日本の新聞社、メディア、情報機関(web情報総合サイト item-1) |
日本のテレビ局(web情報総合サイト item-2) |
社会の統計と計量計測の統計 【分類12】 web情報総合サイト 音楽の項目 音楽とオーディオ 目次 音楽・オーディオの文化・評論(芥川賞作家の五味康祐氏) 五味康祐氏の音楽とオーディオ評論(エッセー) 楽曲(音楽)とユーチューブ(動画)目次 楽曲(音楽)とユーチューブ(動画)-その内容 1- YAMAHAコンサート用のPAスピーカー S0108T 執筆 甲斐鐵太郎 |
日本計量新報一面記事です。 2018年09月09日号(3208)1面 2018年09月02日号(3207)1面 2018年08月26日号(3206)1面 2018年08月12日号(3205)1面 2018年08月05日号(3204)1面 2018年07月29日号(3203)1面 2018年07月22日号(3202)1面 2018年07月15日号(3201)1面 2018年07月01号(3200)1面 |
私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版) 神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その29- 表面傷検査装置が開発課題であった 始めての海外出張 ヨーロッパの連中が何を考えているかが知たかったし、またお互いに議論もしたかった 当時の鉄鋼業は表面傷検査装置が開発課題であった 板の形状 冷間圧延機で鋼鈑を圧延する時に、圧延された板が全く平坦であれば何の問題もないが、両端が伸びて波を打っているような場合は〈耳伸び〉、板の中央部が伸びてべこべこになっている場合は〈腹伸び〉という。勿論その中間の〈4分の1伸び〉もある。しかし、圧延機で圧延する間は張力がかかっているので、これらは見えない。 圧延機を止めて張力を切ると目に見える形で現れるこれらを、圧延機を止めて張力を切ることなく自動的に検出にしようとするのが形状検出機で、当時は世界でスウェーデンのアセア社、英国のD・ローイ社、日本の日立(開発中)の3社しかなかった。私の工場ではゼンジミアミルという多段ロールのコンパクトな圧延機を用いていたので、最も小型にできているD・ローイ社のものならば使えると考え、研究開発費を申請してこの開発に取り組んだ。 アルキャン(カナダ・アルミニュム社)のDr.ピアソンが発明したものを英国のD・ローイ社が買い取って実用化を考えたばかりのものであった。ただし、このような機器は単に測れるというだけでは駄目で、測って得た測定結果をいかに制御に用いるか、どうすれば制御の指針となり得るかが問題であった。従って制御理論の開発も行うという条件も付けていた。 表面傷検査装置 当時の鉄鋼業での他の主要な開発課題の中に、表面傷検査装置があり、私はこれにも興味を持っていた。圧延中の高速で走っている鋼板の傷は、人の目には見えないからである。ところがこちらの方は、海外では表面傷自体が市場で問題がないらしく、鉄鋼各社も取り上げないし、表面傷検査装置を作るメーカーは海外にはなく、日本だけで3~4社が競っていた。 形状検出機も表面傷検査装置もいずれも相手があり、相手にもいろいろな段取り、試作の時間もかかるので、複数のテーマを追いかけていてもそれ程苦痛でなく、通常業務のようであった。 始めての海外出張 形状検出機は、圧延機内への取り付け工事を国内のメーカーに依頼している内に、英国で試作機が出来上がったとの報が入り、出かけることになった。 この際にヨーロッパでの技術調査も兼ねてと思い、英国以外にドイツでステンレス鋼板を作っているクルップやドイツ特殊鋼、スウェーデンのアセア社、イタリアのゼンジミア社(ゼンジミアミルと称するステンレス鋼板用等の圧延機メーカー)も訪問することにして、D・ローイ社の窓口であるトーメンに旅行のアレンジを依頼した。 各社の担当技師に宛ててレターを書き、形状検出だけでなく、表面傷検査装置の開発についても参考意見が聞ければと思い、参考試料なども英訳して準備を進めた。これらの行動は、以前の19委員会や計測部会のところで述べたように、関西にいて、東京の連中は何を考えているのかを知りたいと思ったのと同じで、今回はヨーロッパの連中が何を考えているかが知たかったし、またお互いに議論もしたかったからであった。 (つづく) 私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版) 神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その29- 表面傷検査装置が開発課題であった 始めての海外出張 ヨーロッパの連中が何を考えているかが知たかったし、またお互いに議論もしたかった |