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羽田正見と佐藤政養の貨幣の密度(比重)分析 山田研治氏
本稿では、貨幣の真贋についての分析法について、アルキメデスの密度(比重)法が幕末どのように利用され、政養がどのようにニコルソンの浮き秤(水権器)(1787)を使用して貨幣の組成および品位について分析を行ったか、以上論考してきた。日本でのアルキメデス原理の受容は、四庫全書の文化・文政期(19世紀初期)の輸入とその広まりの影響が大きく、四庫全書の中には、『数理精蘊』とともに、密度(比重)問題を最初に扱ったJohnnes Schreck、王微『遠西奇器図説録最』(1628(明、天啓7)年)が収録されている48)。
Density analysis of early Meiji coins by Mr.Kenji Yamada

通貨真贋判定検査用の水権器(ニコルソンの浮秤(Nicholson’s hydrometer、発明は1784年))が350個製造され、同書とともに各府藩縣に配布された5)。これは本格的貨幣の密度(比重)法による分析法であるが、羽田正見(文政9(1826)年~明治26(1893)年、以下羽田)の貨幣分析を基にしたものである。
羽田正見と佐藤政養の貨幣の密度(比重)分析 山田研治氏
(計量計測データバンク編集部)

羽田正見と佐藤政養の貨幣の密度(比重)分析 山田研治氏


計量史を探る会2023大阪における研究発表をする山田研治氏。演題は「羽田正見と佐藤政養の貨幣密度(比重)分析」。

羽田正見と佐藤政養の貨幣の密度(比重)分析 山田研治氏

(本文)

1、はじめに


 明治初年の佐藤政養(以下、政養)の度量衡改革案は、集議院での大蔵省素案であり、拙論「佐藤政養と1870年のメートル法による度量衡法案」『計量史研究』Vol.43 No.2(No.52)(2021)1)で論考したように租税改革のためであった。

 政養の度量衡改革案は、幕末の神奈川台場や摂津砲台の建設、設計等、勝海舟の下で測量土木技術者として顕著な実績を挙げたことに基づくものである。明治2年12月に政養は新政府の技術官僚として大坂府河川局から民部省改正掛に採用され、明治3年、掛長渋沢栄一の下、民部・大蔵省の租税改革のために、集議院に建議したのが度量衡法素案であった2)。

 さらに、政養は集議院での偽造通貨の流通やその対策としての貨幣改革3)、また海軍建設のための租税改革案4)の議論にも参画した。明治3年4月には、貨幣改革の基となる政養著『水権器用法略、鎔和金属水権表』大蔵省が認可された。

 それにともない、12月には、通貨真贋判定検査用の水権器(ニコルソンの浮秤(Nicholson’s hydrometer、発明は1784年))が350個製造され、同書とともに各府藩縣に配布された5)。これは本格的貨幣の密度(比重)法による分析法であるが、羽田正見(文政9(1826)年~明治26(1893)年、以下羽田)の貨幣分析を基にしたものである。

 政養による『水権器用法略、鎔和金属水権表』は、全国的規模での貨幣の密度(比重)による真贋分析法ではあるが、これは明治1年、『金譜』(明治1年4月14日施行)として知られている太政官布告『貨幣取調書』「国内金貨幣表」を踏まえたものである6)。

 『金譜』は、福井藩三岡八郎之(由利公正、以下、三岡)、美濃大垣藩家老小原仁兵衛、福井藩村田理右衛門、大垣藩久世治作(以下、久世)により作成され、旧幕府小判、半金の金銀の含有量を100両単位で分析し、大判については1枚ごとの金銀銅の含有量を分析して、維新政府の現行通貨との交換価格を公布した品位表である7)。

 そこで、本稿では、政養の貨幣の密度(比重)分析の先駆けとなった幕末の羽田の貨幣分析について先に論じ、併せて清朝の密度(比重)分析と度量衡についての影響、及び『金譜』を踏まえた政養のこの密度(比重)表の使用法について述べる。最後、最終章で幕末のアルキメデス原理の受容の系譜についても触れる。

 日本最初の貨幣の金銀銅の密度(比重)の分析は、旧幕府官僚、羽田の『貨幣通考』(安政3(1856)年)添付「貨幣通覧表」8)に見られる。太平洋戦争前、遠藤佐々喜は、この『貨幣通考』を、密度(比重)法に依った分析法であることから、その斬新さを高く評価したが、以下で考察するように誤りが多く、新たな、上記、三岡や村田の『金譜』による是正が必要であった。

 明治維新以降、旧幕府金銀通貨の詳細な分析は、明治6年旧金座人佐藤忠三郎「旧貨幣表」や明治7年「造幣局試験方デイロン氏試験」、「旧金銀貨幣比較表」により行われているが、さらなる詳細は、明治20~30年に行われ、その公表が昭和4(1929)年に行われた、甲賀宜政『古金銀調査明細録』(以下、甲賀表)9)まで待たねばならなかった。甲賀表その翻刻が、西脇康、山田研治により行われたので活用、参照をされたい(前掲『計量史研究』2020年同号)。

 なお、羽田も密度(比重)法による品位分析(金、銀、銅、錫)には、ニコルソンの浮秤を使用したと思われるが、次節でみるようにアルキメデス法(天秤法)であると考えられる10)。前者の「水権器」(ニコルソンの浮秤)を図解しその使用法を詳細に記したのが、政養の明治3(庚午)年刊『水権器用法略、鎔和金属水権表』大蔵省刊布である。

 政養自身は、集議院での大蔵省素案や貨幣改革のための水権器の製作とその用法を著した『水権器用法略、鎔和金属水権表』の発刊後、民部省の鉄道寮に移り、鉄道建設に従事し、日本鉄道の父と称されるようになる。日本最初の新橋横浜間の鉄道敷設の中、薩摩藩に妨害された新橋品川間は海上築堤の上を走る。

 この海上築堤技術は、神奈川お台場の技術が取り入られている。政養のこれらの技術の習得は、1855(安政2)年から安政6年1月の長崎海軍伝習所の在籍中に、長崎製鉄所建設などから工学的知識(建築や蒸気機関、鉄工技術)の指導を受けたこと11)、また、文久2(1862)年に兵庫の砲台建設や勝海舟の海軍塾の開設から、関西での広瀬元恭や福田理軒との交流などが生まれ12)、さらなる化学や科学技術の知識の深化がもたらされた。

2、羽田正見と貨幣分析

 羽田は、「安政3年幕府御代官羽田十座衛門正見著」『貨幣通考』、添付「貨幣通覧表」(安政3年版、万延版)を書き残している。この書写しは、勝海舟が明治20年松方正義に依頼された『吹塵録』13)に収録されており、羽田が陸奥国小名浜(安政3~5年)時代の書写である。

 この写しは安政5年日米修好通商条約に伴う金貨幣流出期の幕府貨幣についてのメモ書きであるとされ、そのための金銀貨幣の金銀含有量、品位の調査である。

 『貨幣通考』の金貨幣の金と銀との密度(比重)についての分析は、同「程色」に記されている。

2の1 『貨幣通考』「程色」

「程色」では、2法が前文に記されており、第1法は、従前の「試石術」、黒硯に擦り付け見本の金色と目視で比較する10程(段階)法であり、第2法は、遠西人による「水試術」であるとする。

 「水試術」は、空気中での質量と、それを水中に沈めて水があふれ出す量(体積)を比較、即ち、「質量/体積=密度(比重)」で金銀のそれぞれの含有量を調べるアルキメデスの原理、寓話法を指す。

 その方法を「程色」では、空気中で、「髪の毛や馬毛で対象物をつるしその先頭を秤にかけ幾銭」、蒸留水中で、「浮き出ないように、底に着かないようにして、再び水の力で減じた重を計り、その減量と金の量を比較する」というものであると記す。すなわち14)。

 繋馬尾人髪単糸等至〇物、懸稱頭先其幾銭、…略…再計測由水力減其重、以其減量比較金量である。

 これはアルキメデス法(天秤法)によることを示唆しており、1784年に発明されたニコルソンの浮き秤による比重測定法と同じ原理である。

 空気中で測定した質量a=W1と、水中で測定した質量b=W2、その差を水中減量(体積)c=(W1-W2)とし、密度(比重)sを求めると「W1/(W1-W2)=s」すなわち「a/c=s」、上記「質量/体積=密度(比重)」となる。

 「程色」の表で示されている比重は、下記の通りであり、小数計算の普及していない時代、10万倍で計算している。そして、水1万倍で割り、水を1とすると、純金密度(鋳純金)が19.2581となる(表1)。

(密度(比重)) 蒸留水 010000 純金 192581 鍛純金 193617 純銀 104743 
純銅 077880

(金の純度) 純金192581 9分183797 8分175013 7分166230 6分157446 
5分148662 4分139878 3分131094 2分122311 1分113527 
純銀104743

 密度(比重)は、宇田川榕菴が『舎密開宗』(1837(天保8)年~1846(弘化3)年)で引用したラボアジェ著『化学の始め』、A.L.Lavoisier “ Traite Elementaire de Chimie”、 (1789)の「ブリソンの密度(比重)表」から採用されている15)。

 金の純度は、金と銀との合金すなわち「程色」によるもので、純金10,金9分~0分、金0分が純銀、逆に純銀0分が純金の比重であるので、計算方法は16)

192581-((192581-104743)/10)n、n=0~10

である。

 上式から等差8783.6であるが8784で羽田は作成している。

 金1分であれば「104743+8784=113527」であり、上記では1分「113526」など、微差の丸め込み誤差を生じる。

 また、下記の「書頭」の清の康熙帝『数理精蘊』(1723)の黄金「1寸立方=168匁」に基づくと(表2)、1寸立方が「(3.19)3=32.4617 5 、∴ 32.4618㎤」、「黄金密度(比重)=19.2581g/㎤」とすると、1銭(匁)は「625.1518/168=3.72g」である。

