健康と病気の間をさまようサクラの花のころ
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健康と病気の間をさまようサクラの花のころ 森夏之
絵は辻まこと 辻まこと - Wikipedia 画家。山岳をテーマとした画文で知られ山岳誌の表紙絵を描いていた。1975年没。
(タイトル)
健康と病気の間をさまようサクラの花のころ 森夏之
(本文)
健康と病気の間をさまようサクラの花のころ
生体検査の結果がでる日、サクラが満開の青空を見上げながら考えた。
もしも悪い結果だったらサクラの花と青空はどのように見えるのだろうか。そして日ごろのこと、つまり日常の暮らしが違ってしまうのだろうか。
医者は良い結果にも悪い結果にも付き添わなければならないから、その結果に対応した処置をとるだけでのことである。診療を待つ者が何人かいた。落ち着かない面持ちに55歳ほどの男がいた。胃壁から採取した生体組織の検査結果を知らせを待つ者が何人かいて悪い報告を受ける者は二割はあるだろう。そのような事情があるから医者は良い結果にも悪い結果にも同じ態度を取る。
ある男はもしものことを思って胃をいろいろと探る。押してみて突いてみて、また静かに横たわって信号を受け取ろうとする。
春の桜の空が晴れたら良いねと、思いながら過ごす数日であった。
2026-04-12-hovering-between-health-and-illness-