民族的排外主義に使われたユダヤ人頭骨形状の可塑性の証明を試みた文化人類学のフランツ・ボアズ
|
民族的排外主義に使われたユダヤ人頭骨形状の可塑性の証明を試みた文化人類学のフランツ・ボアズ
民族的排外主義に使われたユダヤ人頭骨形状の可塑性の証明を試みた文化人類学のフランツ・ボアズ
フランツ・ボアズ(Franz Boas)は、ドイツ生まれ、アメリカ合衆国の人類学者。
脳容量と知性にかかわりはない 時代によって変化する頭骨の形状
アルベルト・アインシュタインの脳の質量は1,230グラムデアあるとされている(現代人の平均は1,400グラム)
日本人の頭骨の変化を計測値が示す[計量計測データバンク]
モデルの前後に長い美しいとされる頭
漱石、龍之介、鴎外、子規の顔と頭の形
日本の文芸人 千円札の夏目漱石
日本の文芸人 少し違った夏目漱石
日本の文芸人 芥川龍之介
日本の文芸人 森鴎外の横顔
日本の文芸人 正岡子規の横顔
(タイトル)
民族的排外主義に使われたユダヤ人頭骨形状の可塑性の証明を試みた文化人類学のフランツ・ボアズ
(本文)
日本人の頭の形は時代によって変化することを、次の事例が示唆する。
鎌倉幕府の本拠界隈では、由比ヶ浜中世集団墓地遺跡、極楽寺遺跡の発掘で、頭骨を含む1,500体もの人骨が出土し、調査が行われている。状態のよい57体の頭骨を、聖マリアンナ医科大学解剖学教室と日本大学松戸歯学部解剖人類形態学講座との共同研究チームが計測した。東京の中心部にある鍛冶橋遺跡と丸の内遺跡は、16世紀か、さかのぼっても室町時代中期以降のものと推定される。同チームは鍛冶橋遺跡の17体、丸の内遺跡の14体の男性頭蓋骨を計測している。
鎌倉市には、鎌倉時代から室町時代前期の材木座遺跡があり、その頭骨の計測値と、北部九州・山口地方の吉母浜遺跡から出土した成人男性頭蓋の計測値は、いずれもこの時代の脳頭蓋長幅示数が長頭型であることを示している。
次に、脳頭蓋の幅(顔の幅)と長さ(頭の前後長)の実寸を示す。脳頭蓋最大長(頭の前後長)は、極楽寺遺跡中世人で187.8mm、鍛冶橋遺跡中世人は184.2mm、丸の内遺跡中世人は183.8mmであった。脳頭蓋最大幅(顔の幅)は、由比ヶ浜南遺跡(単体埋葬)139.8mm、極楽寺遺跡139.3mm、鍛冶橋遺跡139.8mmであった。吉母浜遺跡中世人の脳頭蓋最大幅(顔の幅)は135.9mmであり、関東の中世人は北部九州中世人よりも大きい。横幅・前後長とも大きい。
以上のように、日本人の頭の形が時代によって変化することは、鎌倉幕府の本拠や東京の中心部などから出土した頭蓋骨の調査によっても明らかになっている。
ナチスドイツは、アーリア人の優越性とユダヤ人の排撃を抱き合わせにして、侵略戦争を遂行するための論理をつくりあげた。日本は大東亜共栄圏を説く一方で、アジア民族への偏見を煽り、侵略を正当化した。
フランツ・ボアズ(Franz Boas, 1858–1942)は、1858年にドイツのユダヤ系家庭に生まれ、米国に渡って文化人類学を切り開いた人である。動機付けとなったのは、ユダヤ人排撃という理不尽への反発であった。ボアズが1910年前後に発表した「移民の子孫における身体形態の変化」に関する研究は、「人種固有の骨格や知能は固定的で不変である」という優生学的・人種主義的な常識を科学的に打ち破った、人類学史上重要な業績となった。
同じ遺伝子(民族)であっても、育つ環境(アメリカ)が変わるだけで、わずか1世代で頭の形が大きく変化する。東欧系ユダヤ人と南イタリア(シチリア)系に、その変化が特に顕著に現れた。東欧系ユダヤ人(ヘブライ系)は、ヨーロッパ生まれ(親世代)が83(丸頭・短頭傾向)、アメリカ生まれ(子世代)が81(面長・長頭化)。シチリア系イタリア人は、ヨーロッパ生まれ(親世代)が78(面長・長頭傾向)、アメリカ生まれ(子世代)が80(丸頭・短頭化)、という計測数値の例(頭長幅指数)であった。
ヨーロッパにいた頃はまったく異なる頭の形をしていた2つの民族が、アメリカという同じ環境で生まれ育つことで、どちらも「指数80前後」という中間の数値へと近づいていた。「母親がアメリカに移住してからの期間が長ければ長いほど、その後に生まれた子供の頭の形はより大きく変化する」という相関関係のデータが出ている。
これは「生物学的可塑性(Plasticity)」と呼ばれるもので、頭骨の形が不変の遺伝だけで決まるのではなく、栄養状態や衛生環境、さらにはアメリカ式の育児法(固い布で幼児を縛り付けないなど)といった環境要因に強く影響されることを実証したのである。これはナチスのアーリア人優生学をくつがえすものであった。
現代における補足(後世の再検証)
ボアズの死後、2000年代に入ってから、この「ボアズ・データ」を現代のコンピュータと最新の統計遺伝学(ハミルトンら、スパークス&ジャンツらなど)を用いて再解析する研究が行われた。