 しかし、3.73gが当時の質量であるので、近似はするが精確ではない。

 そこで「程色」に続き、「書頭」として17)、

享保14(1719)年、該部令局官、鋳黄金今尺方寸、得重時秤十三両、然則純金方寸一百三十銭也、
清之数理精蘊ニ一寸六面赤金十六両八銭、紋銀九両

と記されているので、この記述に従うと、江戸幕府が定めたものが「1寸立方=130匁」、「中国清1寸立方=168匁」、日清ともに「1匁=3.73g」とし、清の営造尺を「1尺=31.9㎝」、江戸幕府の木匠尺(天平尺)を「1尺=29.3㎝」とすると、各1寸立方の密度(比重)は、19.30、完数になる。

 純銀についても、1寸立方の密度(比重)は10.4743、「ブリソンの密度(比重)表」との整合性を持つ。もっとも、清の江営造尺「1尺=31.9㎝」は完数「1尺=32㎝」とされるので、それらに合わせ天平尺を「1尺=29.4㎝」とすると、1寸立方の純金の比重は下記のようになり、両者を合わせて記す。

  江戸幕府純金 3.73×130=484.90 g 1寸(木匠尺)=2.93 ㎝、or 1寸=2.94 ㎝とすると、
比重 484.90/2.93 3=19.30 g/?、or 484.9/(2.94) 3=19.12 g/㎤
  中国清純金  3.73×168=626.64 g 1寸(営造尺)=3.19 ㎝ or 1寸=3.20 cmとすると
比重 626.64/(3.19)3=19.30g/?、or 626.64/(3.20)3=19.12g/?
中国清純銀  3.73×90=335.70g 1寸(営造尺)=3.19 ㎝ or 1寸=3.20 cmとすると
   比重 335.70/(3.19)3=10.34 g/㎤、or 626.64/(3.20)3=10.24 g/㎤

 なお、上記、「1銭(匁)=3.73g」としたのは、中国の度量衡における標準的質量は、隋、唐以降清朝期まで、呉承洛『中国度量衡史』(1937 rep.1998)によると安定的であったことによる。また呉承洛は清の造営尺を「1尺=32㎝」とする。

 これらの尺度と権(質量)は、享保14(1719)年と同時期頃に、清の康熙帝により『数理精蘊』の密度(比重)表を基に、度量衡制度が整えられたことによる。もっとも、乾隆帝1(1735)年に発見された新王莽嘉量を参考にし、乾隆帝29(1764)年、乾隆帝大清会典の成書に度量衡の綱目が定められ、確立した18)。

 なお、『数理精蘊』は、康熙帝晩年ブーヴェ(白晋、Joachim Bouved, 1656-1730)等のフランス人宣教師により指導を受け、梅〇成(1681-1763)主〇、陳厚耀、何国宗、明安?等により編纂された。康熙帝死の直前1722年に印刷され、雍正帝(1722~1735)1(1723)年に出版された19)。

2の2 『貨幣通考』「金銀程位考」

 「程色」、書頭に続く「金銀程位考」では、最初に和蘭金属異重表が、記載されている。和蘭金属異重表は、2書からの引用である。1冊は、広瀬元恭『理学提要』安政3年刊行、同書は、嘉永5(1852)年頃には著作が完成していたと言われる20)。『理学提要』では水11分の記載はなく、「水1銭とすれば、白金20銭0分9厘8毛となる。後、之に倣ふ。」としており、前掲、『数理精蘊』の影響をうけているものと考えられる。他の1冊は、上掲、ラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」である。

(1)『理学提要』の影響

 水11分厘毛糸 黄金194 銀10474 銅08723

 『理学提要』原典は、イスホリング著、イーペン訳『理学入門』、J.N.Isfording“Naturkundig Handboek”,tr.by G.J.van Epen、(1828)、信夫古作『理学入門』、安政4年もある。信夫古作のものは、和製原典写しで蘭語である(早稲田大学web公開)。

(2)ラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」の影響

 水11分厘毛糸 黄金192581 銀104743 銅077880 鍛金 193617

(宇田川榕菴『舎密開宗』、ラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」)宇田川榕菴『舎密開宗』には、ラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」、オランダ語版A.L.Lavoisier“Grondbeginselen der Scheikunde”,2 vols., tr.by N. C. De Fremery、P.van Werkhoven、(1800)、(ラホイシール(ラボアジュ)『舎密原本』)についての比重と、イーペイ『依氏広義』A.Ypey“Sijstematische Handboek der Beschouwende en Werkdaadige Scheikunde”, 9 vols., (1804-1812)からの引用がある。そこで、『依氏広義』で掲げられている金銀銅錫の密度(比重)を記すると次のようになる。

 金 19.285 銀 10.474 銅 7.788 錫 7.291

 羽田引用のラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」は、金19281、イーペイの『依氏広義』では金19.285であり、相違する。

 (1)(2)いずれも、水は蒸留水、「ファーレンハイトの検温器64度(17.7  7循環℃)の温水を一と定ム、右(上)水ハ蒸留水」としている。

 蒸留水の雑分のない密度は、17.8℃≒18℃の常温で0.99860g/㎤である。

 水11分厘毛糸はありえないので、羽田の記載は『数理精蘊』の水の密度1.07≒1.1の影響と考えられるが不明。さらに羽田は以上の考察の下、蒸留水との比較をしている。しかし、以下の文章から、下記蒸留水より密度(比重)の重い井水「8.76/7.42=1.18」を用いるとしている21)が塩水より重く錯誤であろう。

1合重56匁8分とある処の井水を用ゆ、寸立方は8匁7分6厘、然らば浮物が大なるべし、而して蒸留水は3寸3分立法重266匁8分余ある時は、寸立方重サ7匁4分2厘余に當る

 上記の文では蒸留水が、10 3=3.3寸立方、従って1寸=3.03 03循環㎝、折衷尺で計測していることを示している。蒸留水3.3寸立方=(10 cm)3である。
  1000?(1l)=266.8匁換算、∴ 1000/266.8=3.748 小数点第4位以下を四捨五入
 なお、ここでは、1寸立方=(3.03 cm) 3、寸立方重サ7匁4分2厘余としているから、 
(3.03)3=27.81 8、27.82/7.42=3.749 3、∴ 1匁=3.749g

であるが、7.42匁余であり、7.422~7.423匁であれば、1匁=3.748gに近い。羽田を検討したと思われる政養の集議院への度量衡建議は、旧1匁=3.748gを採用している22)。

 幕末、上記中国唐以来の度量衡、とりわけ尺度、及び質量(1匁=3.73g)の影響が薄れたことを意味する。尺度は、折衷尺の
1/3.3=0.3030 3、∴ 1尺=30.30㎝
である。

 羽田の示したこの水の比重は蒸留水よりかなり質量のある「8.76/7.42=1.18」という不可解な条件の下、実際の小判など法定量の金貨の比重を求めているとしているが、羽田が例に挙げているのは、下記の通りであり23)、水の密度(比重)は1、「重(質量)/水減(体積)=水位(比重)」で計算している。

 しかし、甲賀表の法定品位や実測平均品位に基づく金の含有量より多い。また、合金による親和力については微差につき考慮されていない。羽田が示す計算上の金の密度(比重)は19.4、銀の密度(比重)は、10.474、銅の密度(比重)は8.723、これらの数値は『理学提要』からのものである。

 下記、羽田の水位(密度(比重))の保字小判の計算は、水減100分(100分率)に基づき、「2/30×100=6.667」、「100/6.667=14.99 9 ∴ 水位(密度(比重))15」であり、重/水減、「30/2=15」でも同じ。前者の方が、水減(水中減量)の100分率から、後述する政養の「鎔和金属水権表」を活用し、金銀合金の組成を出して大凡の合金の品位を確認できるので利便である。安政二分金も同様の計算方法である。上段が羽田であり、なお、甲賀の法定品位は、明治1年の太政官布告『貨幣取調書』すなわち三岡の『金譜』に準じている。

  保字小判(天保小判)
(羽田)重3匁  水減 2分  水位(比重、筆者)15、  金656  銀344 
  (甲賀)             甲賀表の法定品位  金567.7 銀432.3
                 甲賀表の平均品位  金567.7 銀428.6
     甲賀表の法定品位に基づく 水中減量2.1161分 水位14.18
  安政ニ分金
(羽田)重1.5匁  水減 1.2分 水位    12.5  金353  銀647
  (甲賀)             甲賀表の法定品位  金195.6 銀804.4
                   甲賀表の平均品位  金203.6 銀794.5
    甲賀表の法定品位に基づく 水中減量1.110分  水位11.51
 一分銀(新一分)
(羽田)重2.32匁  水減 2.1分  水位 11.04
 嘉永一朱銀
(羽田)重0.496匁 水減 0.046分 水位 10.78

 なお、一分銀(新一分)すなわち安政新一分銀の水位(比重)の計算方法は、

1.1/2.1=11.04 少数点3位以下切捨

であるが、甲賀表の平均品位は、金0.7 銀893.0 銅100、その他雑分銅とみなすと、

減水量 (0.7/19.4+893.0/10.474+(1000-(0.7+893.0))/8.723))/10=9.74 8 ∴ 9.75

水位(密度(比重))100/9.75=10.25 6 ∴ 水位(密度(比重))10.26

となる。

 親和力については考慮に入れていないが、羽田の11.04とは差がある。

 嘉永一朱銀は、法定重0.5匁であるが、甲賀表では実測平均で品位は、金1.7、銀987.8、雑分(銅)10.5、である。安政新一分銀同様に親和力については考慮しない。同様、羽田の10.78とは差がある。

減水量 (1.7/19.4+987.8/10.474+10.5/8.723)/10=9.32 0 ∴ 9.32
水位(密度(比重)) 100/9.32=10.72 9  ∴ 10.73

 以上から、羽田の金銀貨幣の分析は実際の測定等に元づく甲賀表とはやや差があり、その原因は、水の比重が不正確であることや表面張力に影響されたとも推測されるが、大判が10両とされるなど、田谷博吉による「粗雑である」という批判の対象になった24)。

 これらの誤った数値に基づいて羽田が作成した貨幣表「貨幣通覧表」には、安政3年中の草稿と言われる「古金銀幣一覧表」と、万延1年に重訂された「金幣通覧表31種」「銀幣通覧表19種」とがある。

