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暑い日がつづく。紀州犬のオス犬のタケゾウは2歳になった。土用の一つ子のタケゾウは何時の間にか2歳になっていた。1年前の写真と比べてみる。子ども子供していたタケゾウはこの1年で随分と大人びた。
余所の人はタケゾウはただの白い犬であって血統書に記されている紀州犬の名にふさわしいとは言ってくれない。一瞥(いちべつ)するだけで特別な反応を示さない。そのようなタケゾウである。まだ身体は成長途中である。もっと背丈が伸びて胴が長くなって欲しい。口吻が短い。まだ短い。もっと口吻が伸びるといい。あれこれ考えてもタケゾウのそのままの形でそこにいる。それが2歳のタケゾウである。
紀州犬のオス犬の2歳というのはどのような状態なのだろう。私が飼っている紀州犬は概して成長が緩やかである。2歳だと子供じみている。3歳になり4歳になり5歳を越えたころにやっと持ち味がでる。タケゾウの父親がそうであり、祖母犬がその典型であった。タケゾウの母親は大きな犬である。口吻も長いしどうも長く伸びている。背丈も大きい。オス犬ほどの背丈がある。タケゾウが2歳になったときにこのようなことを考えていた。
犬の運動は怠れない。タケゾウは夏前に突如として運動を嫌がるようになった。電動アシストの自転車で7kmほどのランニングをさせてた。タケゾウは突如としてランニングを嫌がり回れ右をして帰ろうとする。無理に走らせるわけにゆかないので引き返す。コース農道の先の紅梅までに切り替えて行って帰ると1.2kmである。
それだと爪が伸びるのでやはり7kmのコースを走らせたい。どうしたら良いのかいろいろ考えた。祖母犬が同じように走るのを嫌がる質(たち)なのだ。祖母犬は糞を出してしまわないと走らない。少し走っては立ち止まってお尻に力を入れて踏ん張る。それを何度か繰り返した後にやっと走る気をみせる。もしかしてタケゾウもそのようなのではないかと考えた。
運動を始める前に庭でオシッコをさせ糞をさせる。糞をするまでに時間がかかるがそれをしないと途中で嫌々をする。根気よく待って糞をさせる。それから走り出す。手間暇がかかる。このようなことをしてタケゾウと駆けっこにでる。そして7kmを走る。走れないときもある。ときどき嫌々をする。我慢して待つ。待てば何とかなる。
性質が良いはずのタケゾウの渋りに手こずっている。この現象は夏に起こりがちなのかも知れない。7kmを走るのに夏場は冬より時間を要する。暑いときには犬が駈ける速度が鈍る。走り終わっても息づかいは激しい。夜になっても気温が下がらない日は工場扇風機を夜通し回す。
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