質量の単位㎏と質量発生の科学のお話し Story about the unit of mass, kg, and the science of mass generation 質量の測定において重力値の影響を除外するしくみが計量法の質量計ほかの分野で規定されており、質量が1kgの肉は、きちんと1kgと表示される仕組みになっている。 物質に質量をもたらすことで引力を生み出し宇宙の根源になっているのが1964年にピーター・ヒッグス教授によって予言されたヒッグス機構である。 質量の単位㎏と質量発生の科学のお話し |
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質量の単位㎏と質量発生の科学のお話し ピーター・ウェア・ヒッグス(Peter Ware Higgs, 1929年5月29日 - )は、イギリスの理論物理学者。エディンバラ大学名誉教授。2013年ノーベル物理学賞受賞。ニューカッスル地方エルズウィック生まれ。父はイングランド出身の音響技術者でBBCに勤務。母はスコットランド出身。幼少期は小児喘息と第二次世界大戦の影響で小学校へ通えず、母を家庭教師に在宅学習を行った。その後、ブリストルのコヘン・グラマースクールへ進学し、同校の卒業生であるポール・ディラックの業績に影響を受ける。シティー・オブ・ロンドンスクールに1年間在籍した後、キングス・カレッジ・ロンドンへ進学し1950年に理学士(第1等物理学専攻)、1951年に理学修士、1954年にPh.D.を取得した(指導教授はチャールズ・クールソン教授)。1955年から1956年までエディンバラ大学上席研究フェロー、1956年から1957年までユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン研究フェロー、1957年から1958年までインペリアル・カレッジ・ロンドン研究フェロー、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン数学科講師(1959年から1960年)、1960年にエディンバラ大学テイト研究所数理物理学講座講師に就任。1970年にエディンバラ大学上席講師、1974年にエディンバラ王立協会会員、1980年にエディンバラ大学理論物理学講座教授に就任。1983年に王立協会会員、1991年に英国物理学会フェローに就任。1996年にエディンバラ大学を定年退職し名誉教授の称号を得る。1998年キングス・カレッジ・ロンドンフェロー、1999年英国物理学会名誉フェロー、2013年王立スコットランド学士院フェローに就任。1964年、素粒子の「質量の起源」を説明する電弱理論における対称性の破れ(南部陽一郎の対称性の自発的破れが原型)の理論を提出した。この仮説を裏付けるヒッグス粒子の発見は素粒子物理学の大きな課題となっており、スイスの大型ハドロン衝突型加速器を用いて陽子同士を衝突させ、ヒッグス粒子を検出する計画が進められてきた。2012年7月4日、欧州原子核研究機構(CERN)がヒッグス粒子ではないかと見られる物質を発見したことを発表するに至っている。CERNの発表の会場にはヒッグスも同席し「生きている間にヒッグス粒子が発見されたことは嬉しい」とコメントしている。 大型ハドロン衝突型加速器 (タイトル) 質量の単位㎏と質量発生の科学のお話し (本文) 質量の単位であるキログラム(kg)の定義はたびたび変更されたが、質量の定義は変更されない。質量とは月と地球とで同じ値を示す人類がつくった概念であり人類がつくった偉大な知恵だ。ここでは質量の定義を示さない。質量計測にかかわる人々に定義の説明を求めるだけにする。 質量計測で私たちが取り扱う現実は次のようなことである。 辞書「大辞泉」は、「目方」(めかた)とは、物の重さ、はかりで量った重さ、重量。とある。「重さ」(おもさ)とは、 重いこと、その度合い、とあり、加えて、地球上の物体に作用する重力の大きさで、その物体の質量と重力加速度との積に等しいとし、また地球上の場所により重力加速度の値が異なるので、同一物体の重さも異なる、とされ、また重量ともある。「重量」とは、物の重さ、目方とあり、また目方が重いこと、とする。「質量」とは、物体の慣性の大きさを示す量、または重力を生じさせる原因となる量とし、もう一つとして相対性理論によれば、質量はエネルギーの一形態であるとされるとし、もう一つの意味として物の重さ、重量をあげている。 