 両者が、上記のように『吹塵録』に収録されており、これら2種の分析表「貨幣通覧表」の誤りを金座品位で、甲賀表(湿式による精密分析)との差位を示したものが、(表3)である。羽田は旧幕府官僚最高位、最終的に勘定奉行並になったとはいえ、誤りが多いことから貨幣政策に直接関わっていなかったのではないかという、疑念が生じている25)。その点、太政官布告や三岡『金譜』の方が、信頼度が高い。

 さらに、羽田の金位の分析、計算方法に不明な点がある。「程色考」では10程法に基いた金座品位を記した際、金座品位44匁位を純金とし、銀を加算する法「金位概表」でそれを表記しているが、「位」についての計算は不明である。

 「金位概表」は下記の通りであり((表1)も、参照)26)、純金の密度(比重)は「194/10=19.4」である。なお、銀座の銀の品位については、(表5)参照。

 「金位概表」(本位金、小数点第2位以下切り捨て)

│漢土分合 │10 │9 │8 │7 │6 │5 │4 │3 │2 │1 │
│水位(比重) │194 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │
│本金(単位匁) │44.0│48.8│55.0 │62.8│73.3 │88.0│100.0 │146.6 │220.0 │440.0│
│位(不明) │113 │102 │90 │79 │68 │61 │ │ │

 上表から漢土分合(10程)と本金との関係は、44/1 44/0.9 44/0.8…44/0.1の等比数列であり、「差し銀法」と田谷は名付けている。

 しかし、下段の「位」は、上段の「漢土分合」や「本金」との等比性はみられず、不可解である。

3、佐藤政養と『水権器用法略鎔和金属水権表』

 政養は、民部・大蔵省の改正掛として、集議院での明治初年の貨幣政策にも深く関与し、『水権器用法略鎔和金属水権表』を著し政策提言を行った。政養のこの冊子は、羽田とは異なり、宇田川榕菴の『舎密開宗』や、明治1(1968)年の太政官布告、そして三岡の『金譜』を基に制作されているため信頼性は高い。

 幕府貨幣の含有金銀の組成、品位についての分析は、従前秘密とされ、本格的な分析が行われたのは、明治1年の貨幣混乱を統一貨幣で収めようとした三岡、久世等の試みが端緒である。

 同時に、戊辰戦争による戦費調達や各藩の財政窮乏化による私鋳や偽造鋳貨対策の一環でもあった。幕府通貨の分析調査は、会計基金調達並金銀座改正担当の三岡、小原仁兵衛の下、久世、村田理右衛門が貨幣取調方として京都金座中に分析所を設け、行った。

 その結果、内外貨幣分析表として太政官府に進呈され、版木にされて、太政官布告『貨幣取調書』として明治1年4月14日に発布された。同表は古金銀の価位、すなわち公定買取価格を定め旧幕府通貨を買い上げ、維新政府の改鋳を目論むものであった27)。一方、丁銀などの秤量貨幣は、銀目停止により流通は困難になった。

 これと同時に、三岡は江戸の金座の接収も行いない、4月には貨幣司を設け、旧金座の長岡右京を知事(知司カ)に、5月には大阪に支署を置くなどして、東西で二分金、一分銀、一朱銀、百文銭を鋳造した。

 一方上述した各藩による私鋳も積極的に行われ、高度なインフレを発生させた。貨幣司の鋳造品や、各藩の私鋳銭は劣悪で、旧幕府時代の基本通貨、一分銀(金を含むため)の海外流出に拍車をかけインフレを加速させることになった。

 明治2年5月の戊辰戦争終結とともにこの混乱を是正するため、各藩の私鋳銭などの偽造貨幣対策が課題となり、明治2年9月2日、贋金処分についての諮問が集議院で行なわれ、その結果、太政官紙幣と贋造貨幣の交換が、決定された28)。

 当初12月とした太政官紙幣との交換は再々延期され、翌明治3年12月まで続いた。この交換のための通貨(以下、「水権器用法略」と「鎔和金属水権表」とに分けで考察する)鑑定、分析方法として、導入されたのが水権器(ニコルソンの浮秤)であり、政養がその使用法を解説した『水権器用法略鎔和金属水権表』である。

 明治3年4月3日、民部省伺「近来通用の金銀等鑑定ニ付イテモ世人頗ル困疲」につきとして、水権器で通貨の取り調べがきるように布告したい旨の伺いが、太政官に提出された。

 『水権器用法略鎔和金属水権表』は、以下、本稿では「水権器用法略」と「鎔和金属水権表」とに分けて考察をすすめるが、早々6月18日には大蔵省から布告が出され、販売元は当時の公官物を発刊した東京芝本町の紀伊国屋源兵衛に決まり販売が決定された。実際の各府藩縣への水権器と冊子の配布は、12月に実施された29)。

 政養のこの冊子は、水権器(比重計)について丁寧に解説されており、例題もついているので分かりやすい。その内容は、(1)凡例、(2)「水権器用法略」①設問、a異類重(比重)凡例3問、b水権器凡例2問、c水権器用法算例 凡例6問、水権器付図、(3)異重表(比重表)、(4)鎔和金属水権表、a金銀和、b金銅和、c銀銅和、d金錫和、e銀錫和、で構成されている。

 そこで、以下、これらの当該冊子の内容順に従って考察をすすめ、密度(比重)についての幕末から明治初年の西欧科学知識の受容水準を明らかにする。

3の1 水権器と「水権器用法略」

(1)「水権器用法略」凡例30)

凡例を要約すると、
 一、この書は、貨幣の真偽を知るを主とし
 一、金属土石より水雲烟霧に至るまで各物に異類重あり、常用の物品を挙ぐる
 一、異類重は諸書異同ある、此の書では中等を採って鎔和表中の原数とし
 一、蒸留水は蒸留壜を用いざれば得難し、若此の機械無き時は雨水の清浄なる者、代用も可
と、記している。

 この「水権器用法略」は、貨幣の真偽を計ることに主眼が置かれ、異類重(密度(比重))は各種諸物の中位を採用したこと、蒸留水を使用して密度(比重)を測ること、と定義している。この定義を基に、具体的な密度(比重)の計算方法が、問答形式で示される。

(2)「水権器用法略」の設問31)、

a 異類重(比重)凡例3問 設問は基本的な異類重(比重)の基本についての凡3問から始まる。

 第1問は、異類重とは何を、いうや。第2問は、何を基として比較するや、第3問は、異類重を細密に??(?I?c)権るには何を以てするや、というものである。

 その答えは正確であり、第1問に対しては、物の重さには軽重があり、「各物ノ質ノ粗密ニ因ル」とし、第2問に対しては、華氏寒暖計「39度28分(4℃)の蒸留水を1位と定め他物を比較す」そして、金の密度(比重)を「水より金の重き事19倍33(比重19.33、筆者)」と例示し、他の物については②異重表(比重表)を参照としている。

 第3問は、「水権法を最簡便とす。先ず始めに天秤に権け幾十銭を知り、その後水中で権ればその容性(体積)同等の水の重さを減ず。割注で、浮力の説明を、「水は物を浮かす力ある」としている。

 この「減量を以て始め天秤に権けたる重を徐(割)ればその物の異類重(比重)を得たり」とする。すなわち、4℃の蒸留水で容性(体積すなわち減水量(水中減量))を権(はか)れば、異類重(比重)は「質量/容性(体積すなわち減水量(水中減量))」で計算できると、比重の計算法を示している。

b 水権器凡例2問 密度(比重)を権るための機器の説明となる。第1問は、「異類重を水中にて権る機器は何なるものぞ」、第2問は「水権器の用法は奈何」であり、その第1問の答えは、「尼氏発明の器機」であるが、表面張力により水際の験点が見にくいので、筒を造り管に鍼をさし、この鍼尖を水権器の横線を指すように改良したとしている。

 「尼氏発明の器機」とは、上記ニコルソン(William Nicholson、1753~1815)の比重計(ニコルソンの浮き秤)のことであり、大阪教育大学等に現存する(www.osaka-kyoiku.ac.jp)32)。

第2問は、比重計(浮き秤)の使用法であり、手順は下記の通りである33)。
 手順1、蒸留水の筒に入れた水権器の上に金貨を載せ横線と、横の針先を合わせる(質量が、軽ければ分銅を加えると良い)。金貨を取り除き、分銅を横線及び指針に合うまで載せる。この分銅量が空気中の金貨の質量。
 手順 2、水権器を蒸留水の筒から引き上げ、下皿に金貨を再度沈めて手を放す。浮力で軽くなる。
 手順3、そこで、さらに、手順1で合わせた指針と水権器の横線(空気中の質量の線)に合うまで、分銅をのせる。加えたこの分銅量が、水減重(水中減量、体積)となる。
 手順4、水中減量を水権表で見て、金銀和あるいわ金銅和、その他の金属の和の分量を知る。

c 水権器用法算例 凡例6問 第1問は、「水権表はいかなるものぞ」とし、以下5問は、空気中の質量と減水量から、鎔和金属(2種の合金)それぞれの配合を、水権表第一表から第五表で調べるものである。

 第1問の答えは、「水権表は、金銀銅錫二分鎔和100分の水中減量を大略」示したものであるとする。

 第2問以下は具体的設問で、10銭の質量の鎔和金属、水中にて権れば、8分5厘2毛3糸1927減ず。この時の金属それぞれの配分幾分かというものである。10銭を100分として水中減量は8.5231927分、水権表、表一(金銀鎔和)から、金23、銀77と解がでる。

 第3問は、第2問と同種で準じており、金と錫のケース。

 第4問は水中減量0.881090144匁、重11.2銭(匁)の時、100分につき水中減量は「0.881090144/11.2×100=7.8706162」であるので、7.8706162分を水権表第1表で探すと、金38分、銀62分、そして含有量は金「0.38×11.2=4.256、∴ 4.256匁、銀「0.62×11.2=6.944、∴ 6.944匁」となる。