ボアズの研究結果に対して、現代では次の二つの評価がなされている。
再解析(否定派 2002年ころ)=コリー・スパークス(Corey S. Sparks)らは、「ボアズの言う変化は統計的に極めてわずかであり、やはり遺伝的要因の方が圧倒的に強い。ボアズは人種偏見と戦うために環境の影響を過大評価した」と批判した。
再々解析(ボアズ擁護派 2003年以降)=クラレンス・C・グレイヴリー(Clarence C. Gravlee)らは、「ボアズは『遺伝がない』とは一言も言っておらず、『環境によっても変化する(可塑性がある)』と言っただけだ。ボアズの元の主張は完全に正しい」と反論した。
現在では、頭骨の形には高い遺伝性があるものの、ボアズが指摘する環境や栄養、幼児期の寝かせ方(絶壁頭になるかどうかなど)で十分に変化する性質(可塑性)があることが、生物学的な事実として広く認められている。
評価は揺れ動いているものの、頭骨の形が自然や社会の環境に依存する要素を持つことは、ある程度わかってきている。
[資料]
計量計測データバンク ニュースの窓-424-ナチスドイツのユダヤ人迫害への憤激を動機にして頭格(頭の形)の大規模な計測調査で反撃した文化人類学者のフランツ・ボアズ
フランツ・ボアズ - Wikipedia
日本列島人の頭骨の形態変化(脳容積と知能は比例しない)(計量計測データバンク ニュースの窓-104-)
漱石、龍之介、鴎外、子規にみる頭の形(日本人の頭の形)
遺伝子に隠された日本人の起源 篠田謙一 2021年国立科学博物館館長に就任2014年01月17日、2002年配信 29分 ユーチューブ動画。
日本人の頭骨の変化を計測値が示す(鎌倉時代の日本人の頭は前後に長い形をしていた)(計測値は雄弁だ 計測は知ることである)
【高橋弘樹vs文化人類学】文明は人を幸せにしたのか?スマホが先住民の村を変えた?先住民と暮らして見えた“人間の本質”【ReHacQ R大学】
イノベーションと経済発展と景気循環
民族的排外主義に使われたユダヤ人頭骨形状の可塑性の証明を試みた文化人類学のフランツ・ボアズ
日本の石油事情と計量法が定める石油関連の特定計量器
経済産業省が指定検定機関の指定を取り消す行政処分
時代によって取引・証明に必要とされる計量器が変わる
数学者たちは頭脳が繰り広げる世界を現実だと思っている
計量法の法令例規集が人工知能(AI)と連動するとき
計量法における指定製造事業者制度(計量計測データバンク編集部)
ハカリの定期検査の実を上げる方策
計量制度への畏敬と矜持を表現する「指定定期検査機関推進宣言」
Word文章の一太郎ソフ変換、PDFの改行削除と空白を除去ツール
中国の都市部マンション価格年収60倍が意味すること
中国の不動産投機現象が描き出した信用創造の仕組み
社会基盤であり社会的共通資本の最も重要な制度としての計量行政とその実施
計量行政が社会に約束している責務の実施としての検定検査業務
0.001グラムの計量と金価格の推移
イチロー、長嶋茂雄の五感による入力と出力としての身体動作 脳が反応を司る
お金と病気と死にまつわる幾つかの事例
NHKラジオの高齢者交通事故を扱う繰返し報道の背景を探る
社会的共通資本としての計量器の検査機関
縦横無尽、無限の奥行で広がる情報の世界としてのインターネット
貨幣として機能した麻薬のアヘン
計量計測データバンクにとってweb運営は存在の確認の行動
兵站としての計測技術とウクライナ戦争におけるドローン戦
2025年日本経済の素描
計量管理の解釈と必要な変革の実行
ロシア、ウクライナ、米国、日本と国の事情
計測でも科学でもない数値の強調と人の健康 数値のトリックと人の健康
気持よく働き一日を満足する日本でありたい
人工知能(AI)と人の頭脳の働かせ方
品質工学や計量管理の技術を言葉で解き明かす
計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
2019-02-05-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)
2019-02-07-1-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
2019-02-07-2-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-
計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-3-
2019-02-07-3-database-of-measurement-measurement-traceability-measurement-news-