日本の石油事情と計量法が定める石油関連の特定計量器
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日本の石油事情と計量法が定める石油関連の特定計量器
図は原油を加熱して精製、分留することでガソリン、灯油、軽油など石油製品をつくる状態を示す。
写真はガソリン計量器の内部構造
(タイトル)
日本の石油事情と計量法が定める石油関連の特定計量器
(本文)
日米開戦を決定付けたのは、米国による日本への石油輸出禁止であった。日本は東南アジアの石油を求めて南方に進出し、引くことのできない泥沼の戦争を経て、日本の都市は爆撃によって破壊され、焦土と化した。米国のベネズエラとイランへの介入は、石油利権を求めてのものではなかったのか。以下の事情から、そのことが察せられる。
米国の石油自給率はシェール革命により劇的に向上し、2020年代に入り純輸出国へ転換するなど、実質的に100%を超えている。国内生産の急増により、かつての「エネルギー輸入依存国」から、現在では主要なエネルギー供給国へと地位を確立している。米国エネルギー情報局(EIA)などのデータによると、現在の米国は世界最大の産油国となっている。
2023年のデータでは、米国の原油生産量は1日あたり約1,936万バレルに達し、サウジアラビアやロシアを抑えて世界1位となった。純輸出国の立場について:石油製品(ガソリンやディーゼル燃料など)を含めた「石油全体」で見ると、米国は現在、輸入よりも輸出が多い「純輸出国」の立場にある。ただし、国内で生産される原油(軽質油)と、国内の製油所が処理するのに適した原油(重質油)とでは性質が異なるため、現在も一定量の原油輸入と輸出を同時に行う「相互依存」の形をとっている。
米国の最大輸入相手国はカナダであり、パイプライン経由で大量の原油を調達している。メキシコは重質原油の重要な供給源であり、ベネズエラは米国南部湾岸の製油所に適した重質原油を供給している。
米国の石油調達の背景と特徴として、油種のミスマッチが挙げられる。米国は軽質油(シェールオイル)を大量に生産しているが、国内の多くの製油所は重質油の処理に適した設備を持つ。そのため、自国で生産した軽質油を輸出しつつ、カナダやベネズエラから重質油を輸入するという「輸出入の並行」が行われている。また、調達先の多角化として、中東依存度を下げ、北米や中南米(エクアドル、コロンビアなど)からの調達を強化する方針を継続中である。
先を見据えた石油調達戦略を練る米国に対し、日本の状況はどうか。日本の石油(原油)自給率は0.4%未満であり、ほぼ100%を輸入に依存しており、中東地域への依存度も約9割と高い。
日本の石油(原油)の約95%は中東地域から輸入されており、アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアが主たる調達先である。近年はエネルギー安全保障の観点から、アメリカ、カナダ、中央アジア、南米などへの調達先分散(脱・中東依存)が進められている。
具体的には以下の通り。
1、主な輸入元(中東地域が約95%)
アラブ首長国連邦(UAE)は2024年以降、日本にとって最大の原油輸入先となっている。サウジアラビアは長年首位だったが、現在はUAEに次ぐ2位である。
2、中東以外の調達先(脱・中東依存)
アメリカからは、シェール革命以降、輸入量が増加傾向にある。そのほか、カナダ、南米諸国、中央アジアなどからの調達も進んでいる。
3、背景と動向
中東依存度が高いことから、シーレーンの安全確保が課題となっている。日本政府は、中東情勢の不安定化に備え、代替調達先として「中央アジア・南米など」を挙げ、増産余力のある国々との連携を強化している。なお、石油備蓄は八ヶ月分とされており、緊急事態に備えている。
計量法は、取引と証明に係る特別な規制を実施している。計量法における「取引」とは、有償・無償を問わず、物や役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公にまたは業務上他人に対して一定の事実が真実である旨を表明することをいう。取引とは、計量の結果が契約の要件となる業務上の行為(例:商品の質量による計量販売)である。証明とは、一定の法的責任等を伴って、真実である旨を公的機関や他人に表明することである(例:性能証明書の発行、法令に基づく官公庁への提出書類)。対象外の例として、スポーツ、学術研究、学校教育、自社内のみでの工程管理や内部資料などがある。