 第5問は、第4問と類似の銀と銅とのケースである。

 第6問は、第4、5と類似であるが、求めた水中減量を水権表前後で探し出し、前後をプラスして2で割り平均化して出す方法。その第6問は、鎔和金属重25銭(匁)、水中減量3.1192288銭(匁)の時の鎔和金属の配合を求める。以下の通りである。

 2.1192288/25=0.124769152、100倍すると、12.4769152

故に、第四表金錫鎔和から、金14分 錫86分、水中減量12.5196264分、また、水中減量12.434204分を見ると、金15分 錫85分、これらの水中減量の2数を加え2で割り平均すると

(12. 5196264+12.434204)/2=12.4769152、∴ 金14.5分、錫85.5分、

すなわち、含有量は、金「0.145×25=3.625、∴ 3.625匁」、錫「0.855×25=21.375、∴ 21.375匁」である。

 これらの設問は、第1問を除き和算(珠算)特有の比例計算である。

3の2 異類重表(密度(比重)表)と鎔和金属水権表

 政養の異類重表(密度(比重)表)は、ラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」を忠実に翻訳している34)が、羽田の「程色考」のように広瀬元恭『理学提要』のものなどとの対比を考慮していない。

 本節では、幕末に影響を与えた、広瀬元恭や宇田川榕菴の異類重表(密度(比重)表)を貨幣とかかわる金銀銅錫について比較し、さらに引用原典を挙げて考察し、その上で、政養が用いた鎔和金属水権表、金の品位と密度(比重)分析の問題について考察をすすめる。

 特に、広瀬元恭は海防諭に通じており、砲台や台場建設に詳しく、勝海舟を通じて政養が指揮した摂津砲台の建設にもかわっている。

 『理学提要』では、1尺について、念仏尺に基づき「1m=3.295尺」と定義し、(10㎝)3=1000?、 ∴ 1000 cc/g=1kg、1寸立方=7.5銭(匁)としている35)。故に、

100/3.295=3.0349 0㎝ ∴ 1寸=3.0349㎝、1寸立方=27.9533 0㎤ ∴ 1寸立方=27.9533㎤

従って、
3.9533/7.5=3.7271 0、∴ 1銭(匁)=3.73g 小数点第3位以下四捨五入、
であり、若干の丸め込み差を含む。

「1銭=3.73g」は、清の『数理精蘊』の影響であり、幕末の折衷尺「1m=3.3尺」に基づく「1寸立方=7.42銭」の系統の、羽田「1銭(匁)=3.749g」や、政養の「1銭(匁)=3.748g」とは異なる。

 念仏尺は折衷尺より2厘長い「1尺=3.036 cm

 小数点以下第3位四捨五入」とするのが一般的である。

3の2の1 政養と2種の異類重表(密度(比重)表)と原典

 羽田の「程色考」では、上記したように2種類の異類重表が、(1)広瀬元恭『理学提要』(嘉永5(1852)年)36)、(2)ラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」と宇田川榕菴『舎密開宗』(1837(天保8)年~1846(弘化3)年)37)挙げられている。

 政養の異類重表(密度(比重)表)は、後者(2)を用いているが38)、丁寧であり下記の通りになる。貨幣にかかわる金銀銅錫の密度(比重)のみを掲載する。金の「鋳タル者」は2種。

 金鋳タル者19.2581 19.3250 鍛タル者19.36817、
 銀鋳タル者10.4743 鍛タル者10.5107、
 銅鋳タル者 7.7880 線條ニシタル者8.8785、黄銅鋳タル者 8.3958 線條ニシタル者8.5441、
 錫英国産鋳タル者7.2910 鍛タル者7.3060、

 後述するように「鎔和金属水権表」で用いられる政養の比重は、金19.33、銀10.5と、上記とは異なる。

 江戸幕府の金貨は鍛造品であり39)、鋳造品とは言い難いので、金19.33、銀10.5の適合性は高い。

 なお、政養の引用したラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」は、オランダ語版A.L.Lavoisier“Grondbeginselen der Scheikunde”,2 vols., tr.by N. C. De Fremery、P.van Werkhoven、(1800)、(宇田川榕菴、『舎密原本』で引用)であると思われるが、しかし、フランス語版が1789年に出版されると、翌1790年には、英語訳版、“Elements of Chemistry”,tr.by R.Kerr, Edinburgh,(1790)が出版されている。

 政養は長崎伝習所の時代安政2年頃からか、先に長崎に遊学していた庄内の本間郡兵衛と親しく、本間郡兵衛は後にフルベッキ(G.H.F.Verbeck)の日本語教師となることから英語に関心が深く英語版からの可能性もある。フルベッキは、建設技術、蒸気機関の製造など、鉄工技術に対する造詣が深かった40)。

 他の「異類重(密度(比重))表」、青地林宗『気海観瀾』(文政8(1825)年)が、政養の「鎔和金属水権表」に関わるので次に記す。

3の2の2 鎔和金属水権表

 「鎔和水権表」は、三岡や久世の太政官布告による貨幣一覧表、『金譜』を基に、明治初年の各藩の私鋳銭や贋造貨幣対策から生じたものであり、貨幣の真贋を見分けるために必要工夫されたものであった。

 従って、政養の「異類重(密度(比重))表)は、丁寧にラボアジュの「ブリソンの密度(比重)表」を翻訳しているが、政養も凡例で述べているように銀と銅の鎔和(溶解)にみられる親和力は考慮に入れていない。

 鎔和金属とは合金のことであり、「鎔和水権表」は、貨幣の金位や銀位を密度(比重)法で、空気中と蒸留水中での質量の差すなわち水中減量(体積)と、空気中での質量との比で、合金の品位、組成を調べるアルキメデス原理による検査法である。このアルキメデス原理についての紹介は、すでに、青地林宗『気海観瀾』に見られる。

(1)青地林宗『気海観瀾』(文政8(1825)年)の水減表

 青地林宗の記載した水減(水中減量)について、金銀についてはないので、鉛、銅と黄銅、錫の密度(比重)に触れておく。空気中「1銭=60分」とし、下記に示したように1銭の水中質量から水中減量を出し、比例重数(密度(比重))を計算している。ただし小数点以下切り捨てと思われるが転写ミスがあるのではないかと思われる((表4)参照)41)。

鉛  稱水重量(水中質量)54 1/4 水中減数5 3/4  比例重数11 (60/5.45=11.00 9 筆者(60進法注意))

銅  稱水重量(水中質量)53  水中減数7    比例重数8 (60/7=8.57 1 筆者7 1/2カ)

黄銅 稱水重量(水中質量)53  水中減数7    比例重数8 (60/7=8.57 1 筆者7 1/2カ)

錫  稱水重量(水中質量)53  水中減数7    比例重数8 (60/7=8.57 1 筆者7 1/2カ)

 『気海観瀾』には、上記、水減(水中減量)、鉛銅黄銅錫の密度(比重)計算の次に、「諸金と水気之比例」(密度(比重)表)を掲載している。水1000とし、下記の通りである。原典はボイス(J.Buij)とされる。

 金19636 水銀14019 鉛11345 銀10535 銅8843 鉄7852 錫7321

 上記、水中減水量による青地林宗の比例重数(密度(比重))表は概数、「諸金と水気之比例」(比重表)も、青地林宗の後継者とされる川上幸民『気海観瀾広義』(嘉永4(1851)年~安政3(1856)年)の「異類重(密度(比重))表」とは異なっており42)、川上幸民は広瀬元恭『理学提要』に準じている。

 青地林宗『気海観瀾』の原典は、J.Buij“Volks-Natuurkunde”、(1811 rep.1831)、大庭雪斎訳『民間格致問答』(文久2(1862)年-元治1(1864)年))である。ただし、ボイス(J.Buij)の原典訳、大庭雪斎訳『民間格致問答』には、密度(比重)についての概略を述べるが「異類重(密度(比重))表」はない43)。

(2)政養の「鎔和金属水権表」

 政養の「鎔和金属水権表」44)は、上記青地林宗『気海観瀾』のように、60分率からではなく、100分率から減水を求め、ニコルソンの比重計により計測を精確にする工夫が行われている。

 さらに、政養は、貨幣分析用に2種の鎔和(合金)の水中減量から、組成とその品位を明らかにできるように一覧表を作成した。その際、合金の親和性については無視する。特に、当時の貨幣問題は、小判や二分金問題とその処理であり、それらは金と銀の合金であり、銅などの不純物含有量は1000分の2~5程度とされ、雑分は無視された45)。

 これは旧幕府金貨が、金銀のエレクトロン貨幣との認識が強かったことによる。また、一朱銀など銀と銅との合金でも親和力に伴う比重の増加がみられたはずであるが、貨幣の真贋検査という事もあり、政養の「鎔和金属水権表」ではこれらを問題視することはなかった。

 政養の「鎔和金属水権表」は、5表から構成される。第一表は金銀鎔和、第二表は金銅鎔和、第三表は銀銅鎔和、第四表は金錫鎔和、第五表は銀錫鎔和である。凡例にみられるように金銀銅錫の各個体の異類重(比重)は、各文献の中間値としている。

 しかし、基本となる金については上述の密度(比重)19.33を使用する。貨幣問題を扱う時に、鋳造金と鍛造金の密度(比重)の中間値19.30が使用されるが、政養のこの19.33は鍛造金の値19.36817に近い。旧幕府貨幣は鍛造金であり、政養の比重値、19.33は鍛造金に準じ、また銀についても同様、鍛造10.5107から10.5にしている46)。第一表から第五表までの計算方法は、第一表に準ずる。

 第一表、異類重比較 水1分 金19.33分 水1分 銀10.5分
     水中減量  金100分ニ付5.1733分    銀100分ニ付9.52381分
     水中減量差 金銀和100分ニ付4.35051分 金銀和10分ニ付0.435051分
        金銀和1分ニ付0.0435051分
     (注意:分以下、厘毛糸忽は省略、小数点を用いた。以下同様)
 (表の構成)水中減量 9分5り2381(9.52381分)   金0  銀100分
       水中減量 9分4り803049(9.4803049分) 金1  銀99分
       ………略………
       水中減量 5分2り168051(5.216805分) 金99  銀1分
       水中減量 5分1り733(5.1733分)    金100 銀0分