「重量」と「質量」を同一の意味として表示するこの辞書は、世間がこの二つの用語を同一にとらえていることに由来して、この理解をあてはめている。 国際単位系(SI)の7つの基本単位の一つであるキログラム(kg)は質量の単位である。一般に使われる重さや目方や重量は質量を意味していることが多い。質量の測定において重力値の影響を除外するしくみが計量法の質量計ほかの分野で規定されており、質量が1kgの肉は、きちんと1kgと表示される仕組みになっている。重力加速度の補正をしないでばね式と同じ原理のハカリを使うと、場所によって1g(つまり1千分の1kg)ほどの差が生じることがある。日本の端っことの間で、あるいは富士山頂(3,776m)とその直下の標高0メートル地点の間でおこる現象だ。測定地点における重力加速度の違いによってひきおこされる。計量法はこの現象を補正する仕組みを法体系に組み込んでいる。両皿天びん方式のハカリなどは、測定したいモノと分銅の両方に同じ重力加速度がかかるので、この影響を受けない。 バネ式構造に由来するロードセル式ハカリでは精密に測定しているようでも測定地点の重力値に影響されている。1千分の1以上の精密さをもつロードセル式ハカリは重力加速度(重力値)の影響を受けているので、測定地の重力値にあわせて検定時点あるいは製造時点で補正がなされている。測定原理がバネ式構造のハカリが重力値の影響を受けるのは1千分の1以上の精密さをもつときである。従って800分の1より目が粗いハカリの場合には重力値の補正をしないでも実質上の影響がない。 ある質量の物体が月と地球とで同じ量としてのキログラムであるのに、人がその物体を持つと手への負担が異なるのは重力値に影響されているからだ。質量という概念がつくられていることの大事さがここに示される。 物質に質量をもたらすことで引力を生み出し宇宙の根源になっているのが1964年にピーター・ヒッグス教授によって予言されたヒッグス機構である。ヒッグス機構は質量の起源について合理的な説明を与える。ヒッグス氏の名に由来するヒッグス粒子は物質に質量をもたらすことで引力を生み出す。2011年以降にヒッグス粒子が観測されヒッグス機構が確認された。 ヒッグス機構とは、ピーター・ヒッグスが1964年に提唱した、ゲージ対称性の自発的破れに関する理論である。南部陽一郎の対称性の自発的破れを原型に素粒子の「質量の起源」を説明する電弱理論における対称性の破れの理論である。スイスの大型ハドロン衝突型加速器を用いて陽子同士を衝突させ、ヒッグス粒子を検出する計画が進められ、2012年7月4日、欧州原子核研究機構(CERN)がヒッグス粒子を発見した。ヒッグス粒子は物質に質量をもたらす素粒子で、引力を生み出し宇宙の根源になっている。 2013年のノーベル賞物理学賞はエディンバラ大学名誉教授のPeter W. Higgs(ピーター・ヒッグス)氏とブリュッセル自由大学のFrancois Englert(フランソワ・アングレール)氏に贈られた。「素粒子の質量の起源に関する機構の理論的発見」による。アングレール氏は、自発的対称性の破れる機構を使えば、本来質量を持たずに光速で飛んでいたはずの力を媒介する粒子(ゲージ粒子)などの素粒子に質量を持たせることができることを示した。後にワインバーグ、サラムらがこれを弱い相互作用に応用して電弱理論を提案、現在の素粒子標準理論の鍵となった。 2018年6月4日、LHCに設置された粒子検出器「CMS(小型ミューオンソレノイド)」と「ATLAS(トロイド型LHC観測装置)」と使った実験の中で、ヒッグス粒子とトップクォークが直接相互作用していることを世界で初めて確認した。物理学の標準模型において2つの最も重い粒子を直接結び付けるものとなり、物理学をさらに一歩進める大きな発見である。 ヒッグス粒子(ヒッグスりゅうし、英語: Higgs boson (英語発音)/hɪgz ˈbəʊzɒn/ ヒッグス・ボソン)は素粒子の一種。質量の起源を説明する理論であるヒッグス機構において存在が予想された素粒子であり、2011年以降にヒッグス粒子の存在が観測されたため、ヒッグス機構の正しさが示された。ヒッグス自身はヒッグス粒子を「so-called Higgs boson(いわゆる ヒッグス粒子と呼ばれているもの)」と呼んでおり、他にも様々な呼称がある。 国際単位系における七つの基本単位の一つ、質量の単位であるキログラム(㎏)が定義されたのは、水の体積(その元は長さの単位メートル(m))、つづいてある金属塊(これは水の体積に由来する質量ではあったが)であった。