以下は、石油を計る計量器についての計量法上の説明である。
石油を計る計量器(燃料油メーターや流量計)は、用途によってガソリンスタンドの給油機から工業用の流量計、家庭用の灯油メーターまで多岐にわたる。これらの計量器は計量法により「特定計量器」に指定されているものが多く、正確な取引のために検定や定期的な検査が義務付けられている。
計量法の規定のうち石油、燃料ガス、石炭に関係する特定計量器
計量法の規定のうち、石油、燃料ガス、石炭に関係する特定計量器は次のとおりである。(以下は代表的な使用例を示すものであり、網羅的なものではありません)
特定計量器一覧(令第2条)
五 体積計のうち、次に掲げるもの
イ 積算体積計のうち、次に掲げるもの
1、水道メーターのうち、口径が三百五十ミリメートル以下のもの
2、温水メーターのうち、口径が四十ミリメートル以下のもの
3、燃料油メーター(揮発油、灯油、軽油又は重油(以下「燃料油」という。)の体積の計量に使用する積算体積計をいう。)のうち、口径が五十ミリメートル以下のもの(五十リットル以上の定体積の燃料油の給油以外に使用できないものを除く。)
4、液化石油ガスメーターのうち、口径が四十ミリメートル以下であって、液化石油ガスを充てんするための機構を有するもの
5、ガスメーターのうち、口径が二百五十ミリメートル以下のもの(実測湿式ガスメーターを除く。)
6、排ガス積算体積計
7、排水積算体積計
ロ 量器用尺付タンクのうち、自動車に搭載するもの
七 密度浮ひょうのうち、次に掲げるもの
イ 耐圧密度浮ひょう以外のもの
ロ 耐圧密度浮ひょうのうち、液化石油ガスの密度の計量に使用するもの
十八 浮ひょう型比重計のうち、次に掲げるもの
イ 比重浮ひょう
ロ 重ボーメ度浮ひょう
ハ 日本酒度浮ひょう
二 質量計のうち、次に掲げるもの
イ 非自動はかりのうち、次に掲げるもの
1、目量(隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差をいう。以下同じ。)が十ミリグラム以上であって、目量標識の数が百以上のもの((2)又は(3)に掲げるものを除く。)
2、手動天びん及び等比皿手動はかりのうち、表記された感量(質量計が反応することができる質量の最小の変化をいう。)が十ミリグラム以上のもの
3、自重計(貨物自動車に取り付けて積載物の質量の計量に使用する質量計をいう。)
ロ 自動はかりのうち、目量が十ミリグラム以上であって、目盛標識の数が百以上のもの
ハ 表す質量が十ミリグラム以上の分銅
ニ 定量おもり及び定量増おもり
石油計量器の主な種類
1、燃料油メーター(給油機)
ガソリンスタンドなどで車両や容器へ給油する際に使用する機器。ガソリン用、灯油用などがあり、容量をデジタルなどで正確に表示・計算する。
2、流量計(ロータリピストン式など)
主にタンクローリーから家庭へ灯油を配達する際や、産業用機械で油の消費量を測定する際に使用される。
3、可搬式給油機
タンクローリーと直接接続し、車輛へ給油できる持ち運び可能なタイプ。
4、石油密度計・比重計
石油の品質管理や、温度と体積から質量を換算するために用いられる試験用の計器。
5、計量ボトル・カップ
2サイクルエンジンの混合油作りなどで、少量のオイルを計るために使用される道具。
6、ほか
石油を計る計量器に関連する幾つかの事項
1、石油の品質などに関連する計量器(石油密度計)
石油の品質管理や密度(15℃における密度)を測定するために使用されるガラス製の浮ひょう(浮き秤)。標準石油密度計などがあり、原油や石油製品の密度を測定する。
2、法的な規制とメンテナンス
石油の計量器は「特定計量器」に分類される。
a、検定義務
ガソリンスタンドの燃料油メーターは、計量法により7年ごとの検定が義務付けられている。
b、精度管理
誤差が生じると信用問題や利益減少につながるため、定期的な点検が求められる。
c、防爆対応
石油は引火性があるため、計量機は防爆構造(火花が出ない構造)であることが求められている。
3、その他の関連機器
a、ドラム缶、ボンベ用はかり
石油を重量で計量する場合に使用される台はかり。ガソリンの重量は1Lあたり0.75kgで計算されることが多く、こうした密度と容量の関係を元に設計されている。
b、油量計
燃料油の流量を計測するメーター。
c、石油製品色試験器
石油の品質(色)を検査する機器。
d、ほか
[資料]
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