘する。
100μm径の微粒子1粒の中に含まれるppmという濃度に気を取られて、主成分のヒ素が49%だったのか 75%だったのかという大きな矛盾に誰も気づかなかった。バリウムの分析値は2ppmや36ppmであり検出下限(3.8ppm)ギリギリだったこともあってそのバラツキは大きい。これに対してヒ素濃度は49%や75%でありヒ素濃度に矛盾があれば、その矛盾は極めて重大である。標準偏差σ=0.8%の意味も大きい。ppmという細部にこだわって全体を見失うことはSPring-8 のような精密すぎる「ハカリ」を用いる場合に注意すべきことである。電子顕微鏡のように1個の原子を見ることができる最先端の分析装置で濃度を分析することはできない。ヨウ素デンプン反応、赤外分光、比較的高濃度のCaやSiのような軽元素分析なども含めた総合的判断を行うべきであった。
SPring-8は建設に1,000億円をかけた加速器施設。円周1.5kmの超高真空パイプ内を電子が光速度に近い相対論的速度で周回し強力な磁気制動放射X線を発生する。カレーヒ素事件の鑑定のための分析費用は電気代を含めたSPring-8使用料、実験機材、実験および公判で証言するための旅費、鑑定謝礼などとして税金から少なくとも1回、1,500万円支払われたことがわかっている。このような鑑定は2 回行われた。SPring-8を鑑定に使うという提案は鑑定人の東京理科大学教授提案である。当時はSIMS(2次イオン質量分析)やSEMEDX(走査電子顕微鏡・エネルギー分散X線分析)などが半導体工業用に高度に発達しており、これらの分析法を用いる方が適切であった。「雑魚を数えて呑舟の魚を取り逃がす」ものであったと京大教授が指摘する。
質量の振る舞いを読み解く技術の一例が質量分析であり、これは分析化学における一つの手法。質量分析(MS)は試料をイオン化し、その質量電荷比に基づいて分離し検出する技術。分子の同定、定量、構造解析などに用いられる。質量分析は、高感度かつ高選択的であり、有機化学、生化学、環境分析、材料科学など、非常に幅広い分野で利用されている汎用性の高い技術で、特に近年はバイオサイエンス分野での利用が拡大している。
どのような計測行為にも目的があり、目的の確かめと実現のための方法の設定や段取りは科学技術の総合的な知識と知性を要する。つまり計測を確かな形で成し遂げるための下地は教養である。意図して不正な結果を導き出す計測行為がなされることがある。自動車や鉄鋼分野の産業におけるデータの改ざんはこの分野に含まれる。環境分野では怪しい計測データが散見され、気象変動のデータについても同じである。気象観測がらみで与えられたノーベル賞に内容には多くの疑問が呈されている。
[資料 ヒ素鑑定がらみの資料のweb記事]
1、砒素鑑定の計測値を100万倍して対数をプロットして同一であると見せかけた(指摘したのは河合潤京大教授)
2、和歌山毒カレー事件のことを調べておりました(計量計測データバンク編集部)
3、和歌山毒カレー事件とその真相(犯罪の証拠とされた砒素鑑定の成否を検証する資料集)
4、ヒ素鑑定の不正をあばいた河合潤氏
5、蛍光X線 - Wikipedia
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