 表の構成の計算方法は、水中減量a、金量b分、銀量c分とすると「a=b/19.33+c/9.52381」であり、金0、銀100であれば、「9.52381=0/19.33+100/9.5238」である。

 金銀鎔和の各比重は、100/aで計算できる。各表の計算方法は、同じであり、親和力とその他の雑分は微少として無視される。

 第二表金銅鎔和、第三表銀銅鎔和、第四表金錫鎔和、第五表銀錫鎔和、それぞれ第一表の100分率表に準じる。ただし、銅の比重は、前出政養の「異類重表」の7.8785とは若干異なり、第二表、第三表では7.8878である。一方、錫は同「異類重表」の「英国産鋳タル者7.2910」を用いている47)。

4、終わりに

 本稿では、貨幣の真贋についての分析法について、アルキメデスの密度(比重)法が幕末どのように利用され、政養がどのようにニコルソンの浮き秤(水権器)(1787)を使用して貨幣の組成および品位について分析を行ったか、以上論考してきた。

 日本でのアルキメデス原理の受容は、四庫全書の文化・文政期(19世紀初期)の輸入とその広まりの影響が大きく、四庫全書の中には、『数理精蘊』とともに、密度(比重)問題を最初に扱ったJohnnes Schreck、王微『遠西奇器図説録最』(1628(明、天啓7)年)が収録されている48)。

 『遠西奇器図説録最』では、天秤による比重の計測であり、アルキメデス原理の紹介があるが、その寓話は、『ウィトルーウィルス建築書』“Vitruii de Architectura”、(1世紀中ごろ成立)、第9書からである。

 この書の近代語(ラテン語)訳の版書がヨーロッパで出版されるのは、ルネッサンス期、16世紀であり、英語訳は、William Newtonの訳が1771~1791年、Joseph Gwilt訳が1826年とその普及は遅れた49)。アルキメデス原理の寓話については、アルキメデスの「浮体について」を基に、ウィトルーウィウスが創作したものとされ、19世紀初頭には一般化する50)。

 ラボアジュの書の中で、実験用具として比重計の図版が記載されているは『物理と化学』“Opuscules Physiques et Chymiques”、(1774)、 第6図、銀製の比重計であるが、解説では「ファーレンハイトによっての述べられた原理に基づいて作られ」たとしており51)、ニコルソンの浮き秤(水権器)の形態に似ているが、製造年代がニコルソンの浮き秤の発明が1784年であるので、時期が少しずれている。

 上述、文政期の青地林宗『気海観瀾』の水中減量表では、比重計(天秤法)によるとされるが実際に使用したかどうかは不明である。密度(比重)を、天秤法など計器を使用して日本で貨幣分析を行ったのは、羽田が端緒である。

 この時の羽田の使用には水の比重や表面張力の問題があった。特に、表面張力問題によるのか、また実測することなく伝聞によるのかは不明だが、小判、判金、大判等の金貨の分析には誤りが多い((表3)参照)。

 この(表3)から分かるよう、一般に羽田の金の品位は不精確であり、金座関係者が加わっている久世・三岡の『金譜』の方が、甲賀表(ガラウント・デイロン)に近似する。差が若干あるが、この差は、エレクトロン(金銀の合金)とはいえ、小判や判金に雑分、主に銅が1000分の2~3、多い場合は5程度含まれていることによる。

 最近の上田道男、田口勇等の非破壊分析(平成5年公表)でも、この雑分は無視する程度として処理されている52)。なお、久世・三岡『金譜』を基準に、政養に従い減水量「金割合/19.33+銀割合/10.5」で計算すると、政養工夫の水権器による金貨の真贋が推測できる。政養が水権器及び水権表を作成するにあたって、明治初年の問題の贋造貨は、特に二分金、二朱金、一分銀、であり、そこで明治初年(1年~2年)流通の貨幣司を中心とする金銀貨の品位を甲賀表により示しておく((表3)も参照)。

 新二分判(万延)      平均  金228.2 銀768  金座品位192.18匁
 新二朱金(万延)      平均  金229.2 銀767.1 金座品位191.97匁
安政一分銀(新一分銀)   平均  金0.6  銀894.7 (洋銀と同じ、銀893カ)
             (平均  金0.7  銀893.0 (本稿、上記ではこの値を採用))
 安政一朱銀(新一朱銀)   平均  金1.7  銀987.8
 貨幣司二分判   デイロン(明治7)金223.4 銀774.0 金座品位196.39匁
 貨幣司二分判(大阪吹き)不明
 貨幣司一分銀(亜鉛差一分銀)平均  金0.9  銀807.7
 吹継一朱銀         平均  金1.1  銀879.0

 上記、甲賀表から分かるように、明治初年に流通した一分銀、一朱銀等の銀貨、古一分銀(桜一分などの別称もある)は金を含むために急速に海外へ流出した。

 新政府や幕府の一分銀は、銀貨1kgに1~2gの金を含有し、外国商人とりわけ中国商人に有利に作用した。一方、贋造貨幣、私鋳銭(藩鋳銭)が大量に造られ、また、特に二分金の贋造は外交問題にも発展し、横浜など開港交易所で、外国商人には贋造金貨と真貨の交換が行われた。二分金の交換量は、上掲、澤田章草稿『造幣寮の経営』では、明治2年から3年にかけて、250,761両2分に及んだ53)。

 この点は、旧幕府貨幣の太政官紙幣の交換(明治2年9月~3年末まで)の際にも真贋問題を生じた。

 澤田章の同書によれば、明治初年の贋造量は、「広島藩、明治1年3年より9月まで、196,394両2分(種別不明)」「久留米藩 元年1年9月より2年6月まで、一分銀凡3万両、鹿児島藩大量で不明、秋田藩・会津藩は、明治3年までに及び甚だし」としている54)。

 明治初年の貨幣真贋を判別する政養の水権器はそのためであり、明治3年12月26日の大蔵省上申書に「試験の上、『水権器用法略 鎔和金属水権表』350冊、水権器350個を製造したので、器冊書一通りを管内に配布し広めるように」とする各府藩縣通達案が出されている。

 ただ、その後、大蔵省では、明治7年に「各県に水権器及び政養の冊子を公布したかどうかは不明、日誌にもない」と太政官に回答している55)。水権器は、明治4年6月27日の「新貨條例」による旧幕府通貨の円貨切替により、無用になっていったと思われるが、大学や師範学校での実験用などに流用されたことはその伝世品から推測される。

 もっとも、水権器による貨幣検査で問題となるのは、合金に伴う親和力の問題である。「新貨條例」では、金貨は、金900、銅100(西欧は、金11、銅1(22カラット))、銀貨は銀900、銅100の配合、品位となった。

 親和力については、すでに、西欧型金貨(フラン)について、『舎密開宗』で、詳細に宇田川榕菴が考察しており、親和力に伴う密度(比重)について下記のような説明をしている。口語訳は林義重による56)。

パリの金貨は金11分に銅1分を混入したもので、金と銅の比から計算すれば、比重は17.153になるはずであるが実際には17.468である。従って、金と銅とは混和する前に比べて51分の1だけ密度が増加することになる。

 また、同時代の英国ポンド金貨について、ドルトン『化学の新体系』、J.Dalton“A New System of Chemical Philosophy”、(1808)も、金11と銅1としており、親和力の例として挙げている57)。

 さらに、銀貨について、武谷琢美『日本化学の黎明』(1944年)は、通常貨幣で用いられる銀800、銅200による親和力は、融点の低下を促し、結晶が均一になるのでこの前後の合金の品質が一定化、比重は増加する。

 上記、貨幣司一分銀や幕府銀座での銀位の標準(表5)は、純銀800、銅200であり、慶長丁銀が典型である。純銀の融点は、960℃、銅が15%含まれると融点は約870℃、銅が28.8%のところで、779.4℃に下がる58)。

 これらのことから、水中減量から合金の親和力について精確に導き出すことは困難であるが、政養の水中減量表「鎔和金属水権表」では微差なことから考慮せず、貨幣の真贋を検査するという事から、微差で比重の重いものは真貨とされたと考えられる。

 最後に、政養の水権器(ニコルソンの浮き秤)で用いられる分銅の最小単位は厘分銅であり、後藤宗家、四郎兵衛家(分銅担当)末裔後藤末雄家には厘分銅が多く残され東京大学に寄贈されている59)。

 明治6年、西欧型分銅が公認されるまで、分銅は、厘が限界であることから、水中減量の有効性は厘までであり、政養の「鎔和金属水権表」でも厘以下は、「水中減量 9分5り2381、金0  銀100分」と、厘以下の数字は、計算上記載しているだけである60)。

