八ヶ岳の森と春を恋う叫び
|
八ヶ岳の森と春を恋う叫び 甲斐鐵太郎
清泉寮のソフトクリームを売る売店。清泉寮はポール・ラッシュにより建設され、この地に寒冷地農業を切り拓いた。
八ヶ岳の森と春を恋う叫び 甲斐鐵太郎
ポールラッシュは片付けにうるさかったと寄り添って暮らしていた私と同年代の人が語っている。
八ヶ岳の森と春を恋う叫び 甲斐鐵太郎
ポールラッシュは何時でも賓客を迎え入れられるように部屋も庭もすべてを整えていないと気が済まなかった。
八ヶ岳の森と春を恋う叫び 甲斐鐵太郎
川上村のレタス畑からの夕暮れの八ヶ岳連峰。西陽は山に落ち、空の雲が太陽の方向を明かす。2024年3月2日17:26:撮影。この日の宿は八ヶ岳の向こうの裏側にある。
八ヶ岳の森と春を恋う叫び 甲斐鐵太郎
私の夏休みは八ヶ岳で過ごすことであった。八ヶ岳登山をし山麓の宿から周辺の川に釣りに行く。正月には清里の清泉寮に泊まった。年が明けるその瞬間に外国人たちが爆竹を鳴らしてはしゃいだ。清泉寮の石積みの洋館に宿泊費を張り込んだ。いま思えば冷や汗もの。
清泉寮はポール・ラッシュにより建設され、この地に寒冷地農業を切り拓いた。アーリー・アメリカンとアメリカキリスト教とはこういうものなのだと洋館が語る。清泉寮にはアメリカの牧歌的な香りがある。ポールラッシュは片付けにうるさかったと寄り添って暮らしていた私と同年代の人が語る。何時でも賓客を迎えられるように部屋も庭もすべてを整えていないと気が済まなかった。
野辺山と川上村の高原野菜、とりわけレタスはブランド野菜になった。レタスを食べるとこの地の高原の爽やかな気候と風景が心に浮かぶ。高原の荒れ地の開墾と高原野菜の栽培にどの程度、ポールラッシュが関わっているのかわからない。
川上村は交通不便なところであった。こため在来の日本の犬が原始に近いまま残された。この地域からでた柴犬のような十国犬は有名である。現在の川上犬と十国犬の因果は不明。川上犬はレタスと重ね合わせて川上村マスコットキャラクター「レタ助」として表現されている。川上村川端下(かわはけ)には田渕義雄さんが住んでいる。出版社に勤務していた編集者でナチュラリストである。「寒山の森から―憧れの山暮しをしてみれば」という本を出していて私には羨望の人。田渕義雄さんが造るウインザーチェアが欲しい。
都会暮らしは公園の緑があってもそれらは造られた人工物。本物の自然ではない。公園の緑はせいぜい日除け。
八ヶ岳山麓で暮らす知人は甲斐駒ヶ岳がみえる日差し豊かな部屋に好みのオーディオを据えてモーツァルトを聴いている。真空管アンプの特性が良いとか、LPレコードのチリチリした音がよいとか、スピーカーはこれでなければいけないとか、アンプはやは重いりトランスを使ったのに限るとか。
私はパソコンとBluetooth(ブルートゥース)で無線接続された小さなお盆型のスピーカーが出す音に満足している。スマホやタブレットからもつないで朝と晩に横になりながらそのスピーカーから流れ出る音楽などを聴く。
川上村の8月の日平均気温は19.5℃であり札幌市の20.5℃よりも低い。降水は夏季の前後、梅雨と秋雨の時期にまとまっている。日照時間も長い。7月の平均気温は21.7℃、最高気温は27.6℃。8月平均気温は19.7℃、最高気温は24.2℃。高冷地の野菜栽培は夏季集中型である。夜明けから日暮れまで、そして夜間作業で収穫し出荷する。
川上村に対面する南牧村の幹線道路沿いにコメリが2023年の夏に出店した。農業関連の商品の品ぞろえが面白くて立ち寄る。この地の寒さと底冷えは八ヶ岳降ろしによるものであることを晩秋と雪の季節に知った。
標高1,400mの「寒山の森」に暮らす田渕義雄さんのエッセーの半分ほどは春を恋う文章。それは叫びでもある。東京に桜が咲くころにこの森はまだ雪のなか。餌台のヒマワリの種をシメやウソやヤマガラやゴジュウカラやシジュウカラやコガラが啄(ついば)んでいる。カケスは餌台には来ない。リスは小鳥を追いやって餌台を独占する。カラスは雪に覆われた高原から里に降りる。ツグミ(鶫)は里の鳥で北へ向かう。ホオジロは1,200mほどのところにいる。ベニマシコやオオマシコの到来を待ったいるのだがこの冬も姿がないままに春に向かっている。
[参考]
クマも鳥も虫も神である国の寒山の森の暮らし 甲斐鐵太郞(ナチュラリストのエマソンとソローと、日本の自然のなかの田渕義雄さん)
2024-03-26-a-cry-of-love-for-the-yatsugatake-forest-and-spring-
[資料]新美南吉 - Wikipedia
作家別作品リスト:新美 南吉 (aozora.gr.jp)
新美南吉 ごん狐 (aozora.gr.jp)青空文庫
ごん狐 - Wikipedia
新美南吉 狐のつかい (aozora.gr.jp)青空文庫
新美南吉 手袋を買いに (aozora.gr.jp)青空文庫
新美南吉 狐 (aozora.gr.jp)青空文庫
新美南吉 狐のつかい (aozora.gr.jp)青空文庫
[資料]
標高1600mにある山荘とパソコン事情 夏森龍之介
甲府盆地 釈迦堂の桜と桃とレンギョウの百花繚乱 甲斐鐵太郎
八ヶ岳の森と春を恋う叫び 甲斐鐵太郎
槍ヶ岳 安曇野の空に浮かぶ 甲斐鐵太郎
キツネ - Wikipedia
車山高原レア・メモリーが語る諏訪地方の狐の生態 (rarememory.com)
冬の高原でキツネに出会う 甲斐鐵太郎
旅行家甲斐鐵太郎の自然博物誌 (keiryou-keisoku.co.jp)
人は空の抜けた霧ヶ峰高原で少し気持ちよくなるが同時に虚ろさを感じる 執筆 甲斐鉄太郎
冬の霧ヶ峰高原で群れる日本鹿(ニホンジカ) - livedoor Blog(ブログ)
新美南吉と新美南吉記念館 執筆 旅行家 甲斐鐵太郞
晩秋の霧ヶ峰高原 霧に包まれたカラ松の高原道路を走る 執筆 甲斐鐵太郎
人は空の抜けた霧ヶ峰高原で少し気持ちよくなるが同時に虚ろさを感じる
軽四駆比較 スズキ・エブリイとスズキ・キャリイ 甲斐鐵太郎
2024-03-13-encounter-a-fox-on-the-winter-plateau-