その後にキログラム原器という人工物の質量によっていたものが、プランク定数という基礎物理定数を使用するように改変されてきた。質量の定義は変わらないが、質量の単位であるキログラム(㎏)の定義は計測技術の進歩を反映して何度も変えられてきた。旧定義は「キログラムは質量の単位であって、単位の大きさは国際キログラム原器の質量に等しい。」であった。最新の定義は「キログラム (記号は㎏)は質量のSI単位であり、プランク定数 h を単位J s(kgm2 s−1 に等しい)で表したときに、その数値を6.626 070 15×10−34 と定めることによって定義される。ここで、メートル及び秒は、それぞれ c及びΔνCsを用いて定義される。」となった。質量の定義は変わらないがキログラム(㎏)の定義は変わるかもしれない。プランク定数による質量の単位キログラム(㎏)の定義と実際の標準供給に使用される質量標準器である分銅とをつなぐ技術の間には大きな溝がある。 2023-01-03-story-the-unit-of-mass-kg-and-the-science-of-mass-generation- ここでは質量の起源を取り上げた。質量が地球上でどのような振る舞いをするかはで 質量の地球での振る舞いかた で述べた。モノに備わった質量が引力の影響を受けてさまざまな振る舞いをする。引力の影響によるモノの振る舞いはかたは別の文章(質量の地球での振る舞いかた)で取り扱っている。 【資料】 日本の計量器産業の生産高は1兆円、広義の計量器企業の売上高は3兆円 (日本の計量器産業の生産高は1兆円)(広義の計量器企業の売上高は3兆円と推計できる)(計量器生産高はGDP対比0.2%あるいは0.6%)(新しい計測方法ができることがはてしなく続く)(計測センサーは神経系の各部の神経と同じ働きをする)(人の神経組織は数千あるいは数万以上、これに未来の計測器をかさねる)(人の脳の質量は成人で体重の2%だが脳の働きは質量と連動しない)(神経の質量は脳の質量の1000分の1ほどか)(経済と社会を対象に痛い痒いを知るのが計測器だ)(取引の公正を実現する計測器) 日本経済と物価上昇の行方 不都合な事実と不要なことがら 亜ヒ酸をめぐる中井泉氏鑑定と河合潤氏の分析手法解析による結果の対立 質量の単位㎏と質量発生の科学のお話し 計量法のハカリの指定定期機関制度運用の現状 試験難易度によって自己を評価付けする現代の人々 地球温暖化と花見酒の経済 2022年日本経済の素描 質量の地球での振る舞いかた 質量の起源を探る 質量の起源の究明と質量計測の取回しの実際 数学者と物理学者は数式によって実現されることを事実だと考えている 重力とは 重力の単位 地球の重力値 重力の作用 池袋事故におけるハイブリット車暴走の原因は誤操作によるか機械故障か 新型コロナウイルス感染症ワクチン 走り、曲がり、止まるという車の機能にはさまざまな技術要素と交通事故 計量行政職員は計量の安全を守る護民官として位置づけられていた カーボンニュートラルという虚構政策 科学研究費に求める成果に振り回される人々 人の言葉の基(もとい)は教養である 人口減少の事情と日本の50年先の状態 2020年日本経済の素描 机と椅子が織りなす快適値としての29cmという科学 新型コロナウイルス感染症COVID-19対応の温度計測機器 文武両道は集団催眠がもたらした言葉だ 日本の次世代経済はのみの市経済か COVID-19に感染したら生命と財産を何とか守ってやる バベルの塔に似た都市集中と林の中の工場との対比 新自由主義批判にも聞こえるトマス・モアのユートピア COVID-19におびえて洞窟に3カ月避難した日本 新型コロナ対応で経済を止める愚挙 下気道感染症で300万人、下痢性疾患で140万人、結核130 万人、これと新型ウイルスを比較する 新型コロナウイルスと肺炎疾患を考える 新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(18日午前2時時点)AFP 2020年3月18日 5:23発信地:パリ 新型コロナウイルス感染症で体温計が市場から消えた (不適切な表現などについては意に反するものですのでご容赦ください) 2020-06-15-japan-frightened-by-covid-19-and-evacuated-to-a-cave-for-3-months- |
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