<註記、引用文献>
1) 山田研治:佐藤政養と1870年のメートル法による度量衡法案、計量史研究、Vol.43 No.2(No.52)、(2021)、29頁-50頁。
2) 佐藤政養遺墨研究会:政養佐藤与之助資料集、佐藤政養先生顕彰会、(1975)、247頁-252頁。内閣記録局編:法規分類大全、第3巻、政体門3、原書房、(明治23年復刻原本、1978)、37頁-38頁。
3)「贋金天下に蔓延す」ということで、明治2年9月2日に集議院にその対策を諮問される。贋金を紙幣に交換することを対策とする。管見の限り現存する『集議院日誌』は、明治2年9月12日からであり、9月2日の贋金問題についての集議院決議の詳細は、澤田章草稿:造幣寮の経営、三井文庫カ、発行所は詳細不詳、(大正4年)、51丁-52丁。政養は「貨幣之議」を明治2年3月には建白している。鉱山開発を強調。佐藤政養遺墨研究会:前掲書、政養佐藤与之助資料集、89頁-93頁。政養が献策する水権器用法は、翌明治3年4月。
4) 明治2年9月19日御下問之写から始まる。集議院日誌、第3、上州屋惣七、(明治2年9月)、1丁。明治3年においても朝廷の海軍として拡充計画の財政問題を議論している。明治4年には勝海舟が海軍大輔就任、翌年に海軍卿になる。
5) 内閣記録局編:水権器用法略鎔和金属水権表、前掲書、法規分類大全、第3巻、13頁-36頁。なお同書については、国立公文書館蔵の冊子もあるが、法規分類大全を拙稿では使用する。
6) 澤田章草稿:前掲書、造幣寮の経営、12丁-13丁。なお、太政官布告:貨幣取調書、官版、慶応4年4月、は、大改(前文と貨幣表)、内国金貨幣表、内国銀貨幣表、外国金銀貨幣表、洋銀1枚ト銅銭量ノ比較表、我一分銀三枚ト當通用銅銭ノ比較表、我銅銭類百枚之量試数表、百文銭一枚ノ量ト小銅銭通用ノ比較表、から成る。全9丁である。三岡の『金譜』は、大改(前文と貨幣表)の部分と思われる。
7) 羽田正見:貨幣通考、付、古今金銀幣一覧表(安政3年(安政2年カ))、及び、金幣、銀幣通覧表(万延1年)、勝海舟:吹塵録、貨幣之部6、上巻、明治百年史叢書(原本勝海舟全集3巻)、原書房、(1968)、411頁-458頁。
8) 羽田正見:前掲書、貨幣通考、付、古今金銀幣一覧表(安政2年)、446頁。
9) 佐藤忠三郎:旧貨幣表、(1874(明治6))、三井高維編著:新稿両替年代記、関鍵、第1巻資料編、柏書房、(1971)、777頁-794頁。甲賀宜政:古金銀調査明細録、造幣局版、日本銀銀行貨幣博物館(Web公開)、及び遠藤佐々喜写し版がある。贋貨の問題は不明。翻刻・校訂西脇康、山田研治:甲賀宜政「古金銀調査明細録」、計量史研究、Vol.43 No.2(No.52)、(2021)、遠藤佐々木写しは、整理され、「徳川氏貨幣一覧表」、三井高維著編:新稿両替年代記関鍵、巻1、資料編、再版原書房、(1971)、759頁-801頁にまとめられている。また、それらを再整理、検討した西脇康:江戸幕府金銀貨の化学分析品位について-いわゆる「甲賀表」の再検討-」、計量史研究、Vol.27 No.1(No.30)、(2005)、1頁-13頁を参照されたい。甲賀表を西脇康は、明治7年のデイロン試験を含んでいるので、甲賀デイロン表としている。「甲賀表」の金銀貨の法定量から、江戸期の質量変化を研究した論文に、岩田重雄:近世における質量標準の変化、計量史研究、創刊号、Vol.1 No.1、(1979)、5頁-7頁。付(表2)「定位金銀貨幣の質量」がある。
10)羽田が密度(比重)を測るために使用した密度(比重)計は、安政期には、すでに政養が使用する水権器(ニコルソンの浮測)が伝わっていたと思われるが、天秤を用いた青地宗林等が使用した密度(比重)計の可能性もある。青地宗林:気海観瀾、第17図、日本科学古典全書、第6巻、朝日新聞社、(1942)、57頁。しかし、この図は『遠西奇器図説』第1巻、第48歓と同じ。鄧玉函(Johnnes Schreck)、王微:祖本遠西奇器図説録最、中華書局、(1628(明、天啓7)、復刻2016)、p.133.また、同様な図が、川本幸民:気海観瀾広義、第三扁図第13図、日本科学古典全書、第6巻、朝日新聞社、(1942)、178頁。資料図版、図1~4を参照。
11) 長崎海軍伝習所に、政養は実質1期生として、安政2年10月に勝海舟の従者として入所する。江戸へ戻るのは安政6年1月である。この年、安政6年10月フルベッキが来日。フルベッキの日本語教師が庄内の本間郡兵衛、本間とは長崎で政養とも親交があった。その関係からか、佐藤政養遺墨研究会:前掲書、政養佐藤与之助資料集、年譜、295頁に、安政2年「北米人フルベッキに就き西洋科学を学ぶ」としているが、錯誤である。しかし、政養の長崎在住5年間の中には、安政4(1857)年10月に長崎製鉄所の建設が起工、着手され、翌年には伝習船、観光丸の汽缶換装も行っている。楠本寿一:長崎製鉄所、中公新書、(1992)、36頁。
12) 広瀬元恭との交友関係は、あまり知られていないが、彼の著作には『砲術新書』や『築城新法』(安政5)等があり、慶応1年、勝海舟と八幡山崎に、津公(藤堂藩)の命で砲台を築いている。広瀬元恭:理学提要、「『理学提要』解説」、日本科学古典全書、第6巻、朝日新聞社、(1942)、339頁。また、福田理軒との交友は、維新後も続き、政養と同じ治河測量御用に属し、また、子供の福田治軒は、政養の下で英国式測量を習得、陸軍に勤務した。福田理軒は、『西算足知』(安政4)を著し、洋算をひろめた人物として著名である。丸山建夫:筆算を広めた男、臨川書店、(2015)、93頁。その為か、政養の『水権器用法略鎔和金属水権表』には、小数点を用いた現代表記を使用している箇所が多い。内閣記録局編:前掲書、異類重表(密度(比重)表)、水権器用法略鎔和金属水権表、20頁-21頁。
13) 安政3年幕府御代官羽田十座衛門正見著『貨幣通考』、添付「貨幣通覧表」(安政3年版、万延1年版)を書き残している。この書写しは、勝海舟が明治20年松方正義に依頼された『吹塵録』「貨幣の部六」に収録されている。本稿では、当該書を利用する。勝海舟:前掲書、吹塵録、上巻、明治百年史叢書、411頁-458頁。
14) アルキメデス原理を、天秤法による密度(比重)計測で表記した『遠西奇器図説』第1巻、第48歓とほぼ同じ記載。勝海舟:前掲書、吹塵録、上巻、446頁。鄧玉函(Johnnes Schreck)、王微:前掲書、祖本遠西奇器図説録最、p.133.
15) 「ブリソンの密度(比重)表」、宇田川榕菴、校注田中実:舎密開宗、講談社、(1975)、250頁-251頁。ラボアジェ、田中豊助、原田紀子訳:ブリソン氏の著作から引用した比重表、化学のはじめ、内田老鶴圃新社、(1973)、372頁-385頁。A.L.Lavoisier : Traite Elementaire de Chimie ” (1789)であるが、本稿は英語版に依った。A.L.Lavoisier、tr.by R.Kerr : Elements of Chemistry, Edinburch、(1890 rep.1965)、pp.491-504.ブリソン使用の密度(比重)計については、図版Ⅶ、図6、ラボアジェ、田中豊助、原田紀子訳:前掲書、化学のはじめ、395頁。A.L.Lavoisier、tr.by R.Kerr : idid.,Elements of Chemistry, Plate Ⅶ Fig.6.
16) 羽田正見:前掲書、貨幣通考、勝海舟:吹塵録、446頁。
17) 羽田正見:前掲書、貨幣通考、勝海舟:吹塵録、446頁。康熙帝:御製数理精蘊、欽定四庫全書薈要、劉野編集、吉林出版、(2005)、
18) 天平尺(唐尺)についは、古韓尺との比較を行っている、新井宏:古代結負制の復元と代制の起源、計量史研究、Vol.31 No.2(No.37)、(2009)、151頁、を参照。呉承洛:中国度量衡史、(1937 rep.1998)、尺度p.66、権p.74、p.256.
19) 銭宝琮、川原秀城訳:中国数学史、みすず書房、(1990)、276頁-277頁。
20) 広瀬元恭:理学提要、三枝博音編纂:日本科学古典全書第6巻、(1942)、127頁-128頁。
21) 羽田正見:前掲書、貨幣通考、勝海舟:吹塵録、447頁。
22) 山田研治:佐藤政養と1870年」のメートル法による度量衡法案、計量史研究、Vol.43 No.2(No.52)、(2021)、39頁。
23) 羽田正見:前掲書、貨幣通考、勝海舟:吹塵録、447頁。甲賀表、翻刻・校訂西脇康、山田研治:前掲書、甲賀宜政「古金銀調査明細録」、計量史研究、保字小判、93頁-94頁、安政二分判、102頁-103頁。新一分銀、嘉永一朱銀,
24) 田谷博吉:江戸時代貨幣表の再検討、社会経済史学、Vol.39 No3、(1973)、30頁-32頁。
25) 田谷博吉:前掲書、江戸時代貨幣表の再検討、26頁
26)(表1)も参照、ここでは、ブリソンの純金19.2581、ではなく『理学提要』の19.4を使用。注記36)参照。羽田正見:前掲書、貨幣通考、勝海舟:吹塵録、447頁。
27) 澤田章草稿:前掲書、造幣寮の経営、11丁。
28) 澤田章草稿:前掲書、造幣寮の経営、11丁。
29) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、36頁。
30) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、14頁。
31) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、15頁-18頁。
32) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、16頁。大阪教育大学蔵の他、旧天王寺商業蔵のものもある。水権器について、簡単な説明が、小泉袈裟勝:秤、法政大学出版局、(1982)、226頁-227頁、にある。1784年にニコルソンの浮秤が発明された。Sue Durrell edited : The Life of William Nicholson 1753-1815, p.112.
33) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、16頁-17頁。
34) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、20頁-21頁。注記15)も参照、ラボアジェ、田中豊助、原田紀子訳:前掲書、化学のはじめ、372頁-374頁。
35) 広瀬元恭:前掲書、理学提要、日本科学古典全書、第6巻、355頁-356頁。もっとも、『理学提要』のメートル法への換算は、福田理軒によると前書きにある。
36) 広瀬元恭:前掲書、理学提要、日本科学古典全書、第6巻、461頁-464頁。
37) 宇田川榕菴、校注田中実:前掲書、舎密開宗、250頁-251頁。
38) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、20頁-21頁。なお、注記34)参照。
39) 小判鋳造過程についての詳細は、西脇康、滝沢武雄編:日本史小百科貨幣、フォレスト、(1999)、103頁-108頁。
40) 政養と本間郡兵衛との関係、増田恒男:佐藤政養とその時代、山形県遊佐町、(2020)、281頁、及び本間郡兵衛とフルベッキとの関係の詳細は、井上篤夫:フルベッキ伝、(2022)、76頁-78頁。
41) 青地宗林:前掲書、気海観瀾、日本科学古典全書、第6巻、48頁-50頁。
42) 川本幸民:前掲書、気海観瀾広義、日本科学古典全書、第6巻、122頁-123頁。
43) 大庭景利、安田雄平訳:現代語訳、大庭雪斎訳『民間格致問答』、葦書房、(1992)、167頁。大庭雪斎訳:民間格致問答、第3巻、(1862(文久2)-1865(元治2))、49丁-50丁。(早稲田大学、Web)
44) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、21頁-35頁。
45) 甲賀表の金銀貨の分析によると雑分が含まれていることがわかる。
46) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、21頁。
47) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、30頁、33頁。
48) 鄧玉函(Johnnes Schreck)、王微:前掲書、祖本遠西奇器図説録最、69頁。
49) ウィトルーウィウス、森田慶一訳注:ウィトルーウィウス建築書、第9書、東海大学古典叢書、431頁-432頁、解説?。Vitruvius、tr.by M.H.Morgan : Ten Books on Architecture by Vitruvius,
(1914,rep.Amazon.co.jp.2014)、pp.258-259.
50)三田博雄訳:浮体について第1巻、アルキメデスの科学、ギリシャの科学、世界の名著、9,中央公論社、(1980)、480頁-482頁。T.L.Heath : The Works of Arkimedes,(1897,rep. Amazon.co.jp 2022),pp.253-262, アルキメデス原理の寓話説については、リヴィエル・ネッツ、ウィリアム・ノエル、吉田晋治監訳:解読!アルキメデス写本、光文社、(2008)、58頁-59頁。
51) Boyleの浮秤とは若干異なるとしている。ラボアジュ、田中豊助、原田紀子、牧野文子訳:物理と化学、内田老鶴圃、(1976)、図版1,117頁。
52) 上田道男:江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について、金融研究、第12巻第2号、(1993(平成5)年6月)、115頁。
53) 澤田章草稿:前掲書、造幣寮の経営、51丁。
54) 澤田章草稿:前掲書、造幣寮の経営、20丁-21丁。
55) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、36頁。
56) 宇田川榕菴、校注田中実:前掲書、舎密開宗、252頁-253頁
57) ドルトン、田中豊助、原田紀子、相悠紀江訳:化学の新体系、牧野文子訳:物理と化学、内田老鶴圃、(1986)、167頁。
58) 武谷琢美:日本化学の黎明、増進堂、(1944)、84頁-85頁。
59) 厘分銅(極小分銅)については、馬場章:後藤四郎兵衛家の分銅家業、計量史研究、Vol.19 No.1(No.20)、(1997)、28頁、(写真41頁)。 馬場章:金工後藤家による御家彫の実証研究、研究成果報告書(課題番号13610066)、(2003)、23頁。
60) 内閣記録局編:前掲書、法規分類大全、第3巻、122頁、141頁。

