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社会の統計と計量計測の統計 【分類12】 web情報総合サイト 音楽の項目 音楽とオーディオ 目次 音楽・オーディオの文化・評論(芥川賞作家の五味康祐氏) 五味康祐氏の音楽とオーディオ評論(エッセー) 楽曲(音楽)とユーチューブ(動画)目次 楽曲(音楽)とユーチューブ(動画)-その内容 1- YAMAHAコンサート用のPAスピーカー S0108T 執筆 甲斐鐵太郎 |
日本計量新報一面記事です。 2018年10月14日号(3212)1面 2018年10月07日号(3211)1面 2018年09月23日号(3210)1面 2018年09月16日号(3209)1面 2018年09月09日号(3208)1面 2018年09月02日号(3207)1面 2018年08月26日号(3206)1面 2018年08月12日号(3205)1面 2018年08月05日号(3204)1面 2018年07月29日号(3203)1面 2018年07月22日号(3202)1面 2018年07月15日号(3201)1面 2018年07月01号(3200)1面 |
私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版) 神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その31- 煙を建屋外に出さない厳しい制約 製鋼工場から発生する多量の煙や粉塵を建屋内にて吸い取ってしまわなければならない 煙を建屋外に出さない厳しい制約 目的は省エネ・工事費削減 建屋集塵機の風量制御 1975(昭和50)年、環境の問題が日増しに大きく取り上げられるようになった。わが製鋼工場の50t電気炉2基を中心とする6カ所の精錬炉や造塊ヤードにおいても、煙を建屋の外に出してはいけないという厳しい制約がかけられた。製鋼工場から発生する多量の煙や粉塵を建屋内にて吸い取ってしまわなければならないというのである。 種々の計画が練られたが、計算によると膨大な集塵機と屋根の上には大口径の配管を設置せねばならなくなり、建屋自身がその荷重に耐えられるかどうかという問題まで出てきた。 そこで、私はコンピューターを利用した風量制御を提案、操業に僅かの制約は与えるが、全体として集塵機・建屋上配管を半分にできると、その概略を説明した。各発塵設備の運転に優先順位を設け、または電気炉2基の操業開始時期をその後の処理作業での発煙パターンを考慮して、少しずらして開始すれば良い。また排煙を伴う各作業の開始に際しては、予約制としてボタンを押すだけの操作をすれば、後は12枚のダンパー操作を総てコンピューターに行わせ最小限の風量で操業が可能となる、いやそうして見せる、というものであった。 横河電機(株)の協力 (コンピューターを利用した風量制御を提案したが)予算が通ってからが大変であった。集塵機屋には、総力を挙げて開度―風量が普通のS字型でなく、できる限り直線性を持ったダンパーを設計するべし、と注文を付けた。 コンピューターの発注先が横河電気(株)と決まった時には、県立西宮高校の同期で同じ物理部でガキ同士で騒いでいた友(当時横河電機(株)の電算機担当部長)に趣旨を説明して、横河電機で一番の流量のシュミュレーション計算とソフトができる人を廻して欲しいとお願いした。ありがたいことに、快く引き受けてくれて、実に適切な素晴らしい人を担当させてくれた。 こうして制御の問題が片付けば、残るは計測、即ち風量測定である。口径1m~2mの大口径での風速測定は初めての経験であった。文献調査から始めたが、行き着くところはやはり多孔ピトー管であったが、取り付け場所の選定に細心の注意を払った。これでやれやれ。 それでも、いざ工事に入ってみると直径2mにもなる煙道が屋根に上げられ、2基の風量25000m2/minのブロアーと1100kwのモーター2台を見ると、我ながら「デッカイことを企てたものだなぁ。うまくいくかなぁ」と自信が失せる思いがしたものであった。部分的な試運転を済ませ、総合的な仮想運転へと移った後、部分的な実運転から総合的実運転へと入った。 煙の道 結果は大成功、これほどコンピューターの威力を肌で感じたことはなかった。 その後、個々の設定風量を少しづつ変更して行ったり、タイミングのずれを修正したりしていくと、コンピューターの計算の威力はますます増していった。 発生するであろう煙を想定して、前もってダンパーの開度を所定のところに持っていき、風量が出てきているタイミングで発煙作業をはじめると、煙は素直に煙道に吸い込まれていく。実に美しい煙の流れである。これに反して煙が発生した後から吸い取ろうとしても、すなわち後から煙の道を付けようとしても、一度広がった煙は集まらない。従って予約、ダンパー開度設定、発煙作業開始の順序の厳守で製鋼作業は何の問題もなく進められ、建屋からは一条の煙も出なくなった。 投資コストが半減で収められたことが何よりも喜ばれたのは言うまでもない。この件では、特許も取ったし、機械振興協会賞も頂いた。それに付けても、高校時代とはいえ、友達とはありがたいものである。 (つづく) 私の履歴書 高徳芳忠(たかとく・よしただ)(日本計量新報デジタル版) 神戸大学計測工学科をでて製鉄会社で計量管理の仕事をした男の記録 -その31- 煙を建屋外に出さない厳しい制約 製鋼工場から発生する多量の煙や粉塵を建屋内にて吸い取ってしまわなければならない |