Ⅰ、.資料図版(密度(比重)計)

(図1)『遠西奇器図説』第1巻、第48歓、鄧玉函(Johnnes Schreck)、王微:祖本遠西奇器図説録最。

(図2)青地宗林:気海観瀾、第17図、及び川本幸民:気海観瀾広義、第三扁図第13図。

(図3)A.L.Lavoisier、tr.by R.Kerr : Elements of Chemistry, Edinburch、(1890 rep.1965),図版Ⅶ、図6.密度(比重)計。

(図4)内閣記録局編:水権器用法略鎔和金属水権表、(ニコルソンの浮秤、1784年の改良型)

Ⅱ、表
(表1)羽田正見:金の純度(品位10程)

│金の純分│金体積(?)│銀体積(?)│金質量(g)│銀質量(g)│総質量(g)│密度(比重)│
│(分) │ │ │ │ │ │ │
│10 │32.4618 │0 │625.1518 │0 │625.1518│19.2581 │
│9 │29.2156 │3.2462 │562.6373 │34.0015 │596.6388│18.3797 │
│8 │25.9694 │6.4924 │500.1221 │68.0029 │568.1250│17.5013 │
│7 │22.7233 │9.7385 │437.6068 │102.0044│539.6112│16.6230 │
│6 │19.4771 │12.9847 │375.0916 │136.0059│511.0974│15.7446 │
│5 │16.2309 │16.2309 │312.5763 │170.0073│482.5836│14.8662 │
│4 │12.9847 │19.4771 │250.0610 │204.0088│454.0698│13.9878 │
│3 │9.7385 │22.7233 │187.5458 │238.0102│425.5560│13.1094 │
│2 │6.4924 │25.9694 │125.0305 │272.0117│397.0422│12.2311 │
│1 │3.2462 │29.2156 │62.51526 │306.0132│368.5284│11.3527 │
│0 │0.0000 │32.4618 │0 │340.0146│340.0146│10.4743 │

注意)金の密度(比重)19.2581とすると、1寸=3.19㎝、1寸立方=32.4618?、1寸立方は、32.4618×19.2581=625.1518、『数理精蘊』から金1寸立方=168匁、1匁は625.1518/168=3.72gとなる。ただし、当時の清の営造尺と1匁は、1寸=3.2㎝、1匁=3.73gであった。金の密度(比重)は、19.12になる。

(表2)康熙帝御製『数理精蘊』
│1寸立方(匁)│1寸立方g換│密度(比重)│佐藤政養引用、「ブ│密度(比重)│
│ │ │算 1匁= │ 1寸立方=│リソンの密度(比│ 1寸立方=│
│ │ │3.73g換算│3.19 3 │重)表」(鋳タル者│3.2 3 │
│ │ │ │ │(物)) │ │
│金 │168 │626.64 │19.30 │19.2581 │19.12 │
│ │ │ │ │19.3250(引用不明)│ │
│紋銀 │90 │335.70 │10.34 │10.4743 │10.24 │
│水銀 │122.8 │458.04 │14.11 │14.195 │13.98 │
│紅銅 │75 │279.75 │8.62 │7.7880 │8.54 │
│ │ │ │ │8.8785(線条)│ │
│白銅 │68.8 │256.62 │7.91 │  │7.83 │
│黄銅 │68 │253.64 │7.81 │8.3958  │7.74 │
│鋼 │67.3 │251.03 │7.73 │7.874 │7.66 │
│生鉄 │67 │249.91 │7.70 │7.2030  │7.63 │
│熱鉄 │67.3 │251.03 │7.73 │  │7.66 │
│高錫 │63 │234.99 │7.24 │7.2910 │7.17 │
│六錫 │76 │283.48 │8.73 │  │8.65 │
│倭鉛 │60 │223.80 │6.89 │  │6.83 │
│黒鉛 │99.3 │370.39 │11.41 │11.3521 │11.30 │
│油 │8.3 │30.96 │0.95 │  │0.94 │
│水 │9.3 │34.69 │1.07 │  │1.06 │

(表3)久世作治・三岡(由利)公正『金譜』、羽田、甲賀表の金座品位での比較
│  │100両目│金(匁)│銀(匁)│金銀合計│金割合│銀割合│金譜金座│羽田金座│甲賀・ガラ│
│ │方(匁)│ │ │(匁) │ │ │品位(匁)│品位(匁)│ウンド・デ│
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │イロン金座│
│ │ │ │ │ │ │ │ │ │品位(匁)│
│慶長小判(小判、一分判)│476 │401.23│74.77│476.00 │0.84 │0.16 │52.2 │52.0 │51.0 │
│武蔵判 │476 │401.23│74.77│476.00 │0.84 │0.16 │52.2 │…… │51.4 │
│乾字金 │250 │210.73│39.27│250.00 │0.84 │0.16 │52.2 │52.0 │52.8 │
│元禄金(小判一分判、二│476 │273.06│202.94│476.00 │0.57 │0.43 │76.7 │74.1 │78.0 │
│朱) │ │ │ │ │ │ │ │ │ │
│享保金(小判一分判)│476 │413.07│62.93│476.00 │0.87 │0.13 │50.7 │52.0 │51.4 │
│古文字金(元文小判一分│350 │230.00│120.00│350.00 │0.66 │0.34 │67.0 │67.1 │67.4 │
│判) │ │ │ │ │ │ │ │ │ │
│眞字二分判(元文二分判)│350 │197.44│152.57│350.00 │0.56 │0.44 │78.0 │80.0 │67.4 │
│文政金(小判一分判)│350 │197.44│152.57│350.00 │0.56 │0.44 │78.0 │89.8 │78.5 │
│壱朱金(角一朱) │600 │72.33 │527.67│600.00 │0.12 │0.88 │365.0 │146.7 │357.4│
│草字二分判(文政二分判)│350 │171.12│178.89│350.01 │0.49 │0.51 │90.0 │89.8 │90.5 │
│古二朱金(天保二朱金)│350 │102.67│247.33│350.00 │0.29 │0.71 │150.0 │125.7 │147.3│
│五両判 │180 │151.72│28.28│180.00 │0.84 │0.16 │52.2 │50.0 │52.2 │
│保字金(天保小判一分判)│300 │170.32│129.68│300.00 │0.57 │0.43 │77.5 │86.3 │77.5 │
│正字判(安政小判一分判)│240 │136.26│103.74│240.00 │0.57 │0.43 │77.5 │78.6 │77.2 │
│安政二分判 │300 │58.67 │241.33│300.00 │0.20 │0.80 │225.0 │125.7 │216.8│

(表4)青地林宗『気海観瀾』「諸金と水気之比例」
│凝体* │称水重数* │水中減数* │筆者による計│比例重数*│
│ │ │ │算 │青地林宗 ││個体** │水中質量**│水中減量**│密度(比重)**│密度(比重)│
│ │(銭) │(銭) │ │ │
│水銀 │55 3/4 │4 1/4 │14.46 │14 │
│鉛 │54 1/4 │5 3/4 │11.01 │11 │
│銅 │53 │7 │8.57 │8 │
│黄銅 │53 │7 │8.57 │8 │
│錫 │53 │7 │8.57 │8 │
│生錫 │53 │8 │7.5 │7 1/2 │
│鉄 │51 1/6 │8 5/6 │7.1 │7 │

注意)*、上段青地林宗『気海観瀾』の使用語。なお、1銭=60分で計算。**、小数点以下第3位を四捨五入、筆者。


[計量計測データバンク編集部 註]
1、上記の本文中の表の表記は講演資料のものがくずれております。
2、図は編集技術の未熟によって未掲載です。


[関連資料-1-]
計量史をさぐる会2023大阪 クボタ久宝寺事業センターで10月20日に開く

開催概要は以下のとおり。

共催(社)計測自動制御学会力学量計測部会。
協賛(社)日本計量振興協会、東京産業考古学会、日本技術史教育学会。
後援 日本計量新報社。

開催日時 2023年10月20日(金)。
会場 (株)クボタ久宝寺事業センター(大阪府八尾市神武町2-35)。
参加費 研究発表会 会員3,000円、会員外4,000円、懇親会4,000円。

プログラム

第一部 開会式(12:40~13:10)

主催者挨拶 日本計量史学会会長 山田研冶氏。
設営者挨拶 (株)クボタ精密機器ユニット長 吹原智宏氏。
来賓挨拶 大阪府計量検定所所長 柳生国良氏。
来賓挨拶 大阪府計量協会理事長 村上昇氏。

第二部 工場見学は(株)クボタ久宝寺事業センター (13:10~14:20

第三部 特別講演(14:30~16:10)
(株)クボタ移譲はかりの紹介。
東洋計量史資料館 館長 土田泰秀氏。
クボタトラックスケールの現在・過去・未来 (株)クボタ 瀬川浩一氏代表発表(共同作業者(株)クボタ 瀬川浩一氏、(株)クボタ計装 倉橋一夫氏、(株)クボタOB 島田吉昭氏)。
弊社117年のあゆみ (株)村上衡器製作所社長 村上昇氏。

第四部 研究発表(16:20~17:00)
1、国際温度目盛(国際温度標準)の変遷2 小川実吉氏。
2、羽田正見と佐藤政養の貨幣密度(比重)分析 山田研治氏。
第五部 懇親会(17:10~19:10)
会場 クボタ久宝寺事業センター内。

日本計量史学会「計量史をさぐる会 2023」大阪開催オプショナルツアー(10月21日、10:00~15:00)

期日 2023 年 10 月 21 日(土)
前夜宿泊地:新大阪駅界隈のホテル(各自で予約宿泊)。地下鉄 新大阪駅より。
10:00 
パナソニックミュージアム見学  松下幸之助像前集合。
10:05 見学開始。
見学
11:20 見学会終了。
11:30 パナソニックミュージアム出発。常翔学園バス(最大27人乗り)。
12:15 大阪工業大学梅田キャンパス到着。
12:20 21 階リストランテ翔21にて昼食(1,500 円)。
13:10 
大阪工業大学梅田キャンパスの施設見学 (ロボティクス&デザイン工学部)。
15:00 見学会終了、現地解散。

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【資料など】

計量史をさぐる会2023大阪 クボタ久宝寺事業センターで10月20日に開く

国際温度目盛(国際温度標準)の変遷-1968年国際温度目盛(ITS-68)の採用-小川實吉氏

羽田正見と佐藤政養の貨幣の密度(比重)分析 山田研治氏

村上衡器製作所117 年の歩み 村上昇氏

「(株)クボタから移譲された工業用はかりの紹介」東洋計量史資料館館長 土田泰秀氏

「クボタ ラックスケールの現在・過去・未来」 (株)クボタ瀬川浩一氏、(株)クボタ倉橋一夫氏


2024年(令和6年)近畿地区の京都、滋賀、大阪の計量協会年賀交換会が相次いで開かれる(計量計測データバンク編集部)
京都府計量協会1月17日(水)、滋賀県計量協会1月18日(木)、大阪府計量協会1月19日(金)



関東甲信越計量団体連絡協議会「第二回計量大会」
(その1)

関東甲信越計量団体連絡協議会「第二回計量大会」(その2)

関東甲信越計量団体連絡協議会「第二回計量大会」(その3)

関東甲信越計量団体連絡協議会「第二回計量大会」(その4) データベース 葛飾北斎と浮世絵


「日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版)2023年11月16日号「日本計量新報週報デジタル版」
「日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版)2023年11月09日号「日本計量新報週報デジタル版」
「日本計量新報」今週の話題と重要ニュース(速報版)2023年11月02日号「日本計量新報週報デジタル版」


都道府県計量行政機関等の一覧(経済産業省ホームページにリンク)


山口県計量検定所 https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/88/ (左記にurlが変更されました)

計量検定所検査所など地方計量行政機関動き HPからの抜粋(2022年1月24日現在)

計量検定所検査所など地方計量行政機関の業務ニュース HPからの抜粋(2023年1月18日現在)

日本の計量士制度の概要

第21回全国計量士大会 2023年3月17日(金)ウェスティン都ホテル京都て開かれ123名が参加

第21回全国計量士大会 特集(写真集-その2-)

第21回全国計量士大会 特集(写真集-その1-)

第21回全国計量士大会 議事特集(その1)

第21回全国計量士大会 議事特集(その2)


メートル法と田中館愛橘、高野瀬宗則、関菊治の三氏(計量の歴史物語 執筆 横田俊英)

西秀記氏が初当選 2023年6月4日投票の青森市長選挙 57,062票 得票率43.1% 産学官連携で仕事創出を訴える

(国研)産業総合技術研究所
      ├
      ├計量標準総合センター
          ├
          ├
          ├
          ├工学計測標準研究部門
          ├物理計測標準研究部門
          ├物質計測標準研究部門
          ├分析計測標準研究部門
          ├
          ├小畠時彦(コバタ トキヒコ) (Tokihiko Kobata)
          ├


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          ├韓国でのセミナー講師を通じて感じた韓国の計量事情-その2-「日本の計量器産業論-その1-」序論)執筆 横田俊英
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   ├韓国でのセミナー講師を通じて感じた韓国の計量事情-その1-執筆 横田俊英
   ├韓国でのセミナー講師を通じて感じた韓国の計量事情-その2-「日本の計量器産業論-その1-」序論)執筆 横田俊英

「日本は貿易立国ではない]輸出依存度は15.2%

日本は貿易立国ではない。輸出依存度は15.2%(セカイコネクトに掲載文書)


計量計測のエッセー ( 2018年1月22日から日本計量新報の社説と同じ内容の論説です。以下の項目は追録があります。)


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(計量計測データバンク ニュース 2023年11月07日付)


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日本の計量士制度の概要


第21回全国計量士大会 議事特集(その1)

第21回全国計量士大会 議事特集(その2)

第21回全国計量士大会 2023年3月17日(金)ウェスティン都ホテル京都て開かれ123名が参加

第21回全国計量士大会 特集(写真集-その2-)

第21回全国計量士大会 特集(写真集-その1-)

計量検定所検査所など地方計量行政機関の業務ニュース HPからの抜粋(2023年1月18日現在)

2021年度の国家公務員管理職は総合職が72.9%、一般職が21.6%
国家公務員 霞が関職員の係長級経験者採用試験 合格・採用の事例(計量計測データバンク編集部)
計量計測データバンク 動画ニュース-2-(2022年1月30日から)第20 回全国計量士大会2022 年3月 4 日(金)13:30~17:00に 主催は日本計量振興協会
第20回全国計量士大会が2022年3月4日に開催されます。参加者募集中【計量計測データバンク動画ニュース】ユーチューブ 動画
https://www.youtube.com/watch?v=KFPJ1DwiElE
第20 回全国計量士大会2022 年3月 4 日(金)13:30~17:00に 主催は日本計量振興協会主催 pdf
計量計測データバンク動画ニュース-1-(2022年1月以降に掲載の寄稿文と計量計測情報)
計量検定所検査所など地方計量行政機関動き HPからの抜粋(2022年1月24日現在)
全国の地方計量協会の会員向け情報の調査(2022年1月18日現在)(計量計測データバンク編集部)
経済産業省が係長級(一般職相当)の選考採用を実施 応募受付中 応募締め切りは2022年3月31日(木)23:59(受信有効)
経済産業省2021年職員採用実績と出身大学(計量計測データバンク編集部)
日本計量新報最新のニュース 2022年1月7日以降(計量計測データバンク編集部)
2022年オミクロン株による感染防止の国家政策と個人の対策

計量計測のエッセー
地球温暖化と花見酒の経済
2022年日本経済の素描
質量の地球での振る舞いかた
質量の起源を探る

2022年オミクロン株による感染防止の国家政策と個人の対策
地球温暖化への対応は「一汁一菜」で幸せを感じる生き方

富士山と日本にある7つの氷河 文章 夏森龍之介

日本経済の未来-雑記帳-(データベース)その1by計量計測データバンク編集部

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計量法と計量行にかかる政政府関係機関の人事異動(計量計測データバンク編集部2021年10月28日付)

経済産業省2021年職員採用実績と出身大学(計量計測データバンク編集部)

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弁護士郷原信郎の池袋暴走事故「実刑判決に控訴せず」の見方 ユーチューブ動画を含む

交通事故報道の背後にある警察庁の意思と国家権力のジャーナリズム支配

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東池袋プリウス暴走事故で運転者に禁錮5年判決 2021年9月2日東京地裁

東池袋暴走事故 判決文全文 禁固5年 東京地裁判決 令和3年9月2日


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2021年 機械設計技術者試験 2021年11月21日(日)実施 全国17会場 日本機械設計工業会主催

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お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業ランキング調査 国家公務員が第1位

ビオンテック上席副社長カタリン・カリコ博士とCOVID-19対応mRNAワクチンの開発

国民のワクチン接種率7割でCOVID-19を抑えられる

計量計測データバンクニュース 経済産業省人事(2021年3月31日付け)

計量計測トレーサビリティのデータベース(サブタイトル 日本の計量計測とトレーサビリティ)
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計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書
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計量計測トレーサビリティのデータベース(計量計測トレーサビリティ辞書)-2-
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